人事制度とは? | 意味や5つの制度、トヨタの人事制度も徹底解説

人事制度とは、評価、処遇を含めた人に関わる会社における様々なルールや仕組みのことです。

この記事では、『人事制度とは…?』『人事制度を詳しく理解したい』という方に対して、

『人事制度にどんな種類があるのか』や『人事制度をどうやって使っていくか』などについてお伝えしていきます!

この記事を最後まで読んでもらえれば、人事制度を理解し、実際にどう経営・マネジメントに活かしていくかを知れますよ!

こんな人におすすめ!
  • 人事制度の意味・種類を知りたい
  • トヨタなど有名な企業の人事制度の具体例を知りたい
  • 人事制度の作り方を知りたい

人事制度とは?人事制度の意味は?

しろくま先生

早速だけど、人事制度とは何か、意味について説明していきますね!

まず結論からお伝えすると、人事制度の意味は次の通りです!

人事制度とは
公平に人材育成、評価、処遇を与えるための人事に関わる様々なルール・仕組みのこと

しろくま先生

会社を経営する上での資源としてヒト・モノ・カネが重要ですが、人事制度は、その内の「ヒト」という経営資源を活かすための仕組みと言えます!

会社として成長していくためには、「ヒト」を採用するだけでなく、人材育成や成果に見合った評価やインセンティブを与えることにより、社員一人一人の能力を最大限に引き出さなければなりません。

もし、社員の給料が一定で変わらないのであればモチベーションが低下するでしょうし、何をすれば評価され、昇給や昇進に繋がるのかを示す評価基準や、基準を満たすための教育がなければ、社員が成長し、能力を伸ばすことができません。

人事制度は、社員(「ヒト」)の最大限の力を発揮させる仕組みです。

なるほど、人事制度の言葉の意味を理解出来ました!でも、具体的なその仕組みってどんなもの何ですか?

ペンギンくん

しろくま先生

人事制度には主要な3つの要素があるんだけど、まずはそれを説明しますね!

人事制度の主要な3つの制度とは?

この図にあるように人事制度はこの主要な3制度で成り立っています!

人事制度の主要な3制度
  1. 評価制度
  2. 等級制度
  3. 報酬制度

評価によって等級や報酬が決まり、等級によって評価基準や報酬額が変化するなど、等級制度、評価制度、報酬制度は相互関係になっています。

制度1:評価制度

評価制度とは、従業員の行動、成果、能力などを評価する制度です。どんな基準を儲けるか、どんな行動を評価するかは役職・等級・職種によって異なります。

制度2:等級制度

等級制度とは、能力・役割、職務、責任の大きさやレベルによってランク付けする制度です。そして、多くの場合ランク付けした等級に基づいて部長・課長・係長などの職位を決めたり、評価基準を設定したりします。

制度3:報酬制度

報酬制度とは、等級や評価結果に応じて給与・賞与・退職金を決定する制度です。報酬には、毎月支払われる基本給と諸手当から成る「給与」と年に2回支払われる「賞与」、退職時に支払われる「退職金」があります。

その他の人事制度

制度4:福利厚生制度

福利厚生制度とは、企業から労働者に毎月支払われる給与とは別に付与される「報酬・サービス」です。

福利厚生は、正規雇用労働者だけでなく、パートタイム労働者や有期雇用労働者(契約社員)にも適用されます。

福利厚生制度は、社員の生活を保証し、会社で安心して働けるようにすることで社員の信頼を得ることや、インセンティブなどでモチベーションを高めるといったのメリットがあります。

制度5:教育制度/研修制度

教育制度・研修制度とは、業務に必要な知識・スキルを社員に習得させるための制度です。

社員がより活躍できるようにするためのサポート体制も会社の成長のために重要です。

人事制度の方針

人事制度には、何を基準に評価し、報酬を決めるかによって「能力主義」「成果主義」「年功主義」などの方針があり、それぞれメリット・デメリットがあります。

しろくま先生

ここまで人事制度の内容・考え方について解説してきましたが、次は実際のベンチャー・スタートアップ企業の人事制度事例を見てみましょう!

