仕事と子育てを行うワーママは、毎日多忙です。さらに転職活動も加わると、今まで以上に忙しくなることから、効率の良く転職活動を進める必要があります。
転職後に後悔しない転職先選びや転職活動の進め方、家事・子育て・仕事と転職活動を両立させるポイントをおさえておかないと、転職活動はうまくいきません。
筆者は2児の母であり、夫は残業が多く、ワンオペ育児の状況下で転職活動を経験しました。実際にワーママとして転職活動をすると、特有の難しさを感じました。
この記事では、そのワーママの特有の転職活動の難しさを乗り越えた実体験をふまえて「ワーママの転職で失敗を防ぐための4つのポイント」として解説します。
この記事を書いたのは
ミナ(フリーランスライター)
2社で人事・総務をつとめ、面接や社内環境の整備などを担当。
子どもが生まれてからは、リモートワークができる企業に転職。
現在は、ママ目線でのリアルな転職を伝えるために、ライターとして活躍中。
ワーママの転職で失敗を防ぐための4つのポイント
- ワーママに理解がある職場を選ぶ
- 優先順位をつける
- すぐに決まらなくても焦らない
- 頼れる者(物)はしっかり頼る
ポイント1:ワーママに理解がある職場を選ぶ
ワーママに理解がない職場を選ぶと、子どもの体調不良やイベント時に休みにくいです。以下をチェックし、ワーママに理解がある職場を選びましょう。
- 多くのワーママがいる
多くのワーママがいることは、ワーママが働きやすい職場を意味します。また多くのワーママがいれば、子どもの休みに慣れているため、嫌な顔をされにくいです。
- 休暇が取りやすい
子どもがいると、体調不良などで、休まざるを得ないことがあります。そのため、ワーママに理解がある職場では、休暇を取りやすい仕組みが作られています。 - 雇用形態が多様である
ワーママには、柔軟に働ける環境が必要です。パートや在宅社員など、柔軟な雇用形態を設けているかをチェックしましょう。
ポイント2:優先順位をつける
転職活動をする際に、誰しも希望する条件があります。とは言え、すべての条件を満たす企業はないため、優先順位をつけたうえで、転職先を探しましょう。
- お金が〇〇円以上もらえる
- すでにワーママが活躍している
- 突発的な休みに理解がある
- 1位:在宅勤務が可能である
- 2位:時短勤務/フレックス制を導入している
- 3位:女性の比率が高い
まずは絶対条件を満たす企業で絞り、その中から「あれば良い条件」と照らし合わせました。
ポイント3:すぐに決まらなくても焦らない
ワーママの転職活動に焦りは禁物です。焦ると大切なことが見えなくなり、結果的に合わない会社に入社する可能性が高まります。そのため、すぐに決まらなくても焦らないことが大切です。
焦りを最小限に抑えるためにも、以下のような準備をしたうえで、生活に余裕をもって転職活動をしましょう。
- 在籍中に転職活動をする
- 生活費を用意する
【在籍中に転職活動をする】
可能な限り、在籍中の転職活動をおすすめします。生活費が確保されるため、金銭的な心配をせずに、落ち着いて転職活動ができるからです。
筆者は在籍中に転職活動をしたため、自分に合う会社を、しっかりと見つけられました。
【生活費を用意する】
在籍中の転職活動が難しい場合には、当面の生活費を用意したうえで、転職活動を行いましょう。当面の生活費が用意できない人は、在籍しながら転職を行うべきです。
筆者の知人(ワーママ)は退職後に仕事を探したものの、生活費に困り、以前よりも条件の悪い会社に転職しました。本人は、とても後悔しています。
ポイント4:頼れる者(物)はしっかり頼る
私は自力でなんとかしようとした結果、体調を崩してしまいました。
一時期は転職活動をできないどころか、普段の家事/育児もままならない状況になりました。身体が元気でなければ、転職活動はできません。
