勤怠管理とは?何をどのように管理するのか?ポイントや注意点は?

勤怠管理とは、出勤や退勤・休暇などの従業員の出勤状況のことです。

正しく労働時間を把握し、適正な給料を支払い、適正に休暇を与え、不当労働行為を防ぐためにも勤怠管理は重要な役割を果たします。

また、勤怠管理は法律に基づいて行わなければならないので勤怠管理のポイントや注意点もあります。

今回は、勤怠管理の役割やポイント・注意点、勤怠管理方法についてご紹介します。

勤怠管理の役割

正しく勤怠管理を行うことは、「給与管理」「安全衛生管理」「就業規則の管理」「労務トラブル対応」といった労務業務に繋げる役割があります。

  • 過剰労働の早期発見・防止
  • 就業規則の遵守
  • 適正な人事評価
  • 適正な賃金の支払い

勤怠管理のポイント・注意点

勤怠管理を行うことは、法律でも義務付けられています。

現在、労働安全衛生法には、下記の内容が定められています。

“事業者は、第66条の8第一項又は前条第一項の規定による面接指導を実施するため、厚生労働省令で定める方法により、労働者(次条第一項に規定する者を除く。)の労働時間の状況を把握しなければならない。

「労働安全衛生法 第66条の8の3」より)

https://www.jaish.gr.jp/anzen/hor/hombun/hor1-1/hor1-1-1-7-0.htm

勤怠管理の対象や項目について、法律で規定されているものや、厚生労働省の「ガイドライン」で示されているのものがあります。

対象者

勤怠管理の対象は、ほとんど全ての労働者です。

厚生労働省のガイドラインによると、勤怠管理の対象者は以下のように定義されています。

労働基準法第41条に定める者及びみなし労働時間制が適応される労働者(事業場外労働を行う者にあっては、みなし労働時間制が適用される時間に限る。)を除くすべての労働者

厚生労働省「ガイドライン」より

https://www.mhlw.go.jp/kinkyu/dl/151106-06.pdf

「労働基準法第41条に定める者」とは、部長や工場長などの事業責任者を指し、労働条件の決定や労務管理に責任を負う管理監督者です。

「みなし労働時間制が適応される労働者」とは、業務の全部または一部を事業場外で行い、労働時間の算定が困難な労働者を指します。

また、随時使用者から具体的な指示を受け、それに基づいて業務を行う在宅勤務の労働者もみなし労働時間制が適応されます。

つまり、以上の「管理監督者」「労働時間の算定が困難な労働者」を除く全ての労働者の勤怠管理を行わなければならないということです。

管理期間

労働基準法では、使用者は労働時間の記録に関する書類について5年間保存することが定められています

使用者は、労働者名簿、賃金台帳及び雇入れ、解雇、災害補償、賃金その他労働関係に関する重要な書類を五年間保存しなければならない。

「労働基準法第109条(記録の保存)」より

https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=322AC0000000049#513

管理項目

管理項目に関しては、厚生労働省のガイドラインに以下のように書かれています。

使用者は、労働時間を適正に把握するため、労働者の労働日ごとの始業・終業時刻を確認し、これを記録すること

厚生労働省「ガイドライン」より

https://www.mhlw.go.jp/kinkyu/dl/151106-06.pdf

ガイドラインでは、「始業時刻」「終業時刻」の記録が書かれています。

また、給与計算のためや労働基準法で定められている「年次有給休暇の取得日数」「法定労働時間」などを守るため、以下の項目を管理する必要があります。

  • 出退勤時間
  • 時間外労働時間
  • 休憩時間
  • 出欠勤日数
  • 遅刻・早退
  • 休日出勤回数
  • 有休休暇取得状況
注意
勤怠管理に基づいて給与計算や有給休暇の取得管理を行うため、勤怠管理は給与などに影響が出るので確認をして注意することが重要です。

勤怠管理に関する用語

出社・出勤

出社と出勤の違い

出社は”会社に出てくること”、出勤は”仕事を始めること”を表します。

つまり、出社時刻は会社についた時間のことで、出勤時刻は仕事についた時間となります。

退社・退勤

退社と退勤の違い

退社は”会社を出ること”、退勤は”仕事を終えること”を表します。

「退社・退勤」も「出社・出勤」と同様で、退社時刻は会社についた時間のことで、退勤時刻は仕事についた時間となります。

欠勤・公休

欠勤と公休の違い

休暇と休業

休暇と休業の違い

休職とは、”労働者の事情”によって会社を長期的に休むこと、休業とは、”会社の事情”により労働が困難になり、会社を休むことです。

休職は、労働者の病気やけが、家庭の事情により長期間休むことが例としてあります。休業理由には会社の業績悪化や自然災害などがあります。

勤務時間

勤務時間とは、始業時刻から終業時刻までの時間のことです。

つまり、出勤してから退勤するまでの時間を指します。

例えば、

出社時刻:8時

出勤時刻:9時

退勤時刻:17時

退社時刻18時

の場合、勤務時間は9時〜17時までの8時間となります。

始業時刻・終業時刻は会社が定めた就業規則に基づきます。

労働時間

労働時間とは、勤務時間から休憩時間を差し引いた実質働いた時間のことです。

労働時間 = 勤務時間 - 休憩時間

法定労働時間

法定労働時間とは、労働基準法で定められた労働時間のことです。
(週40時間、1日8時間以内)

