社会保険労務士(社労士)はどのような業務を行うのか?どんな仕事を依頼できるのか?

「社会保険労務士(社労士)という単語を聞いたことがあるけれど、どんな業務を行っているのか分からない」

「社労士にどんな仕事を依頼できるのか分からない」

という方も多いのではないでしょうか?

今回は、実際に人事責任者として複数の社労士と仕事をしてきた経験を元に社労士がどのような業務を行い、企業をサポートしているのかご紹介します。

社会保険労務士(社労士)とは?

社労士とは、社会保険と労務の専門家です。

労働及び社会保険に関する法令の知識をもち、行政機関に提出する提出書類や申請書等を企業に代わって作成したり、企業の相談にのったりします。

社労士は、国家資格であり、弁護士・弁理士・司法書士・税理士・行政書士などなどの8士業の1つです。

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社労士の業務内容

社労士の具体的な業務内容は、以下の通りです。

  • 労働社会保険手続業務
  • 各種助成金などの申請
  • 法定三帳簿の作成
  • 就業規則の作成、変更
  • 36協定の作成、変更

社労士は、企業の労務業務をサポートします。

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では、それぞれの業務について詳しく説明します。

労働社会保険手続業務

労働社会保険の手続きは、事業主や社内の担当者が行うことができますが、制度が複雑なため、円滑かつ的確に行うことができる社労士が代理で行うことによって業務の負担と人件費を削減することができます。

労働社会保険の資格取得・喪失

従業員が入社・退職した際には、労働社会保険の資格取得・喪失の手続きが必要です。

労働社会保険の適応に関わる届出

被保険者が出産・介護、労災などの保険適応となる場合には、保険料の免除申請や手当を受け取るための申請手続きを期限内に行うことが必要です。

年度更新

年度更新とは、前年度の保険料を精算するための確定保険料の申告・納付と新年度の概算保険料を納付するための申告・納付の手続きのことです。

労働保険料は、毎年4月1日から翌年3月31日までの1年間の賃金の総額に、その事業ごとに定められた保険料率をかけて算出し、毎年6月1日から7月10日までの間に労働基準監督署または都道府県労働局に提出しなければなりません。

この手続きが遅れると、政府が保険料・拠出金の額を決定し、さらに追徴金(納付すべき保険料・拠出金の10%)を課されることがあります。

算定基礎届

算定基礎届とは、健康保険料や厚生年金保険料などの社会保険料を決定するために、7月1日現在で使用している全被保険者の3カ月間(4月~6月)の報酬月額を申告する書類です。

算定基礎届は、毎年7月1日〜10日の間に年金事務所に提出しなければなりません。

社会保険料は、全被保険者の3カ月間(4月~6月)の平均報酬月額を都道府県ごとの等級で区切った「標準報酬月額」によって算出されます。

各種助成金などの申請

助成金とは、多くが厚生労働省が管轄している、雇用や労使に関係する支援金です。

助成金は、不正受給を防ぐために多くの書類の提出や必要資料の添付が必要です。

助成金の申請は、複雑で面倒なため、社労士に任せる企業もあります。

法定三帳簿の作成

法定三帳簿とは、「労働者名簿」、「賃金台帳」、「出勤簿」のことで、労働基準法第107条および108条によって作成・保管が義務付けられています。

労働者名簿及び賃金台帳は、記載事項に不備がある場合、罰則を受けることがあります。

これらは、必ずしも社労士が作成しなければならないわけではありませんリスクを避けるために社労士に依頼する企業が多いです。

就業規則の作成、変更

就業規則とは、給与や手当、労働時間などの労働条件や労働者が守るべき規律をまとめた規則のことです。

就業規則は、労働基準法で労働者数10名以上規模の事業所に作成・届出をすることが義務付けられています。

給与や労働時間などには労働基準法などの法律による規定や法改正があるため、これらの知識が必要です。法令遵守などのために社労士に就業規則の作成・変更を代行する企業もあります。

36協定の作成、変更

36協定とは、企業と労働組合または労働者の代表との間で結ぶ、法定労働時間(一日8時間、週40時間)を超えて労働する法外残業、休日労働を行う際に必要の協定です。

36協定は、作成、変更した際に労働基準監督署に提出しなければなりません。

具体的には、以下の内容を規定します。

  • 時間外又は休日の労働をさせる条件
  • 業務の種類
  • 労働者の数
  • 延長できる時間・労働させることのできる休日

延長しても可能な労働時間は業種によっては制限があり、一ヶ月または一年の残業時間に法律による上限規定があります。

社労士に36協定の作成・変更を任せると業務の負担が軽減されるだけでなく、法改正などにも対応することができます。

労務管理の相談指導業務

社労士は、労務管理に関する相談や指導を行い、企業のコンプライアンス違反だけでなく、職場のトラブルを未然に防止する役割を果たします。

相談内容には、以下のようなものがあります。

  • 適切な労働時間の管理
  • 賃金について
  • 優秀な人材の採用・育成
  • 評価制度について

労務業務について詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。

労務業務とは?必要なスキル・向いている人は?10種類の業務を解説

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年金相談業務

年金に関する知識をもつ社労士は、以下のような業務を行います。

  • 年金の加入期間、受給資格などの確認
  • 年金申請手続き

年金をいつからいくら受け取ることができるのかの確認や、年金の受け取りを開始したい時の申請手続きを行います。

紛争手続代理業務

給与や解雇などに関する労務トラブルが発生した場合は、当事者双方の話し合いに基づき、あっせんや調停、あるいは仲裁などの手続きによって、紛争の解決を図るために、ADR(裁判外紛争解決手続)を行います。

ADR(裁判外紛争解決手続)代理業務は、特定社労士が行うことができる業務です。

労務に関する知識を生かし、具体的には、以下のような業務を行います。

  • あっせん申立てに関する相談・手続き
  • 和解の交渉・和解契約締結

まとめ

社労士について少しイメージはできたでしょうか!

労働社会保険や就業規則、36協定、労務トラブル時の手続きを代行してもらうと、複雑な業務の軽減や、法令遵守などのメリットがあります。

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また、手続き代行のみならず、労務トラブルが発生した時の対応を決めたり、労務に関わるルールを決めたり・変更したりする際には社労士に相談するようにした方が良いと思います。これは労務担当者のみならず経営者レイヤーにおいても意識すべきポイントだと思います。

労務業務に関わるアクションや課題について定期的にコミュニケーションを取ることもおすすめします。それにより会社の置かれている状況や課題感を共有することできるため、何かトラブルが発生した時にも精度の高いアドバイスを得ることができます。また、その打ち合わせのタイミングにて社労士の先生より法改正に関わる情報をキャッチアップすることもできます。

各種手続きの代行をすること、労務に関わる相談出来る環境を作るために社労士・社労士事務所との顧問契約締結、これらをぜひ検討してみてください!