有給休暇とは?目的・対象者・日数・時季・期限・管理などにはどんな法律があるのか?

近年、働き方改革によって取得することが推進されている有給休暇は、法律に基づいて付与されます。

法律で定められた基準などがあり、有給休暇の付与・管理にはたくさんの注意点があります。

今回は、有給休暇は何のためにあるのか、対象や日数、時季や期限、管理など、有給休暇について詳しく解説します。

有給休暇とは

有給休暇とは、賃金の支払いを受けながら仕事を休める休暇日のことです。

有給休暇とは、正式には年次有給休暇のことで、条件を満たす全労働者に毎年10日以上の有給休暇を付与することが法律で義務付けられています。

有給休暇の目的

労働基準法第39条には、以下の3つの有給休暇の目的が記載されています。

  • 労働者の心身の疲労回復
  • 労働力の維持培養
  • ゆとりある生活の実現

年次有給休暇に関する事項は労働基準法で定められているため、法律上当然に労働者に認められている権利です。

有給休暇と休暇の違い

休暇には、育児休暇、介護休暇などの法定休暇、夏季休暇、リフレッシュ休暇などの法定外休暇もありますが、有給休暇には、以下の特徴があります。

  • 原則として給料が支払われる
  • 休暇の取得理由を問わない

法定休暇・法定外休暇には、賃金を支払う義務はありませんが、有給休暇は原則として賃金を支払わなければなりません。

また、法定休暇、法定外休暇は、取得するために理由が必要で、申請することで権利が認められます。

しかし、有給休暇は、対象となる全ての従業員がもつ当然の権利で、取得理由が必要なく、自由に使うことができます。

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休暇について更に詳しく知りたい方は下記の記事を読んでみてください!

有給休暇の対象者

  • 雇入れの日から起算して、6ヶ月間継続勤務していること
  • その6ヶ月間の全労働日の8割以上出勤していること

労働基準法第39条により、有給休暇を取得できるのは正社員だけではなく、条件を満たす、契約社員・パート・アルバイトなどにも有給を付与することが義務付けられています。

[休業している場合]

労働基準法では、育児休業や介護休業、業務上の怪我や病気による休業といった場合の期間は、出勤したものと見なすと定めています。

しかし、会社都合で休業を余儀なくされている休業期間は、原則として、有給休暇を算出するための全労働日として算出しないことが定められています。

有給休暇の日数

労働基準法39条1項により、有給休暇の対象者に勤続年数や雇用形態・状況に応じた有給休暇を毎年付与することが義務付けられています。

労働者ごとに有給休暇を付与した日を基準日といい、基準日から一年以内に有給休暇を消化させなければいけません。

もし、違反した場合は、使用者(雇用主)に懲役6カ月または30万円以下の罰金が課せられます。

また、以下で示す取得日数は、有給休暇付与日数の「最低値」であり、就業規則で最低値以上の日数を定めることは可能です。

フルタイムの労働者

勤続年数6ヶ月1年
6ヶ月

2年
6ヶ月
3年
6ヶ月
4年
6ヶ月
5年
6ヶ月
6年
6ヶ月
6年
6ヶ月以上
付与日数10日11日12日14日16日18日20日20日

週所定労働日数が4日以下かつ週所定労働時間が30時間未満の労働者

パートタイムやアルバイトなどの、週所定労働日数が4日以下で、週所定労働時間が30時間未満の出勤日・出勤時間が少ない労働者には、「比例付与」が適用されます

一週間あたりの勤務日数に応じて付与される日数が変動します。

週所定労働日数年所定労働日数半年以上勤務1年半以上勤務2年半以上勤務3年半以上勤務4年半以上
勤務
5年半以上
勤務
6年半以上
勤務
1日48日~
72日
1日2日2日2日3日3日3日
2日73日~
120日
3日4日4日5日6日6日7日
3日121日~
168日
5日6日6日8日9日10日11日
4日169日

216日
7日8日9日10日12日13日15日

半日単位・時間単位の取得

有給休暇は、基本的には「一日単位」ですが、取得しやすくするために「半日単位」や「時間単位」で取得することも認められています。

取得時季

基本手には、従業員が請求した時季に有給休暇を取得することができます。

しかし、繁忙期や年末年始、有給休暇の請求が大量に出た時季など、有給休暇を付与すると事業を正常に運営することが困難になる場合は、会社側に時季を変更する権利が発生します。

時季指定

2019年4月からはすべての企業において

「年10日以上の年次有給休暇が付与される労働者に対して、年次有給休暇の日数のうち年5日については、使用者が時季を指定して取得させる」

ことが必要となりました。

「時季指定の対象となる労働者の範囲」「時季指定の方法」などは、就業規則で定めなければなりません。

有給休暇の期限

消化されなかった有給休暇は翌年に繰り越されますが、有効期限は2年です。

2年の間に消化されなかったものは繰り越されずに消滅します。

有給休暇の管理

年次有給休暇の取得状況は、労働者ごとに年次有給休暇管理簿を作成し、3年間保存しなければなりません。

有給管理簿には、以下の内容を記録します。

  1. 年次有給休暇の基準日(年次有給休暇が付与した日)
  2. 基準日から一年以内の有給休暇の付与日数
  3. 有給休暇の取得日

有給休暇の買取

労働基準法では、原則として有給休暇の残日数からそれに見合った賃金額を計算し、会社がその額で年次有給休暇を買い取ることを認めていません。

しかし、以下の場合は例外となり、企業が就業規則で定めることができます。

  • 法定基準を上回る有給休暇の付与を設定している場合
  • 時効となる有給休暇
  • 退職によって無効となる有給休暇

法定基準日数を上回る有給休暇や、2年間の有効期限がきれ、消滅する有給休暇や、退職によって消滅する有給休暇などは、会社が買取を行うことが認められます。

まとめ

有給休暇について理解できましたか?

有給休暇は、労働者の疲労回復やゆとりの生活のために、賃金の支払いを受けられる休暇であり、法律に基づいて付与されます。

法律を守り、労働者に公平公正に有給休暇を付与するためには、正しく法律を理解すること、正確に従業員の有給休暇の取得状況を把握することが必要です。