所定労働時間

所定労働時間とは、就業規則や雇用契約で定められた労働時間のことです。

例えば、始業時刻が9時、終業時刻が17時、休憩時間が12時〜13時の場合、

所定労働時間 = 8時間 – 1時間

       =7時間

となります。

就業規則や雇用契約で所定労働時間を定める際に、所定労働は法定労働時間内に調整しなければなりません。

時間外労働(残業)

時間外労働(残業)とは、所定労働時間を超えて労働することです。

所定労働時間が法定労働時間を超える場合は、「時間外労働(残業)」となり、残業代を支払わなければなりません。

休日

休日とは、就業規則や労働契約で定められた休みの日のことです。
つまり、一般的には、土日・祝日・年末年始、夏季休暇が含まれます。

休暇

休暇とは、本来は出勤日だが、労働者が申し出をすることで会社を休む日のことです。
つまり、出産・育児や介護のためなど、臨時で仕事を休める日のことです。

年次有給休暇

年次有給休暇とは、従業員の疲労回復やリフレッシュなどのために、賃金の支払いを受けながら取れる休暇のことです。

勤怠管理方法

勤怠管理の方法には主に以下の三種類があります。

  • 紙ベース、エクセルベース
  • タイムカード  
  • システム   

紙ベース、エクセルベース

紙やエクセルに「出退勤時間」「残業時間」「休暇日」などを入力する方法です。

テンプレートを用意すれば、計算も自動で行えるので手間が省けます。

しかし、Excelの計算式にミスやエラーが発生したり、入力漏れが発生したりすることで、正確な計算ができない可能性もあります。

また、自己申告で記録・入力する場合は、不正や記録漏れが発生する可能性もあります。

タイムカード  

タイムカードは、職場に打刻機を設置し、出退勤時に社員がカードを挿して出勤・退勤を登録する方法です。

タイムカードを利用する場合は、締め日ごとにタイムカードの回収・集計をして、Excelにデータ入力します。

「打刻漏れ」やエクセル内での計算エラーやミスが発生する可能性があるので、定期的に記録に間違いがないかチェックすることが必要です。

クラウド型システム  

クラウド型のシステムは、PCやタブレット・スマートフォンからインターネットに接続することでいつでもどこでも利用できる勤怠システムです。

ウェブサイトもしくはアプリ上で出勤・退勤ボタンを押すことで勤務時間を管理することができ、自動で計算も行ってくれます。

一方、いつでもどこでも打刻でき、社員が打刻する様子をはっきり確認することができないため、不正打刻や打刻漏れを発見することができないというデメリットもあります。

リモートワークにも対応でき、導入コストも低いため、クラウド型を導入している企業が増えています。

代表的なクラウド型のシステムには以下のようなものがあります。

  • ジョブカン
  • CC-BizMate
  • KING OF TIME
  • jinjer勤怠
  • CLOUZA

オンプレミス型システム

オンプレミス型のシステムは、自社のサーバーに接続することで利用できる勤怠システムです。

自社のサーバー内に設置したWebブラウザやクライアントアプリケーション上で打刻し、勤務時間を自動で集計してくれます。

自社内でクローズした環境で運用できるため、セキュリティ面が安心できる一方、バックアップなどの導入・維持にコストがかかります。

代表的なオンプレミス型の勤怠システムには、以下のようなものがあります。

  • リシテア
  • TimePro-XG就業

タイムレコーダー型システム

タイムレコーダー型システムは、職場に設置した打刻機でスマホ・指紋認証・ICカードなどを使って打刻することができる勤怠システムです。

タイムカードと似ていますが、タイムレコーダー型システムは、自動で集計を行ってくれます。

打刻するために機械を利用しなければいけないので、打刻漏れの確認ができたり不正打刻を防いだりすることができます。

代表的なタイムレコーダー型システムには以下のようなものがあります。

  • Touch On Time
  • Teletime Z

それぞれのメリット・デメリット

勤怠管理方法メリットデメリット
紙ベース、エクセルベース・システム料がかからない・計算エラーが発生するリスクがある

・作業量が多い

・自己申告の場合不正が発生する

・締め日まで勤怠実績を確認できない
タイムカード・出退勤時間をデータで管理できる・一度に多数の打刻が打刻できない

・打刻漏れが発生するリスクがある

・従業員分のカードを用意しなければならない
クラウド型システム・リアルタイムで勤怠実績が把握できる
・低コスト
・計算などの手間が省ける。
・退勤漏れを通知してくれる
・一度に多数の社員が打刻できる
・リモートワークにも対応できる
・不正や打刻漏れが発生するリスクがある
オンプレミス型システム・リアルタイムで勤怠実績が把握できる
・セキュリティが万全
・計算などの手間が省ける
・退勤漏れを通知してくれる
・一度に多数の社員が打刻できる
・バックアップシステムなどの導入・維持にコストがかかる

タイムレコーダー型
システム
・リアルタイムで勤怠実績が把握できる
・計算などの手間が省ける
・システムの導入にコストがかかる

まとめ

勤怠管理について理解できましたか?

勤怠管理は、社員への労働の対価である給与の計算や社員の健康を守るための適正な労働時間の管理を行うために重要な役割を果たします。

勤怠管理のポイント・注意点を考慮しながら正確に労働時間や休暇取得状況などを把握することが重要です。

また、煩雑な集計作業の負担を軽減してくれるシステムもあり、正確に安全に勤怠管理を行うサポートをしてくれます。