人事制度の種類 能力主義・成果主義・年功主義の違いとメリット・デメリット

経営理念、企業理念を実現するために求める人材を育成・定着させるためには、自社の経営方針に沿った人事制度を設けることが重要です。

人事制度には、何を基準に評価するかによって種類が異なります。自社がどのような人物像を求めるか、どのような文化を作りたいかを人事制度に反映させます。

今回は、人事制度の元になる考え方・主義の違いとそれぞれのメリット・デメリットについてご紹介します。

人事制度とは

人事制度とは、公平に人材育成、評価、処遇を与えるための人事に関わる様々なルール・仕組みのことです。

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人事制度について更に詳しく知りたい方は下記の記事を読んでみてください!
人事制度とは? | 意味や5つの制度、トヨタの人事制度も徹底解説

能力主義 とは

能力主義とは、仕事を遂行するために必要な能力を評価するという考え方です。

つまり、スキル・知識・姿勢などの、業務を遂行する過程に必要な能力を評価し、給料や処遇を決めます。

能力主義の人事制度では、「能力」を基準に評価、処遇を決めるだけではなく、社員の持つ知識やスキル、仕事への姿勢を高める育成制度が重要です。

メリット
  • 社員のモチベーションを高めることができる
  • 結果が出なくても過程が評価される
  • 社内で協調する環境ができる

能力主義の人事制度では、能力が評価基準となるため、スキルや知識を身につけることに意欲的にさせることができます。

また、結果よりも過程が重視されるため、社内で協調する環境ができるため、チームプレーを重んじる会社におすすめです。

このように、知識や技術を必要とする職種には、能力主義の人事制度がぴったりです。

デメリット
  • 年功序列的な運用になる可能性もある
  • 能力は測りにくい

能力は、年齢や勤続年数に応じて身に付く傾向、数値化するのが難しいという傾向があるため、評価基準が不透明になり結局年功主義的になる恐れもあります。

役職や年収は年齢に応じて上がりやすい傾向はあるので、表彰制度などで優秀な若手を評価する場を設けるのもいいでしょう。

成果主義

成果主義とは

成果主義とは、社員の成果を評価するという考え方です。

つまり、仕事で成果をあげ、業績に貢献すると評価され、昇給・昇進に繋がります。

成果主義の人事制度では、「成果」を基準に評価、処遇を決めるだけではなく、成果をあげるための育成制度も重要です。

メリット
  • 社員のモチベーションを高めることができる
  • 社内で競争環境ができる
  • 社員を公平に評価することができる

「成果」を基準にすることで、成果を上げ、自身の給料アップやステータスを上げるために、社員のモチベーションを高めることができます。

また、社内で互いに刺激し合いながら切磋琢磨する文化を根付かせることができます。

「成果」によって公平に評価することができるので、学歴や年齢、性別、勤務年数などに関わらず公平に社員を評価することができます。

デメリット
  • 個人主義に陥りやすい
  • 結果だけが重視される
  • 居心地の悪い職場環境になりやすい

個人の成果を基準とする人事制度を採用すると、チームワークよりも自分の成果を重視する環境に陥り、社員同士による対立や足の引っ張り合いが起きる可能性もあります。

成果=結果を基準とするため、過程が十分に評価されないというデメリットもあり、能力がある人、周囲にも良い影響を与えるが成果に繋がらない人が評価されないなど、社員の努力を評価できない一面もあります。

また、成果を上げることができず、キャリアアップできない社員にとっては居づらい環境になってしまいます。

行動主義

行動主義とは

行動主義とは、成果を出すための行動を基準に評価するという考え方です。

つまり、成果につながる行動やチームとして成果を上げるための積極的な行動が評価され、昇給や昇級に繋がります。

社員が行う行動は、再現性があるため潜在的な能力を評価することができます。

結果だけでなく、過程も評価することができるので、成果主義と組み合わせて運用している企業もあります。

メリット
  • 社員のモチベーションを高めることができる
  • 具体的な行動で評価しやすい
  • 結果が出なくても過程が評価される
  • 社内で協調する環境ができる
デメリット
  • 社員の行動を記録するのが困難

行動を評価するためには、至近距離で仕事をしている人から社員の行動をヒアリングする必要があるため、より近くで行動を見ることができるメンター制度や360度評価制度などがあるといいでしょう。

職務主義

職務主義とは、役職を基準に評価するという考え方です。

つまり、昇進し、役職が上がるにつれて給料が上がります。

かつて職務主義は、年功主義とセットで採り入れられる場合が多く、年齢によって役職が決められ、役職によって給与が決められていました。

しかし、能力主義、成果主義と合わせて採り入れている企業も増えています。

能力、成果をもとに役職を決め、役職に応じて給与を与えることができます。

メリット
  • 給与を管理しやすい

職務によって給料が決まっているので、給与管理の手間が省けます。

デメリット
  • 同じ職務の人を優劣によって評価しにくい

同じ職務の人は同じ給料なので、その職務における能力・成果・仕事への姿勢などを評価しにくいと言うデメリットもあります。

年功主義

年功主義とは

年功主義とは、年齢や勤続年数で評価するという考え方です。

つまり、1つの企業で長く働けば働くほど評価され、キャリアアップや給料アップに繋がります。

かつて日本では、年齢や勤続年数に応じて知識や能力も蓄積されると考えられ、年功主義の人事制度が主流でした。

しかし、能力が低い人が勤務年数長い、年齢が上といった理由で、能力がある人よりも高い役職についていたり、高い給与をもらっていたりといった問題がありました。

また、1990年代初頭のバブル崩壊によって、企業が年功序列型の賃金制度を維持できなくなったことや、国際競争力を上げるために年功主義型の人事制度を廃止し、能力主義や成果主義を取り入れた人事制度を導入する企業が増加しました。

メリット
  • 役職と年齢の上下逆転による軋轢が起きにくい
  • 長く働かせることができ、安定した人材の確保ができる

長く働けば給与がアップするため、離職率を下げることができ、長く働く文化を根付かせることができます。

デメリット
  • 社員のモチベーションを高めることができない
  • 労働の質を公正に評価することができない

若手の方が優秀でも、年上の社員の方が給与が高いと言うことがあり得るので、公平に評価することができず、社員のモチベーションを高めるのが困難になります。

まとめ

人事制度の種類まとめ

能力主義➡︎仕事を遂行するために必要な能力を評価する

成果主義➡︎社員の成果を評価する

行動主義➡︎成果を出すための行動を基準に評価する

職務主義➡︎役職を基準に評価する

年功主義➡︎年齢や勤続年数で評価する

人事制度の元になる考え方・主義について理解できましたか?

それぞれの主義・考え方にもメリット・デメリットがあります。

これを機に自社が求める人物像、企業文化にあった考え方を取り入れた人事制度を検討してみてください。