人事制度の事例5選

人事制度の事例1:メルカリ

木下 多様性への対応の1つとして、報酬制度を刷新し、2021年1月から新制度に移行しました。グレードに応じたシンプルな基本給と、個人業績によって決まる金額を組み合わせたものです。シニアなグレードでは中長期的なインセンティブとなる株式報酬も出る仕組みで、グローバルなテック企業では一般的な形です。外国人社員にもわかりやすい仕組みにしています。一方で、競争力のある人材のリテンションを考慮して大胆な昇給を可能にするなど、メルカリらしい「Go Bold」をいかに取り入れるかということにこだわりました。

https://www.works-i.com/column/whrmr2020_interviews/detail015.html

人事制度の事例2:八面六臂

八面六臂はこのように自社ホームページに人事制度に関するロジックを事細かく公開をしています。

松田氏:人事制度がないので、採用の際に前職給与を基準に、都度、雇用契約を締結していたので、給与水準が高い層と低い層ができてしまい、しかしその給与水準と実際の事業におけるパフォーマンスが釣り合っておらず、結果、組織のあちこちで不平不満やモチベーションダウンが発生するみたいな状況になりました。あと、経営幹部にあれこれ任せたものの、任せ方が悪く、お客さまにもご迷惑をかけるようなことも発生してきてしまいました。

https://boxil.jp/beyond/a5206/?page=3

ただ、創業時は人事制度というものがなかったり考え方が整理されていなかったようで、組織改革を行い、人事制度を整えていったようです。

明確な人事制度などを策定し、社内の社員だけでなく、当社に興味のある候補者の方にも事前にわかりやすく知ってもらうためにWEBサイトでも公開しています。

能力とパフォーマンスを区別して評価するいわゆる「等級制度」をベースに、評価制度と報酬制度を定め、半期ごとに社員の個別目標などを定めています。またその実績進捗状況をなるべく可視化したうえで、定期的な個別面談を通じて方向性のすり合わせや課題の共有などを適宜行っています。

明確な実力主義なので、若くても能力があり、実績が出せればどんどん昇進し、やる仕事の範囲も広がります。

https://boxil.jp/beyond/a5206/?page=4

その結果、ホームページにあるような考え方の整理、ロジック・制度の整備が出来、会社としても組織力が向上したようです。

人事制度の事例3:ラクスル

ラクスルの評価制度
参照:https://speakerdeck.com/raksulrecruiting/raksul-introduction

永見 : そうですね、同感です。ラクスルは独自のカルチャーを作っていくためにも、「仕組みを変えれば、世界はもっと良くなる」というビジョンを要素分解して、ラクスルスタイルと呼んでいる行動規範を次の3つに絞りました。

Reality 解像度の高い課題設定
System 課題解決と仕組み化
Cooperation 複雑な事業遂行のため異能・多能の連携

実はこの行動規範は、そのまま人事評価の軸になっています。行動規範自体がコンピテンシーになっていて、社員のグレード別に要件が決まっているんです。逆にいうと、いくら結果を出しても行動規範に則っていなければ、会社としては評価しない、ということでもありますね。

https://www.hito-link.jp/media/interview/raksul

しろくま先生

最後に特殊な事例を紹介しますね!

求人メディア『Green(グリーン)』やビジネス版マッチングアプリ『yenta(イェンタ)』などを運営するアトラエは等級がないんです。

人事制度の事例4:アトラエ

水谷:アトラエさんの評価制度についてです。人事制度には等級がある会社が多いですが、等級がない、かつ評価は360度評価でやっていると。

新居:もともと360度評価が良いかどうかっていう概念は、僕の中で疑問もたくさんあるので、360度評価が良いですよというわけではないんです。

ただ上下関係がないので、評価者と被評価者という区分は、あまり僕らの会社においては正しくない。「結局評価者って上司でしょ」となるので、そこに目線がいっちゃうと、やっぱりアトラエらしくないよねと。

じゃあどうするっていうと、まず周りの人に評価してもらえばいいんじゃないかという話になりまして。「それっていわゆる360度評価だよね」と決まっていきました。

被評価者が評価者を5人選んで評価をつけてもらっています。5人というのは、そのくらいがいいんじゃないかというだいたいの感覚です。

その評価者は全員後輩にしたらバランス悪いよね、でも全員先輩だと重いよね、うちの社長はエンジニアの技術分からないから社長に評価されるのはなぁということであれば社長を外してくれと。

