OKRを導入した評価制度の事例6選|どう評価と連動する?

  • OKRをどうやって運営したらいいか分からない
  • OKRの運用が上手くいかない
  • OKRと評価の連動方法が分からない

この記事では、OKRを採り入れた評価制度の事例を6社厳選してご紹介します。

こんな人におすすめ!
  • これから人事評価制度の構築を検討している
  • OKRの導入・改善を考えている
  • 他の企業では、OKRをどのように運営しているのか知りたい

しろくま先生

採用ページやインタビュー記事をもとにベンチャー企業がどうやってOKRを運営しているのか、評価とどれぐらい連動しているのか説明しているので、最後まで読んでもらうとOKRの構築・運営に参考になる情報を知ることができますよ!
記事を読み進める前に...
評価制度の構築・見直しを依頼したい方は以下の記事も読んでみてください!依頼する前にチェックすべき準備ポイントや依頼先の選び方を解説しています。

OKRとは?

OKRとは、Objectives and Key Resultsの略で、3ヶ月〜半年間での会社・部門・個人の定量的・定性的な高い目標を設定し、全社・チームで共有し、振り返る評価制度です。

短期的で高い目標を会社・部門・個人それぞれの目標を共有・振り返りを行うのがOKRの特徴です。GoogleやIntelなどが採り入れ、成果をあげたことから日本でもメルカリをはじめとしてさまざまな企業で広く採り入れられるようになりました。

OKRのポイント

しろくま先生

OKRを導入した評価制度の事例には以下の共通点があったよ!では、それぞれの事例を説明するね!
POINT
  • 目標達成度を直接評価に反映せず、目標達成までの行動が評価される
  • OKRだけでなくバリュー評価やスキルと合わせて評価している
  • OKRをアレンジして自社に合った運用をしている

mercari(メルカリ)の事例

しろくま先生

メルカリでは、2015年からOKRを導入しているよ!

1on1やミーティングで進捗を確認し、四半期ごとにメルカリのバリュー体現度とOKRの達成度合いではなく、達成までの成果やパフォーマンスを評価しているみたいだよ!

評価に関しては、2つの軸があり、1つがメルカリのバリューである「Go Bold (大胆にやろう)」「All for One(全ては成功のために)」「Be Professional (プロフェッショナルであれ)」を実践できているかどうか。もう1つが、OKRを達成するプロセスの中で見られた成果やパフォーマンスです。この2つの評価軸で、クオーター毎に評価をしていきます。     

参照:https://get.wevox.io/media/mercari-story

2021年2月に人事評価制度を大幅に変更

参照:https://mercan.mercari.com/articles/27642/
参照:https://mercan.mercari.com/articles/27642/

ーこれまでのメルカリグループでは、メンバーの能力や成果にランク付けを行わないシステム「ノーレイティング」、設定された目標をどの程度達成できたかを評価する「絶対評価」を人事評価制度に採用していました。今回の人事評価制度は、それらをすべて変えた感じでしょうか?

@ume:大きな方針は何も変わっていません。メルカリ・メルペイ・ソウゾウで事業フェーズや実現の仕方に違いはあれど、優秀な人材を大胆に評価で報いていく軸は以前のものと同じです。

@into:新人事評価制度での一番大きな変更点は、グレードを軸に据えた点です。グレードは、メルカリグループとして「どんな貢献を期待しているか」を明確化したもの。そのため、期待される成果バリュー発揮行動を分けてグレードを定義しています。これは評価や昇格を議論するときの軸になりますし、成長の道標としても活用できます。

@momoko:今までの人事評価制度は、メルカリのカルチャーに合わせてつくり、少しずつ改善・肉付けされながら運用してきました。そのなかにグレードもありましたが、給与水準を加味して決定したものでした。新人事評価制度では改めてグレード内容を見直し、評価時の軸になるように再定義した感じですね。

