事業部制組織とは?組織図・種類やメリットを徹底解説!どんな企業に向いている?

事業部制組織とは、本社機能の下に事業ごとの組織を設置する組織形態の一つです。製品やサービス毎に組織をつくり、その組織が独立して事業運営できる形を取っていることが特徴です。

この記事では、事業部制組織とは、どんな組織形態か、事業部制組織の組織図、種類、メリット・デメリット、混同しがちなカンパニー制組織との違いについて解説します。

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事業部制組織とは

事業部制組織

事業部制組織とは、「製品」「地域」「顧客」などで分けた複数の事業部の中に「営業」「企画」「開発」の部署を設けて事業部内である程度の経営ができるようになった組織形態です。事業部長に権限が委譲されているため、意思決定の早さなどのメリットがあります。

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事業部制組織の始まり

事業部制組織は、1933年に松下電器(現パナソニック)の松下幸之助氏が独自の発想で初めて事業部制組織を考えました。工場群を「ラジオ部門」「ランプ・乾電池部門」「配線器具・合成樹脂・電熱器部門」に分け、製品分野別の自主責任体制を取りました。そして、各事業部は工場と出張所を統括し、研究開発から生産販売、収支に至るまで一貫して担当しました。

しろくま先生

パナソニックの事業部制組織の導入と組織体制の変遷についてさらに詳しく知りたい方は以下の記事をチェック!

事業部制組織の種類

事業制組織には、主に「製品別事業部組織」「地域別事業部組織」「顧客別事業部組織」があります。

事業部制組織の種類①製品別事業部組織

製品別事業部組織

製品ごとに事業部が分けられ、その製品を担当する「営業」「企画」「開発」の担当が揃っています。

より製品の知識・技術に詳しい人材を集約することで、時代に合わせて柔軟に製品の改善を行ったり製品に問題が起きたときに迅速に対応することができます。

事業部制組織の種類②顧客別事業部組織

顧客別事業部組織

顧客層や特定のクライアントを軸に事業を行っている企業では、顧客・顧客層別に事業部を設けています。法人事業部や個人事業部などがあり、他業界のクライアントを持つコンサル企業などでは金融事業部、公共事業部など顧客の業界別に事業分けをしている場合もあります。

顧客層別の事業部にすることで顧客のニーズをすばやく反映したりノウハウや技術を事業部内で共有することができます。

事業部制組織の種類③地域別事業部組織

地域別事業部組織

地方・地域を軸にした事業を行っている企業では、地域別に事業部を設けています。東北事業部、海外事業部、アジア事業部などが例としてあります。

地域別の事業部にすることで地域に特化した情報を集めたり地域ごとの状況に合わせた迅速な対応をすることができます。

事業部制組織のメリット

メリット
  • 意思決定・緊急時の対応がスムーズに行える
  • 企業経営者の育成がしやすい
  • 予算や経営戦略が立てやすい
  • 課題や責任の所在がわかりやすい

事業部制組織では、事業部に権限が付与されているので、意思決定や緊急時の対応に本社や経営層の決定を待つことなくスムーズに行うことができます。また、責任と権限を持ったポストが増えることによってマネジメントスキル・経営スキルをもった次世代リーダーの育成が進むというメリットがあります。

製品別、地域別、顧客層別に事業部が別れていると部署ごとの売上、前年比が明確になり、需要の変化や経営課題を可視化しやすくなります。それによって事業の成長を分析しやすくなり予算配分や経営戦略を策定する際に役立ちます

事業部制組織のデメリット

デメリット
  • 事業部間の機能が重複するので効率が悪い
  • 予算をめぐる事業部同士の摩擦が起こりやすい
  • 事業部を跨いだアイデアの創出・連携がしにくい

事業部制組織では、それぞれの事業部に機能が集約されているため、人員や設備や業務が重複し、経営資源を効率よく活用することができません。

また、各事業部ではそれぞれのKPIや業務達成度が評価や予算配分がされるため、事業同士の摩擦が生まれたり事業部での交流機会の減少から事業部を跨いだアイデアの創出や連携が取りにくいといったデメリットがあります。結果的に全社的な協力体制を取ることができなくなるので事業を跨いだ社内交流の機会を設けることが重要となります。

事業部制組織とカンパニー制組織の違い

事業部制組織とカンパニー制組織の違い1

事業部制組織と似た組織形態にカンパニー制組織があります。

カンパニー制組織は、事業部制組織よりも独立性を高めた組織形態になり、各事業部を独立した会社とします。事業部制組織とは異なり、人事権・投資への決裁権も付与されるのでカンパニーごとに財務機能を設けている企業もあります。

事業部制組織とカンパニー制組織の違い2

事業部制組織では、予算は本部が決定し、事業部単位での損益計算書(P/L)の責任を負うのに対し、カンパニー制では、カンパニー内の損益計算書(P/L)だけでなくと貸借対照表(B/S)、加えてキャッシュフローの責任も負います。予算の配分もカンパニー独自で決定することができるので柔軟な対応ができます。

事業部制組織では本社経営層の権限が強く全社を統括でき、カンパニー制は独立性が高いため柔軟な対応ができます。また、事業部制組織は人事や財務などは全社で行うためカンパニー制よりも機能・業務の重複がなく、経営資源を効率的に活用することができ、カンパニー制ではより責任と権限を持った仕事を経験できる人材が増え、経営・マネジメントスキルを持った人材を育成が進みます。

事業部制は社長・経営層が全社を統括できる中規模な会社、カンパニー制は社長・経営層が全社を統括できない大規模な会社で取り入れるのがいいでしょう。

事業部制組織に向いている企業

事業部制組織に向いている企業は以下のような特徴があります。

  • 製品や展開地域、顧客層が多岐にわたる
  • 会社の規模が大きくなり社長一人では統括しきれない
  • 変化が激しく素早くニーズを取り込む必要がある

しかし、パナソニックの例のように事業部制の事業部同士の連携に欠ける点などが経営課題に直結する場合もあるので時代の変化に合わせて組織改革を行っていくことも重要です。

まとめ

POINT

【事業部制組織とは】

製品別・顧客別・地域別に事業部を分け、それぞれに「企画」「営業」「開発」の機能を持つ組織形態

【メリット】

  • 意思決定の早さ・柔軟性
  • 予算や戦略が立てやすい
  • 経営人材の育成が進む

【デメリット】

  • 機能の重複があり非効率的
  • 事業部間の摩擦・壁ができやすい

【カンパニー制との違い】

  • 財務・人事の権限は本社経営層にあるため、カンパニー制より柔軟性が劣るが全社を統括できる
  • 責任と権限を持つポジションが少なく経営人材の育成面では劣るが機能の重複が少ないため効率的

【事業部制組織に向いている企業】

  • 製品や展開地域、顧客層が多岐にわたる
  • 会社の規模が大きくなり社長一人では統括しきれない
  • 変化が激しく素早くニーズを取り込む必要がある