それでいいなと思っています。評価してほしい、自分のことをちゃんと見てくれているだろうという人に評価してもらえばいいんじゃないかということで、5人選んでその人から評価をしてもらう方法にしました。

どういう人を評価すべきかという評価の軸はちゃんと持っておかないといけないので、技術力が高ければいいのか、技術は低いけどプロセスに注力しているから評価すべきなのかなど意見が割れちゃうので、会社としての評価軸はそろえています。

それに基づいて、この人はどこに当てはまるのかということを皆が評価しています。今それをちょっと進化させようと、社員でワーキンググループをつくって、もっと良い方法がありそうということを前提に今作り替えようとしています。

https://hrnote.jp/contents/b-contents-composition-aresugo10-190202/

人事制度の事例5:トヨタ自動車

2021年からトヨタ自動車は新人事制度(新賃金制度)を導入する見込み。評価によってより昇給に差が出る人事制度とすることで、従業員のモチベーションアップ、引いては会社としての競争力強化を目指していく方針です。

人事評価は4~6段階とし、低い評価を受けると定期昇給がゼロになる可能性もある。トヨタは「実行力」や「人間力」といった独自の評価軸を重視しており、評価に応じて賃金の差が広がる。

出典:https://www.nikkei.com/article/DGXMZO63124550X20C20A8000000/
出典:https://toyokeizai.net/articles/-/384033?page=2

人事制度の作り方

手順1
現状分析
ヒアリングやアンケートなどを行い、改善点を明確にする。
手順2
コンセプト設計
ミッション・ビジョンの実現、現状の改善のために必要な人事制度のコンセプト「人事ポリシー」を明確化。
手順3
制度設計
「等級制度」「評価制度」「報酬制度」の順に制度を設計。
手順4
移行シミュレーション
直近数年のデータを元にシミュレーション資料を作成し、問題ないか確認。
手順5
運用ルールの策定
評価や報酬額の決定などの細かいルールを決める。
手順6
法務チェック
労働基準法などの法律的に問題ないか専門家にチェックをしてもらう。
 
POINT

より浸透を測るために以下の2点に注意しましょう。

  • 評価・等級・報酬の関係が社員にも分かりやすいように透明化する
    評価基準や評価結果の処遇への反映を明確であり、社員が昇級・昇給のために取るべき行動が明らかになっていると社員のモチベーションに繋がります。
  • 経営幹部・人事労務担当者だけでなく、各部署の意見を取り入れる
    評価基準となる「求められる行動・役割」は職種や部署によっても異なるため、部署の意見を取り入れることが重要です。

現状分析

現状の人事制度の改善点を明確にするために各部署にヒアリングやアンケートを行います。

コンセプト設計

経営理念/企業理念、ミッション・ビジョンを実現するために必要な組織をイメージし、「人事ポリシー」を作ります。

会社にどんな人材が必要か、どういう行動を評価するのかバリューなどを参考に設定してみましょう。

制度設計

等級制度の設計をすることで、それぞれの等級における評価基準(評価制度)が決まり、等級制度と評価制度に応じて報酬額を決定するため、等級制度→評価制度→報酬制度の順に制度を設計することとなります。
三つの制度の相互関係を明確にし、ズレがないかチェックすることが重要となります。

シミュレーション

直近数年のデータを利用し、給与体系のシミュレーションや組織図に当てはめた等級・評価のシミュレーションを行います。

運用ルールの策定

評価の仕方や等級・給与額の決定方法などの細かいルールを設定し、運用に一貫性が出るようにしましょう。特に評価者によって評価が異なるということが起きないように評価者研修も実施しましょう。

法務チェック

労働基準法などの法律に違反していないか社労士などにチェックしてもらいましょう。

人事制度見直しのタイミング

  1. 組織が拡大した時
  2. 職場環境が変化した時
  3. 企業を成長させたい時

人事制度は従業員数が増えた時や組織改革を行う時、リモートワークの導入など働き方に変化した時が見直すタイミングになるでしょう。

また、業績が横ばいになっていたり、離職者が増加しているなどの問題がある場合にはぜひ人事制度を見直してみてください。

まとめ

まとめ
人事制度は主に

  • 評価制度
  • 等級制度
  • 報酬制度
    の三つから成り、相互関係になっています。他には
  • 福利厚生制度
  • 教育制度/研修制度
    など社員の心身の健康・成長を支える制度があります。