参照:https://mercan.mercari.com/articles/27642/

iCARE(アイケア)の事例

しろくま先生

iCAREもメルカリと同様にOKRで立てた業績目標を評価の参考として、CREDOの体現度とあわせて評価しているみたいだよ!
iCAREの評価制度
参照:https://speakerdeck.com/yoshi111kazu/202102

iCAREではOKRをベースに「業績目標」を立て、評価の参考値としています。

本来のOKRの考えでは「評価するツールではない」とありますが、多いに評価に利用しています。(もちろん、この結果だけで評価はしません)

一見、矛盾しているように思えますが、MBO, OKRの良い部分を利用しながら、CREDOの行動指針と合わせて最高の評価制度を実施したいと試行錯誤してきました。

参照:https://note.com/yoshi111kazu/n/ncee2a677efb5

Raksul(ラクスル)の事例

しろくま先生

ラクスルの評価制度でも、OKRと行動規範を軸とした行動(コンピテンシー)評価を導入しているよ!
ラクスルの評価制度
参照:https://speakerdeck.com/raksulrecruiting/raksul-introduction

永見 : そうですね、同感です。ラクスルは独自のカルチャーを作っていくためにも、「仕組みを変えれば、世界はもっと良くなる」というビジョンを要素分解して、ラクスルスタイルと呼んでいる行動規範を次の3つに絞りました。

Reality 解像度の高い課題設定
System 課題解決と仕組み化
Cooperation 複雑な事業遂行のため異能・多能の連携

実はこの行動規範は、そのまま人事評価の軸になっています。行動規範自体がコンピテンシーになっていて、社員のグレード別に要件が決まっているんです。逆にいうと、いくら結果を出しても行動規範に則っていなければ、会社としては評価しない、ということでもありますね。

参照:https://www.hito-link.jp/media/interview/raksul

業績目標はOKR、行動目標はCREDOをベースに

業績目標:

  売上げや機能などその期間でどれだけ達成できたか?(OKR / Value)

 行動目標

  自分がどれだけレベルアップしたか?(CREDO)

※ OKRを利用するのは業績目標部分のみです。

※ 業績目標の結果がボーナスに反映されて、行動目標の結果が昇給に反映される会社が一般的に多いですね。

参照:https://note.com/yoshi111kazu/n/ncee2a677efb5

SmartHR(スマートHR)の事例

しろくま先生

SmartHRの評価制度では、OKRと価値観マッチに加えて基礎スキルも評価の対象としているよ!

薮田:スタートアップは、とにかく早く評価制度を設計して始めることがすごく大切だと思います。というのも、評価制度は1年経たないと、その制度は果たして自社に合っているのか否かが分からないから。少しでも早く導入して、自社に合う形へと変えていく必要があると思っています。

SmartHRでは、早いタイミングから等級制度を導入し、誰が何等級なのかを全社員にオープンにしています。もし導入が遅くなっていたら「なんでこの人がこの等級なのか」といった不満が出やすくなると思うので、等級制度の導入、ましてや等級をオープンにするということは難しかったのではないかと思います。

参照:https://coralcap.co/2019/06/panel-discussion-of-startup-hr/

Chatwork(チャットワーク)の事例

しろくま先生

Chatworkでは、OKRによるチャレンジを評価しているのが特徴的だよ!

――評価に連動しないということですが、人事評価はどのような設計なのでしょうか?

山本: 達成率は評価に直接連動しませんが、OKRを参考にはしています。

具体的に言うと、社員の評価は、①業績評価 ②行動評価 ③全社業績の3つに対して、グレード別の係数がかかっています。この、①業績評価にOKRを参考にした数値を入れるのですが、「OKRを通してどれだけチャレンジしたか」に対する評価を入れています。

最終的にはマネージャーがメンバーのパフォーマンスを見て、評価点を決めます。極端な話ですが、OKRの達成率が0%でも、良い評価点をつけることもできます。もちろん、マネージャーがきちんとした評価理由を説明する必要がありますが。

参照:https://www.hito-link.jp/media/interview/okr-chatwork

dely(デリー)の事例

しろくま先生

クラシルなどのメディアを運営するdelyは、OKRを導入したのちにOKRを独自にカスタマイズした「Drive Point制」を運用しているよ!

