【最新トレンド】ノーレイティングを導入した人事評価制度の事例5選

ランク付けを行わない「ノーレイティング」が人事評価制度のトレンドとなっています。

アドビシステムズやマイクロソフトを始めとするアメリカ大手企業で導入され、日本でもメルカリを筆頭に、ノーレイティングを採り入れる企業が増えています。

  • ノーレイティングってどんな評価制度?
  • どんな企業が導入しているの?
  • どうやって評価しているの?

という方に向けて、

この記事では、ノーレイティングを導入した評価制度の事例5選を紹介します。

しろくま先生

インタビュー記事を元に企業がどうやってノーレイティング評価を運用しているのか紹介するので、最後まで読むとノーレイティングを導入した評価制度の構築・運用に役立つ情報を得ることができるよ!
こんな人におすすめ!
  • 人事評価制度の構築・見直しを検討している
  • 評価制度のトレンドを知りたい
  • ノーレイティングを採り入れた評価制度をどのように運用しているのか知りたい
  • 他の企業がどんな評価制度を運用しているのか知りたい
記事を読み進める前に...
評価制度の構築・見直しを依頼したい方は以下の記事も読んでみてください!依頼する前にチェックすべき準備ポイントや依頼先の選び方を解説しています。

ノーレイティングとは

しろくま先生

まずは、ノーレイティングについて簡単に説明するよ!

ノーレイティングとは、ランク付けを行わない評価制度のことです。

年次ごとに行う「S」「A」「B」「C」といったランク付け評価を行うのが一般的ですが、ノーレイティングでは、定期的に行われる上司との面談で、リアルタイムに目標設定とフィードバックを行います。

また、全従業員の成果や能力に点数やランクをつけて相対的に評価するのではなく、各従業員の評価が基準以上かどうか判断するだけです。

なので、「リモートワークなどの多様な働き方に柔軟」「ランクに縛られずに正当に評価できる」というメリットがあります。

一方、週または月単位で面談、評価方法に関するトレーニングが必要となり、管理職の負担が大きくなるというデメリットもあります。

メリット
  • 市場・環境の変化に柔軟に対応した目標設定・フィードバックができる
  • 面談でコミュニケーションをとり、目標設定・評価に納得感がある
  • 多様な働き方に対応できる
  • ランク付に縛られず、正当に評価できる
デメリット
  • 管理職への負担が大きい

AdobeSystems(アドビシステムズ)の事例

しろくま先生

アドビシステムズでは、独自の評価制度「Check-in」を導入し、独自開発のCheck-inツールを販売しているよ!

  • マネージャーへのトレーニング
  • パフォーマンスの振り返り・目標設定・計画を面談で話し合う

この2点がポイントなんだね!

参照:https://www.adobe.com/check-in/toolkit.html

アドビはどのような種類のトレーニングおよびコミュニケーション計画を推奨していますか?

チェックインを最初に開始したとき、最初の18か月間は重要なトレーニングとコミュニケーションを含み、その後もトレーニングを継続する包括的な計画を設計しました。最初に上級リーダーにトレーニングを展開し、次にマネージャー、次に従業員にトレーニングを展開しました。チェックイン(フィードバック)の1つのフェーズから開始し、四半期ごとに別のフェーズに焦点を合わせていました。

参照:https://www.adobe.com/check-in/FAQ.html

チェックインの会話を成功させるために、マネージャーと従業員は何ができますか?

私たちのマネージャーは、ビジネスのリズムに基づいた会話のリズムを設定したときに最も成功することがわかりました。チェックインの重点分野を決定します。パフォーマンスの詳細(つまり、何が機能していて、何を改善する必要があるか)について話し合います。各直属の部下でアクションアイテムを作成し、定期的に確認します。常にタイムリーなフィードバックを提供します。

従業員は、次のことについて話し合う準備ができた会話に参加したときに最も成功することがわかりました。前の会話で設定したアクションアイテムと目標に対する進捗状況トレーニングコースやストレッチの機会などを通じて、成長する方法に関する彼らの開発ニーズとアイデア。そしてそれらを達成するための彼らの長期的な目標と計画

参照:https://www.adobe.com/check-in/FAQ.html

Microsoft(マイクロソフト)の事例

しろくま先生

マイクロソフトは、年次評価をやめて新しく導入した評価制度には

  • どれだけインパクトを与えることができたかを評価する
  • 面談で振り返りとインパクト目標について話す
  • 定期的に面談を行う
  • ノーレイティング

という特徴があるよ!

 3ヵ月に1度、上長とのステータスチェックのための面談「コネクト」を実施している。面談前に、「コネクト」の社内ツールに4つの質問への回答を入力する。まずは、「この期間、どんな貢献をし、どんなビジネスインパクトを残したのか」ということ。会社への貢献でもいいし、チームへの貢献でもいい。顧客への貢献でも、もちろんいい。

 そしてその上で、その結果として、ビジネスにどんなインパクトを与えたかが問われる。

「インパクトはどうだったか。インパクトにつながった貢献が問われるんです。インパクトが見えていなかったら、貢献したかどうかは判断されません。まずは、インパクトを書かないといけない」

その上で、次なる質問は「さらに大きなインパクトをもたらすためには何ができたか」ということ。さらに、「次の数ヵ月でどんなインパクトを目指すのか」が問われる。

ここで記したものが、その後の定期的な上長との一対一での面談で使われ、次のコネクトで振り返る。

最後に、「インパクト達成に向けてどんな学習をしたり、自身の今後の成長に向けて何を行うか」である。これらのコネクトを繰り返し実施することが、半期や年間の評価のベース指標にもなる。

 加えて、自分を評価してほしいメンバー、仕事で関わりのあった社員、マネージャーに評価をお願いすることができる。ここでも評価の対象はインパクトだ。

参照:https://diamond.jp/articles/-/177194

mercari(メルカリ)の事例

しろくま先生

急成長中のメガベンチャー、メルカリは個人のパフォーマンスを評価するために「ノーレイティング」「絶対評価」を採り入れているよ!

