退職金制度とは?退職金制度の目的・メリット・デメリット・算定方法について

退職時に支払われる退職金は、日本の企業においてほとんどの企業で導入されているのではないでしょうか。

しかし、意外と退職金の目的や算定方法について知らない方も多くいます。

退職金には、「退職一時金制度」と「企業年金制度」がありますが、今回は退職一時金制度について詳しく解説します。

退職金とは

退職金とは、社員の退職時に会社から支給される賃金のことです。

退職金制度は、定年退職に限らず、経営不振やリストラ、倒産などを理由にした会社都合退職や、転職や結婚、妊娠、出産、引っ越し、家庭の都合などを理由にした自己都合退職にも適用されます。

退職金制度の目的・メリット

退職金は、法律で導入が義務付けられているわけはないので、導入するかしないかは企業の自由です。

しかし、多くの企業が退職金を導入するのは、

  • 人材獲得に有利
  • 長期的な社員のモチベーションを高めることができる
  • 離職率の低下に繋がる
  • 社員が退職後の生活費を賄えることができる

というメリットがあるからです。

退職金があることは求職者にとって魅力的であり、せっかく採用し、経験と知識を積んだ社員を流出してしまうのは、企業にとってダメージになります。

退職金の目的を浸透させることも社員のモチベーションを高め、退職金の効果を上げるために重要です。

退職金のデメリット

  • 退職金の原資確保が困難
  • 運用にリスクが生じる
  • 制度の廃止や支給額の引き下げが困難

退職金の算定方法

退職金の算定方法には主に以下の4つがあります。

  1. 定額方式
  2. 基本給連動型
  3. 別テーブル方式
  4. ポイント制

勤続年数・等級・職位・退職理由など、何を基準に算定するかによって異なります。

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等級制度・職位について更に詳しく知りたい方は下記の記事を読んでみてください!

等級制度とは?意味・目的・種類について 職位とは?役職との違い・職位の種類と役割について

定額方式

定額方式では、勤続年数によって支給額があらかじめ定められており、退職時までの勤続年数で支給額が決まります。

定額方式のメリット

  • 管理がしやすい
  • 社員にとってわかりやすい

勤続年数で支給額が決まっているため、社員にとっても企業にとっても分かりやすく、運用しやすいというメリットがあります。

定額方式のデメリット

  • 社員の会社への貢献度を反映することができない
  • 大雑把な金額算出になってしまう

勤続年数だけで支給額が決まってしまうため、楽な反面社員の会社への貢献度と退職金額に差が生じてしまいます。

基本給連動型

退職金の計算方法で最も多く採用されているのがこの基本給連動型です。

基本連動型の算定方式では、基本給・勤続年数・退職する理由を基準に決定します。

退職金額 = 退職時の基本給 × 勤続年数に応じた係数 × 退職事由係数

勤続年数が長ければ長いほど支給額は多くなり、退職する理由も支給額に影響します。

基本給連動型のメリット

  • 管理がしやすい
  • 社員にとってわかりやすい

基本給連動型のデメリット

  • 年功的になってしまい人件費が膨れ上がる可能性がある
  • 在職期間全体の会社への貢献度が反映されない

勤続年数が長ければ長いほど支給額が高くなるため、熟年社員の割合が高い企業にとっては人件費を圧迫してしまう可能性があります。

また、退職時の基本給が基準となるため、在職期間全体の会社への貢献度が退職金に反映されないというデメリットもあります。

別テーブル方式

別テーブル方式では、等級・職位・勤務年数を基準に支給額を決定します。

退職金額 = 等級別基礎額 × 職位係数 × 勤続年数に応じた係数 × 退職事由係数

社員の等級・職位が反映され、より実力主義的な算定方式です。

別テーブル方式のメリット

  • 勤続年数だけでなく、社員の実力を反映することができる
  • 社員にとって納得できる

別テーブル方式のメリット

  • 在職途中の貢献度を反映させることができない
  • 大雑把な金額算出になってしまう

退職時の最後の等級で算定基礎額が決定されるので、在職期間全体の社員の会社への貢献度を退職金に反映することができないというデメリットもあります。

ポイント制

ポイント制では、在職中の会社への貢献度合いを計画的に退職金額に反映させる制度で、一般的には次のような算式で計算されます。

退職金額 =(勤続ポイント+等級ポイント)× ポイント単価 × 退職事由係数

・勤続ポイント:会社に1年勤務するごとに与えられるポイント
・等級ポイント:1年在籍すると等級ごとに定められたポイントを付与
・ポイント単価:1ポイントあたりの単価(例:1ポイント1万円)
・退職事由係数:自己都合・会社都合の退職により異なる係数

ポイント制のメリット

  • 在職期間全体の会社への貢献度を反映させることができる
  • ポイント単価の設定で給付水準をコントロールすることができる
  • 社員にとっても企業にとってもわかりやすい
  • 中途採用者・退職者の不利が軽減される
  • 社員のモチベーションを高めることができる

勤続年数だけでなく、在職中を通しての人事評価による等級が反映されるため、実力が反映されやすいというメリットがあります。

また、社員にとってもわかりやすく、モチベーションにも繋がります。

ポイント制のデメリット

  • 運用・管理に手間がかかる

まとめ

退職金制度について理解できましたか?

何を基準に算定するかによって社員のモチベーションや会社の人件費に影響します。

それぞれの算定方法にメリット・デメリットがありますが、自社の経営方針などを考慮した上で、どの算定方式が自社にあっているか検討してみてください。