そのため、遠方の両親に助けを求めます。車で往復すると、4時間ほどの距離にいるものの、頼むと快諾してくれました。
転職活動時の保育園への送迎を依頼し、時には子どもたちにご飯も食べさせてくれるため、安心して転職活動ができます。
また私自身も、普段は買わない惣菜を積極的に活用しました。
頼れる者(物)は、以下のようにたくさんあるため、活用できる内容は取り入れると良いでしょう。
- 一時預かり保育
- 食材の宅配サービス
- 家事代行サービス
- 便利な家電(ロボット掃除機/食洗器/全自動洗濯機)
また、夫や近くの親戚を最大限に利用することも、忘れてはいけません。
ワーママの転職活動のやり方
ここでは、ワーママの転職活動のやり方を具体的に解説します。基本的な流れは、以下の通りです。
- 転職サービスを利用する
- 求人に応募する
- 面接の実施
STEP1:転職サービスに登録する
ワーママの転職活動は、育児との両立が必要なことから、効率の良さが大前提です。そのため自力で行動するよりも、転職サービスを利用した方がスムーズだと言えます。
転職サービスには、以下のような種類があります。
(※無料で利用ことがほとんどです。)
種類 | 内容 |
転職サイト | 転職サイトに登録することで、さまざまな求人の検索・閲覧ができます。応募することも可能です。 |
転職エージェント | 転職エージェントでは、キャリアアドバイザーが企業と応募者の間に入り、転職の実現に向けてサポートをしてくれます。 |
ハローワーク | ハローワークの専用端末で仕事を探せる他に、職員による就職サポートも利用できます。 |
転職エージェントに登録するなら、子持ちの女性が活躍している企業や子育てと両立して働きやすい制度の会社の求人が豊富な転職エージェントに登録するのがおすすめです!
以下の記事でワーママにおすすめの転職エージェントを紹介しているので、あわせて読んでみてください。
STEP2:求人に応募する
転職サービスで気に入った求人を見つけたら、応募をします。応募の方法は以下の通りです。
- 転職サイトの場合
転職サイトから、自分で直接応募をします。面接日の調整や、給与交渉も自分で行うことが特徴です。 - 転職エージェントの場合
キャリアアドバイザーに「希望の求人」を連絡すると、応募から面接日の調整までしてくれます。給与交渉も代行してくれることが特徴です。 - ハローワークの場合
ハローワークの職員が企業に対し「〇〇さんが応募する予定です」と、連絡をしてくれます。実際の応募や面接日の調整は、自分で行います。
ワーママの転職活動では、子育てと両立しながら働ける求人選びが重要です。
以下の記事でワーママの後悔しない転職先選びについて解説しているので、あわせて読んでみてください!
STEP3:面接の実施
書類選考が通過すると、面接が実施されます。
昨今では、新型コロナウイルスへの対策で、オンライン面接を行う企業もあります。筆者は企業の様子も見たいため、直接訪問が可能な企業に対しては、訪問での面接を依頼しました。
遅刻をしないことや、身だしなみを整えることの他に、選考でのアピールも重要なポイントです。筆者は以下のポイントをふまえ、各企業に合わせてアピールをしました。
- 即戦力として働ける
- 子どもを預ける環境がある(保育園/延長保育/親の支援など)
- 将来的な見通し(〇〇年後には小学生になるため、今より多く働けるなど)
- 今後のキャリアビジョン
企業はワーママに対し、子育てと仕事の両立ができるかや、長く働いてもらえるかという点を見ています。そのため、両者ともに可能であることを、しっかりとアピールすることが大切です。
ワーママが面接を突破するには、面接で想定される質問に対する答えを考えておくことが重要です。
以下の記事でワーママが面接で聞かれる質問例と回答例を解説しているので、あわせて読んでみてください!
ワーママが転職活動と子育て・家事を両立させるには?