大倉さん:目標管理はOKRを使っています。創業当初よりOKRを導入しているのですが、当初は誰もOKRの意味や目的をよく理解しないまま目標と結果を管理しているだけでした。

現在はそんな状況から少しづつ改善されてきています。

クオーターごとに経営合宿を実施し、各部門の責任者が代表の堀江とクオーターのOKRを設定して、そのOKRを細分化したものを部門のメンバーに落とし込んでいく方法で設定しています。私たちの会社は事業が複雑で、いわゆるアプリを作っていらっしゃる会社と違い動画制作の部門があったり、広告もアドネットワークやタイアップ広告など多岐に渡るため、OKRによって各部門がフォーカスするべき指標を決めています。

目標の数値と戦略の大枠については堀江と各部署の責任者が決めますが、それを具現化する方法に関しては現場レベルが考えています

OKRと評価との連携に関してですが、OKRの達成度は業績連動報酬と紐づけして、賞与のようにして扱っています。

ベース給与に関しては、グレード制を取り入れており、成長目標・カルチャーの体現度によってグレードの査定に基づき昇給していく設計にしています。短期OKRで結果を出した社員は短期的に報い、会社にとって大切なカルチャーの体現をし、スキルも成長した社員に対しては、長期的に報いています。

評価と報酬の決め方に関してもまだまだ発展途上ですので今後もブラッシュアップし続けます。

参照:https://gozal.cc/basics/personnel-system-labor-contract/dely-interview#OKR

大倉 delyでは、事業成長と変化のスピードを大切にしているため、目標はクオーターごとに設定しています。

その目標管理は、当初OKR(※)を採用して2年ほど運用・改善していましたが、少し実態に合わない部分があり、現在はOKRを自社用にカスタマイズした「Drive Point制」というものを運用しています。

この「Drive」は、弊社の掲げるバリュー(行動指針)のひとつで、「業務を遂行する力、人を巻き込む力」を意味しています。

それに由来して、クオーターごとに最もDriveすべきPointを定めており、その目標管理と評価の仕組みを総称する形で「Drive Point制」と呼んでいます。

まず、全社のDrive Pointについては、クオーターが始まる前に代表の堀江や経営層が集まって経営合宿を行い議論します。

その時々のあらゆる経営情報を元に、事業計画のロードマップを達成するためには次の3ヶ月で何に最も注力すべきか? を意思決定する形ですね。

その後は、全社→部門→個人にブレイクダウンする形で、Drive Pointを決めていきます。基本的にはOKRの仕組みを踏襲して、1人3〜5個のDrive Pointを設定していますが、運用面では異なる部分があります。

例えば、目標の達成水準は「50%」を目安に置いています。一般的なOKRだと60〜70%くらいだと思うのですが、弊社の場合、成功するかしないか五分五分の、難しい目標を立てる習慣が昔からあるんです。

全社共通の8段階のグレードごとに期待役割が定められているので、それを基準として目標の難易度を調整しています。

また、OKRでは定量指標をKRに置きますが、Drive Pointについては必ずしも定量である必要はない、というルールにしています。

というのも無理に定量化しようとすると、事業と結びつかないような「意味のない目標」を立てがちなんですよね。

井上 特にエンジニアの成果は数値で測りづらいので、定性的な目標にして、かつ納得感を持てるように、個人のDrive Pointは自ら考えて設定してもらっています。

例えば、「ハイパフォーマンスなユーザー体験を実現する」という部署のDrive Pointに対して、あるエンジニアは「デザインシステム、マイクロインタラクションなどの設計・実装を通してデザインリニューアルをサポートする」といった個人のDrive Pointを立てています。

参照:https://seleck.cc/1333