カンパニー制組織について解説!カンパニー制はどんな企業に向いている?

カンパニー制とは事業部門を会社(=カンパニー)に見立て独立採算制とする制度で、社内カンパニー制、社内分社制度とも呼ばれ、多くの大企業で採り入れられている組織形態の一つです。

この記事では、カンパニー制組織の種類、メリット・デメリット、事業部制組織との違い、どんな企業に向いているかを解説します。

こんな人におすすめ!
  • カンパニー制とは、どんな組織形態か知りたい
  • カンパニー制のメリット・デメリットについて知りたい
  • カンパニー制はどんな企業に向いているのか知りたい

しろくま先生

カンパニー組織以外の機能別組織、事業部制組織、マトリクス組織、プロジェクト組織といった組織形態についても比較して理解したいという方は、以下の記事もぜひ読んでみてください!

カンパニー制組織とは

カンパニー制組織図

カンパニー制とは、事業分野別に会社を分社し、独立採算制をとる組織形態です。それぞれのカンパニーに企画から開発、コーポレート職種を設け、1つの独立した会社のような体制になります。

全ての機能をそれぞれのカンパニーに集約する場合もありますが、採用や労務、経理などをまとめて全社機能として設置する企業もあります。

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カンパニー制組織の始まり

1994年ソニーがよりスピーディーかつ自律的な組織を目指して事業本部制からカンパニー制に移行しました。19事業本部を8つの「カンパニー」という事業単位に括り直し、責任者として「プレジデント」を置き、プレジデントが一定規模内の投資決裁権やカンパニー内の人事権(部門長以下)などを持ちました。

また、事業本部制の時よりも、さらに厳密な損益計算書(P/L)と貸借対照表(B/S)の責任、加えてキャッシュフローの責任を課しました。

この改革には、当時の社長大賀氏の以下のような狙いがあったそうです。

 事業本部制の時と同様、大賀の名で「カンパニー制の導入にあたって」というメモが出され、具体的な狙いは5つにまとめられて伝えられた。(1)中核ビジネスの一層の強化と新規ビジネスの育成 (2)市場対応型組織を導入し、製造・販売一体となってマーケットの要請に対応 (3)事業責任の明確化と権限の委譲により、外部変化に迅速に対応できる組織の構築 (4)階層の少ないシンプルな組織 (5)企業家精神の高揚を図り、21世紀に向けたマネジメントの育成。

https://www.sony.co.jp/SonyInfo/CorporateInfo/History/SonyHistory/2-24.html#block6

このカンパニー制の効果が発揮され、ソニーは1994年以降業績の回復に成功し、1997年3月期にソニー史上最高の業績を達成しました。

このソニーの導入をきっかけにみずほ銀行などの他の大企業もカンパニー制を採り入れるようになりました。

カンパニー制組織のメリット

メリット
  • 意思決定や緊急時の対応をスムーズに行える
  • 課題や責任の所在がわかりやすい
  • 予算や経営戦略が立てやすい
  • 責任の所在が明確になりやすい
  • 企業経営者の育成がしやすい

カンパニー制では、組織単位が小さく、大きな権限をもっているため意思決定や緊急時の対応の早さが特徴的です。また、課題や責任の所在がわかりやすいので予算の策定や経営戦略が立てやすいといったメリットがあります。

カンパニー制組織では、カンパニーの独立性が高いため、カンパニー間での競争関係が生まれ、組織全体を活性化することができたり、次世代リーダーに経営の経験を積ませることで育成面でも大きな成長が期待できます。

カンパニー制組織のデメリット

デメリット
  • カンパニー間のシナジーやイノベーションが起きにくい
  • 重複部門・重複業務が生じ、ランニングコストがかかる

一方、カンパニーの独立性が高いためカンパニー間での交流が希薄し、カンパニー間のシナジーやイノベーションが起きにくいといったデメリットもあります。

また、カンパニーごとに企画、営業、開発、人事、経理の機能を設けることによって人材や設備、業務が重複し、ランニングコストがかさんでしまいます。

カンパニー制組織と事業部制組織の違い

カンパニー制組織は、事業部制組織よりも独立性が高く、各事業部を独立した会社とします。事業部制組織とは異なり、人事権・投資への決裁権も付与されるのでさらに意思決定や緊急時の対応をスムーズに行うことができます。

カンパニー制では、事業部制とは違い、損益計算書(P/L)だけでなくと貸借対照表(B/S)、加えてキャッシュフローの責任も負います。

この違いによってそれぞれメリット・デメリットがあります。

事業部制は本社経営層の権限が強く、人事や財務の機能をまとめて持っているので全社を統括しやすく、機能の重複が少ないので経営資源を効率的に活用できます。

一方、カンパニー制組織は人事や財務の機能をそれぞれのカンパニーが持つため、より柔軟な対応ができる上に責任と権限を持ったポストが増え、経営・マネジメントスキルを持った人材の育成が進みます。

カンパニー制組織に向いている企業

カンパニー制に向いている企業は、事業の更なる成長を目指す企業、経営人材の育成を進めたい企業です。

独立性の高いカンパニーの指揮を取るポジションを増やすことで起業家精神をかき立て、より企業成長を加速させることができます。

一方、人事や財務を司る機能がカンパニー間で重複するため、規模の小さい企業でカンパニー制を導入してしまうと人員や工数がかさみ非効率になる場合があります。なのでカンパニー制を導入している企業の多くは3000人以上の社員数を持つメガベンチャー・大企業です。

なので、事業部制から規模が大きくなるにつれて徐々に権限委譲を進めカンパニー制に移行するのがいいのではないでしょうか。

まとめ

POINT

【カンパニー制組織とは】

事業分野別に会社を分社し、独立採算制をとる組織形態です。それぞれのカンパニーに企画から開発、コーポレート職種を設け、1つの独立した会社の集合体のような組織形態

【メリット】

  • 意思決定や緊急時の対応をスムーズに行える
  • 課題や責任の所在がわかりやすい
  • 予算や経営戦略が立てやすい
  • 責任の所在が明確になりやすい
  • 企業経営者の育成がしやすい

【デメリット】

  • カンパニー間のシナジーやイノベーションが起きにくい
  • 重複部門・重複業務が生じ、ランニングコストがかかる

【プロジェクト制との違い】

  • 人事権・投資への決裁権も付与されるため、意思決定や緊急時の対応をスムーズに行うことができる
  • 責任と権限を持ったポストが増え、経営・マネジメントスキルを持った人材の育成が進む

【事業部制組織に向いている企業】

  • 製品や展開地域、顧客層が多岐にわたる
  • 会社の規模が大きく分社したほうが効率がいい
  • 変化が激しく素早くニーズを取り込む必要がある
  • 経営人材の育成を進めたい