等級制度とは?職能等級制度・職務等級制度・役割等級制度(ミッショングレード制)について解説!

「等級制度って何?」

「何のための制度?」

「どうやって決まる?」

「どんな種類の等級制度があるの?」

といった疑問にお答えして、等級制度の意味や目的、等級制度の種類とそれぞれのメリット・デメリットについて解説します!

等級制度とは

等級制度とは、能力・役割、職務、責任の大きさやレベルによってランク付けする制度です。

そして、多くの場合ランク付けした等級に基づいて部長・課長・係長などの職位を決めます。

5等級=課長、6等級=副部長というように等級=職位となる場合もありますが、5〜6等級=課長、7等級〜8等級=副部長のように複数の等級に跨る場合がほとんどです。

これらの等級を元に人事評価や給与額の決定が行われます。

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職位について更に詳しく知りたい方は下記の記事を読んでみてください!
職位とは?役職との違い・職位の種類と役割について|英語表記も紹介

等級制度の種類

  1. 職能資格制度
  2. 職務資格制度
  3. 役割資格制度

等級制度には、主に「職能資格制度」「職務資格制度」「役割資格制度」の3つがあり、何を基準に等級を決めるかが異なり、それぞれにメリット・デメリットがあります。

求める人材を育成することができるかは、どの等級制度を取り入れるかによって決まります。

どの等級制度が自社の経営方針にあっているか検討してみてください。

職能資格制度

職能資格制度とは、社員の仕事を行う上での「能力」に応じて等級を決める制度です。

この能力とは、全ての職務に共通する能力であり、特定の分野における能力ではありません。

例えば、こなせる仕事の難易度、部下の指導・管理能力、経営目標を達成するための戦略力などがあります。

仕事における能力を基準とするため公平な制度と思われますが、能力は年齢・勤務年数に応じて上がる傾向や、数値化するのが困難であることから、年功序列的な評価になる傾向があります。

バブルが崩壊後の年功序列の廃止に伴って、職能資格制度から役割等級制度(ミッショングレード制)を導入する企業が増加しました。

職能資格制度のメリット

メリット
  • 人事異動や職務変更がしやすい
  • ジェネラリストが育ちやすい
  • 長期間での人材育成ができる

等級の範囲内で人事移動が可能なため、営業部課長→商品企画部課長のように、部署を跨いだ職務の変更がしやすいため、ジェネラリストが育ちやすいというメリットがあります。

また、長く働き、能力を身につけることによってキャリアアップできるため、長期的な人材育成が可能です。

職能資格制度のデメリット

デメリット
  • 年功序列的な運用になりやすい
  • 見込みのある若手社員が評価されにくい
  • 社員の高齢化とともに人件費が膨れ上がる

一方、年功序列的な運用になりやすいため、優秀な若手社員の確保が困難であったり、等級の高い高齢社員が増えるにつれて人件費が高騰するというデメリットもあります。

職務等級制度とは

職務等級制度とは、社員が担当する仕事の内容や難易度に応じて等級を決める制度です。

職務等級制度では、商品開発部・営業部・管理部といった、職務・部署ごとに業務を遂行するために必要な知識、資格、熟練度、身体的・精神的負荷などを明確した職務記述書(ジョブディスクリプション)を用意します。

そして、職務記述書(ジョブディスクリプション)に基づいて職務をランク付けをし、等級を決めます。

例えば、製造部門では、4等級=製造リーダー職、5等級=製造監督、6等級=製造課長となります。

職務等級制度は、大企業を中心に日本国内の多くの企業で導入されています。

また、コロナ渦でテレワークの増加に後押しされ、日立や富士通、資生堂などの大手企業がジョブ型雇用の導入とともに職務等級制度を導入しようとしており、職務等級制度の国内企業での導入が今後増える可能性もあります。

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職務等級制度のメリット

メリット
  • スペシャリストが育ちやすい
  • 職務と給与を対応させることができる
  • 職務ごとの求められる人材像が明確

職務等級制度のデメリット

デメリット
  • 運用に時間と労力がかかる
  • 人事異動や職務変更がしにくい
  • 組織が固定化しやすい

各職務・部署ごとに職務記述書を用意し、評価基準を設けなければいけないので、運用に時間と労力がかかります。

また、部署ごとに等級の基準が異なるため、ジョブローテーションがしにくいというデメリットもあります。

役割等級制度(ミッショングレード制)とは

役割等級制度とは、役割によって等級を決める制度です。

役割等級制度では、職種・職位の関わらず、全社員に求められる「役割」をランク付けします。

役割の評価には、「業務レベル」「コミュニケーション能力」「ヒアリング力」「論理的思考力」「リーダーシップ」「育成力」などの複数の軸を設けます。

役割には、会社のミッション・ビジョンを実現するために必要なバリュー(行動規範)を反映させるのが一般的です。

役割等級制度(ミッショングレード制)導入企業事例

職能資格制度と職務資格制度のメリットを掛け合わせた制度で、比較的簡素で導入しやすいため、下記のような日本を代表する大企業のみならず日本のベンチャー企業での導入も進んでいます。

  • パナソニック
  • ソニー
  • ソフトバンク
  • 日立製作所
  • サントリーホールディングス

役割等級制度(ミッショングレード制)のメリット

メリット
  • 求める人材像が明確
  • 公平・公正に評価しやすい
  • 社員のモチベーションを高めることができる
  • 人事異動や職務変更がしやすい
  • ジェネラリストが育ちやすい
  • 簡素で導入しやすい

役割を果たすために必要な行動を行い・高い成果を出せば若手社員でも公平に評価され、従業員のモチベーションを高めることができます。

役割等級制度(ミッショングレード制)のデメリット

デメリット
  • 評価基準を一貫させるのが困難

評価基準が評価者によって異なることがあるので、評価者研修も必要です。

まとめ

まとめ

等級制度とは、能力・役割、職務、責任の大きさやレベルによってランク付けする制度

職能等級制度
➡︎社員の仕事を行う上での「能力」に応じて等級を決める制度。

職能等級制度
➡︎社員が担当する仕事の内容や難易度に応じて等級を決める制度

役割等級制度
➡︎役割によって等級を決める制度。

等級制度について理解できましたか?

等級制度は、何を基準に等級を決めるかによって異なり、会社の経営や風土を左右します。

それぞれのメリット・デメリットを考慮し、自社にあった等級制度を検討してみてください。