メガベンチャー7社の人事評価・評価制度|MBO・OKR・コンピテンシーの導入事例

この記事では、MBO(目標管理制度)・OKR・コンピテンシー評価などの評価制度を採り入れたメガベンチャー企業の事例を紹介します。

こんな人におすすめ!
  • これからベンチャー企業の人事制度・評価制度を作ろうとしている
  • メガベンチャーでは、どんな評価制度を採り入れているのか知りたい

しろくま先生

採用ページやインタビュー記事をもとにメガベンチャーがどんな評価制度を導入しているのか説明しているので、最後まで読んでもらうと評価制度の構築に参考になる情報を知ることができますよ!
記事を読み進める前に...
評価制度の構築・見直しを依頼したい方は以下の記事も読んでみてください!依頼する前にチェックすべき準備ポイントや依頼先の選び方を解説しています。

MBO(目標管理制度)を導入した事例

しろくま先生

まずは、MBOを導入した企業の事例を紹介するよ!

目標管理制度(MBO)とは、企業・部門の目標に合わせて個人それぞれの目標を自身で設定して上司と部下の間で共有し、目標の達成度に合わせて評価する制度のことです。評価内容は企業によって異なり、定量的もしくは定量的・定性的な目標と評価基準を設定します。

DeNAの事例

――まずは、DeNAにおける人事評価の仕組みについて教えてください。

DeNAでは、半期に1度のサイクルで人事評価を行っています。査定のポイントとなるのはふたつ。ひとつは仕事を通して生み出した「成果(業績)」で、もうひとつは半年間でどれくらい個人が成長できたのかという「発揮能力」です。後者は、‟成長度合い”と言い換えるとイメージしやすいかもしれません。

――2軸で人事評価を行う企業は珍しくないですが、よく耳にするのは「定量×定性」や、「業績×行動プロセス」という考え方です。「発揮能力(成長)」を指標に置いているのがDeNAの特徴だと感じました。

そうかもしれません。「発揮能力」についても、「成果」と同様に半年後のゴールを決めて、到達度を測っています。いわゆる‟成長目標”を立てるんです。人事評価の重要な観点ですから、期初面談では上司と部下で、「強みを伸ばす(弱みを克服する)ために何をしていくか」と会話することが必要。だからこそ、面談は会社として個人の成長に期待していることをフィードバックする場でもあるんですよ。

また、「成果」と「発揮能力」の査定結果は、それぞれ異なる方法で社員に還元しています。「成果」の大きさはボーナスに反映するという考え。たとえば、担当したサービスの売上が爆発的に伸びたとしても、その要因は外部影響が大きかったり、一時的な伸長である場合もあるでしょう。

業績は個人の実力が直結するとは限りませんから、成果はあくまでも当該期間の報酬として還元しています。一方で、「発揮能力」の査定結果は基本給に反映。DeNAではグレード制を採用しており、グレードの階層ごとに期待するレベルを定義していますので、本人が今発揮できる能力(成長度合い)とグレードを照らし合わせることで基本給が上下していきます。

参照:https://www.ashita-team.com/jinji-online/category3/3415

Yahooの事例

ヤフーでは、期初に自身の所属組織におけるゴールを設定し、その達成度や個人の貢献度を本人の期待役割に照らして評価し、それが本人の賞与や昇給などに反映されるシステムです。(年2回)

つまり、ヤフーの評価制度は、年齢や社歴、国籍などに関わらず、その人がもたらした成果を評価し、報酬が連動する「Pay For Performance」の考え方を基本としています。

評価にあたっては、目標設定から評価の実施・フィードバックまでの一連のプロセスを適切に実行するため、以下のようなサイクルで運営しています。

また、業務上必要な成長、そして目標達成に向けたさらなるパフォーマンス発揮につなげる機会として、「仕事で深く関わる複数の社員」から成長につながる「率直なフィードバック」をもらい、上長との1on1などの場でふり返りを行うピアフィードバック※ を実施しています。(年2回)

※ “ピア(peer)”とは、『同僚』や『仲間』の意味です。

目標設定から評価までの流れ

中長期的な視点でより大きな事業インパクトを目指すため、年度単位での目標設定を行います。期中には日頃の1on1で目標の進捗確認を行い、社会情勢や外部環境を踏まえた上で必要な軌道修正をする期間があります。

・目標設定 ― 年度目標を定めた上で半期の目標(KPI)を設定
・期中フィードバック ― ピアフィードバックの結果などもふまえながら、設定した目標に対する進捗、達成に向けたアクションを確認
・目標修正期間 ― 市場や社会情勢の変化等を踏まえた必要に応じて目標を修正
・期末評価 ― 半期の目標達成を評価

評価結果のフィードバック

半期の評価結果を「具体的事実に基づき」適切に伝えることで、来期以降に向けて「さらなるパフォーマンス発揮を促す」ことを目的としています。フィードバックを通じて、評価対象者本人が「来期も頑張ろう」「次回は結果を出したい」と、未来に向けて改善意識が高まるようアドバイスや動機づけを行っています。

参照:https://www.z-holdings.co.jp/sustainability/stakeholder/09/

ファーストリテイリングの事例

ファーストリテイリングは、評価基準をキャリアごとに細かく明確にしています。

目標と達成度が明瞭になることで、評価は、個々人の成長を促すための教育であると考えているからです。

参照:https://www.fastretailing.com/employment/ja/fastretailing/jp/graduate/company/career-path/
参照:https://www.fastretailing.com/employment/ja/fastretailing/jp/graduate/company/career-path/

OKRを導入した事例

しろくま先生

次はOKR。メルカリが導入していることで有名だよ!