高橋:メンバーの一人ひとりをレイティングせず、絶対評価することを明確に制度へ盛り込みました。

これはメルカリの経営陣の社員に対する想いと密接に関わっています。そもそもレイティングというのはメンバーに「S評価」「A評価」「B評価」など、ランクに分けて評価すること。

組織が1,000名を超えてくると、評価者にかかる人事評価のためのコストや権限委譲を名目に事業部単位やチーム単位に原資を分配し、与えられた原資のなかで評価する手法をとることは珍しくありません。

でも、メルカリの場合は昇給額に原資を設けていません。あくまで個人のパフォーマンスで評価される仕組みをつくろうと思ったのです。

参照:https://mercan.mercari.com/articles/2018-10-12-163000/

ーそもそもメルカリがノーレイティング、絶対評価を取り入れられた要因は何だと思いますか?

高橋:そうですね。要因は2つあると思っています。1つは経営陣のメンバーに対する想い。メンバーそれぞれのパフォーマンスに応じて、見合った評価を適切に行いたい

それが何らかの給与テーブルや指標によって制限を受けてしまうものにはしたくなかったんです。

もう1つはメルカリのカルチャーです。先ほども触れたバリューにもある通り、プロフェッショナル志向を持つメンバーが多い会社なので、アウトプットやパフォーマンスで評価されることに馴染みと納得感があったのだと思います。

参照:https://mercan.mercari.com/articles/2018-10-12-163000/

feedforce(フィードフォース)の事例

しろくま先生

フィードフォースは、従業員が好きなタイミングで評価を受けられる評価制度を運用していて、

  • 昇級審査はいつでも受けられて、昇級すれば翌月から給与に反映され
  • 定期評価はせずに全員が一律で昇給

という特徴があるよ!

一定の評価基準を超えたメンバーをマネージャーが次の等級へ推薦する、もしくは自分自身で次の等級へ自己推薦して、社長・役員・直属のマネージャーを含めた5名に対して、そのメンバーが自分の成果をプレゼンする等級審査という仕組みにしました。

参照:https://media.feedforce.jp/n/n222a08fd3e2b

評価制度の目的は「会社の成長と個人の自律的な成長のベクトルを一致させる」ことであって、社員をランクづけしたり厳密な意味で公平な給与額にしたいわけではありませんでした。

そこで、定期昇給額は全員一律同額と割り切ることにしました。

一定期間で貢献してもしなくても昇給額が同じであることに不満に感じる社員もいるかもしれませんが、少なくとも「公平(あるいは平等)」かつ「明朗」な制度ではあると思います。

社員が成長・貢献した場合は先に述べた「昇級」することで給与を上げることができるので、半年に1度と言わず自身のタイミングで昇級審査を受けて給与を上げてもらうことになります。

参照:https://media.feedforce.jp/n/nc7a2e89635eb

OLTA(オルタ)の事例

しろくま先生

クラウドファクタリングを提供するfintechスタートアップであるOLTAの評価制度は、毎月のリアルタイムフィードバックと月次評価を組み合わせた評価制度を運用しているよ!

「役割と成果にフェアに報いる仕組み」を考えると、そもそもスタートアップでは目標設定が難しいという問題があると思っています。たとえば今日決めた目標が、来週には変わってしまうこともよくありますよね。

また、マネジメント経験もバラバラなケースが多く、そのなかで半期評価をすると、直近の1、2ヶ月の印象に偏った評価をつけてしまう、といった問題が起こりがちです。

こうした事情を考慮して、評価はなるべくリアルタイムで行うべきだという考えが前提にありました。

そこで2020年の7月から、もともと習慣化されていた1on1を活かす形で、週次のリアルタイムフィードバックと月次評価を組み合わせた評価制度のトライアル運用を始めました。

最終的な人事評価は半期ごとに行っていますが、週次のリアルタイムフィードバックを行い、等級基準に基づく月次評価の累積を半期評価のベースに取り入れることで、実態と評価のギャップを小さくするようにしています。

具体的には、週次の1on1では、上司が1週間のメンバーの仕事ぶりに対して良かった点や気になった点をあらかじめ整理しておき、それを1on1の冒頭5〜10分程度使ってフィードバックしています。

そして月次評価の際には、バリュー、プロフェッショナル、ハーモニーに対してスコアとコメントをつけ、本人にフィードバックします。その月次の累積スコアの平均値が、中間評価や半期評価のベースになる仕組みです。

ただ職種によっては、5ヶ月は仕込みの期間で、最後の1ヶ月でドンっと成果がでるような場合もあると思います。

そこで、機械的に算出したスコアをそのまま適用するのではなく、それを参考にして各組織のマネジメントが評価案を作成し、キャリブレーションをした上で決定する形にしています。

参照:https://seleck.cc/1467