OKRとは、Objectives and Key Resultsの略で、3ヶ月〜半年間での会社・部門・個人の定量的・定性的な高い目標を設定し、全社・チームで共有し、振り返る評価制度です。目標管理制度をさらに進歩した形で、目標管理制度よりも短期的で高い目標を会社・部門・個人それぞれの目標を共有・振り返りを行う点が異なります。GoogleやIntelなどが採り入れ、成果をあげたことから日本でもメルカリをはじめとしてさまざまな企業で広く採り入れられるようになりました。

メルカリの事例

メルカリでは、2015年からOKRを導入し始めました。1on1やミーティングで進捗を確認し、四半期ごとにメルカリのバリュー体現度とOKRの達成度合いではなく、達成までの成果やパフォーマンスを評価しているようです。

評価に関しては、2つの軸があり、1つがメルカリのバリューである「Go Bold (大胆にやろう)」「All for One(全ては成功のために)」「Be Professional (プロフェッショナルであれ)」を実践できているかどうか。もう1つが、OKRを達成するプロセスの中で見られた成果やパフォーマンスです。この2つの評価軸で、クオーター毎に評価をしていきます。     

参照:https://get.wevox.io/media/mercari-story

2021年2月に人事評価制度を大幅に変更

参照:https://mercan.mercari.com/articles/27642/
参照:https://mercan.mercari.com/articles/27642/

ーこれまでのメルカリグループでは、メンバーの能力や成果にランク付けを行わないシステム「ノーレイティング」、設定された目標をどの程度達成できたかを評価する「絶対評価」を人事評価制度に採用していました。今回の人事評価制度は、それらをすべて変えた感じでしょうか?

@ume:大きな方針は何も変わっていません。メルカリ・メルペイ・ソウゾウで事業フェーズや実現の仕方に違いはあれど、優秀な人材を大胆に評価で報いていく軸は以前のものと同じです。

@into:新人事評価制度での一番大きな変更点は、グレードを軸に据えた点です。グレードは、メルカリグループとして「どんな貢献を期待しているか」を明確化したもの。そのため、期待される成果バリュー発揮行動を分けてグレードを定義しています。これは評価や昇格を議論するときの軸になりますし、成長の道標としても活用できます。

@momoko:今までの人事評価制度は、メルカリのカルチャーに合わせてつくり、少しずつ改善・肉付けされながら運用してきました。そのなかにグレードもありましたが、給与水準を加味して決定したものでした。新人事評価制度では改めてグレード内容を見直し、評価時の軸になるように再定義した感じですね。

参照:https://mercan.mercari.com/articles/27642/

職務は「エンジニア」「マネジメント」「スペシャリスト」、キャリアとして定義されている3つのキャリアごとに、求められる職務が全社共通で定められています。職能についても全社共通の指標が定められており「専門性」「戦略性」「業務遂行力」「オーナーシップ」「フォロワーシップ」の5つの項目で構成されています。

参照:https://www.cyberagent.co.jp/techinfo/info/detail/id=25697

コンピテンシー評価を導入した事例

しろくま先生

次は、コンピテンシー評価の事例を紹介するよ!

コンピテンシー評価とは、職務ごとに求められる具体的な行動を基準に上司が評価する評価制度のことです。定量的な成果よりも定性的なプロセスを重視し、成果が高くなくてもそのプロセスでの行動が評価されるという特徴があります。

楽天

参照:https://corp.rakuten.co.jp/careers/work/

楽天主義を反映した評価制度

楽天では、仕事のプロセスにおいて社員が発揮した能力(コンピテンシー)と残した成果(パフォーマンス)を基に、半年に1回、評価を行います。コンピテンシー評価によって月額給与が、パフォーマンス評価によって業績賞与が決まります。

コンピテンシー評価の項目は、楽天主義の中の「成功の5つのコンセプト」において本質的に求められている11個の要素から定義されており、その評価により、グローバルで共通化された格付け(B, BB, BBB, A, AA, AAA)が与えられます。また、各格付けにおいて求められるコンピテンシーの内容を明示することで、各社員のコンピテンシー開発を促しています。

社員の勤続年数に関わらず、能力・成果に対し正当な評価を受け、格付けの階段をステップアップできるような環境を提供しています。

参照:https://corp.rakuten.co.jp/careers/work/

ソフトバンクの事例

仕事の成果や組織への貢献を評価する貢献度評価。ミッションを遂行するために求められる能力およびソフトバンク人としての姿勢・行動に対するコア能力・バリュー評価。これらの両面からの評価指標を取り入れています。

参照:https://recruit.softbank.jp/graduate/company/commendation/

サイバーエージェントの事例

参照:https://www.cyberagent.co.jp/techinfo/info/detail/id=25697

サイバーエージェントではエンジニア職において「JBキャリアプログラム」を採用しています。「JBキャリアプログラム」では、全社共通のジョブグレード(JBグレード)を設けており、JBグレードはJB1からJB13まで存在します。

グレードは「職務」と「職能」で定義されており、グレード毎に求められる「職務」「職能」は社内で公開されています。、またグレード毎に給与レンジが定められており、半期ごとに評価の見直しが行われます。

「JBキャリアプログラム」は評価制度であると同時に、職務定義やレンジ毎に求める職能をキャリアとして言語化することで、中長期的なキャリアを考える際のガイド的な役割を果たすことを目的としています。

参照:https://www.cyberagent.co.jp/techinfo/info/detail/id=25697