ここでは、転職活動中・転職後に私が子育て・家事と両立させるために工夫したことを紹介します。
- ワーママが転職活動と子育てを両立させるコツ
➡家族・保育施設・ベビーシッターを活用する - 家事・子育てと仕事を両立させるコツ
➡便利グッズの活用・休日にまとめて家事をする
ワーママが転職活動と子育てを両立させるコツ
筆者は、転職活動中・入社後ともに子育てとの両立に苦労しました。
例えば子どもが発熱すると、保育園に預けられません。発熱した日に面接の予定が入っている場合には、急遽親にヘルプを頼むことがありました。
また筆者には2人の子どもがいるため、1人目の熱がおさまっても、2人目が発熱することもあります。
いくら柔軟に対応してくれる企業に入社しても、さすがに2人の発熱に対し、1週間も休むわけにはいきません。
親に頼めない場合には、以下の方法も検討しました。
病児保育 |
病児保育とは、病気の乳幼児を預かってくれる保育施設です。 病児保育は以下の種類に分かれるため、近隣の病児保育施設が、どれに該当するかを把握しておくと良いでしょう。 ・病児対応型…現在進行形で、病気の子どもを預かります。 ・病後児対応型…病気が治りかけている子どもを預かります。 ・体調不良児対応型…基本的に、保育園に通っている子どもを預かります。 ※病児保育では、事前の登録が必要なため、あらかじめの申請がおすすめです。 |
ベビーシッター |
ベビーシッターは、自宅で乳幼児の面倒を見てくれます。病児のサポートも可能なベビーシッターを選ぶことで、突発的な体調不良に対応できます。 事前の登録が必要なベビーシッターもあるため、注意が必要です。 また自宅で面倒を見るため、信用できるベビーシッターかの見極めも大切です。 |
家事・子育てと仕事を両立させるコツ
転職活動中と同様に、子育ての両立での苦労があり、さらに入社後には家事との両立で苦労しました。
筆者はリモートワークも可能な仕事を選んだものの、職場環境に慣れるまでは、家事との両立に悩みました。
例えば、以下のような問題が発生します。
- 買い物をする時間がない
- 夕食を作る時間がない
- 家の中が散らかる
最初は家事が両立できず、自己嫌悪に陥りました。しかし自己嫌悪に陥ると、夫婦喧嘩や子どもへのイライラにも発展するため、自分を追い込まないことが大切です。
家事を両立するために、以下のような方法もあることから、状況に合わせて利用すると良いでしょう。
- 買い物をする時間がない
→食材の宅配サービスの利用
→休日にまとめ買いをする
→夫にメモを渡し、買ってきてもらう
- 夕食を作る時間がない
→圧力鍋やシリコンスチーマーなど【便利グッズ】の利用
→休日にまとめて作る
→冷凍食品/惣菜/料理キットのフル活用
- 家の中が散らかる
→掃除機ではなく、フロアワイパーやモップを使う
→物を(とりあえず)まとめる箱を用意する
→休日だけ片付けることにし、割り切る
転職活動による苦労やストレスを乗り越えた方法
最後に、転職活動による「苦労」や「ストレス」を乗り越えた方法について紹介します。大きく分けると3つです。
方法1:同じ境遇のワーママに相談する
同じ境遇のワーママがいる場合には、相談することも1つの方法です。具体的なアドバイスが手に入る他に、日頃の愚痴なども聞いてもらえます。
方法2:家族に協力してもらう
夫や親がいる場合には、協力してもらいましょう。協力してもらうことで、スムーズに転職活動を進められます。
筆者の夫が休みの日には、家事や子育てをしてもらいました。その間に、面接の準備などを進めます。
親の協力もあったため、子どもが体調不良でも、面接をキャンセルせずに済みました。
方法3:完ぺきを求めない
転職活動をするワーママの中には、すべてに完ぺきを求める人もいるでしょう。筆者もそうでした。
「転職先への条件」や「家事/子育てとの両立」に対し、完ぺきを求めるあまり、焦りと不安で押しつぶされそうになりました。
しかし、結果的には完ぺきを求めない方が、うまくいきます。
押さえるべきポイント以外は「まあいいか」というスタンスだと、心に余裕が持てることから、視野も広くなります。
まとめ
ワーママは仕事と子育ての両立が必要なため、転職活動を行う際には、以下の4つのポイントを押さえることが大切だと分かりました。
- ワーママに理解がある職場を選ぶ
- 優先順位をつける
- すぐに決まらなくても焦らない
- 頼れる者(物)はしっかり頼る
転職活動による苦労やストレスも、周囲のワーママや家族の協力をあおぎ、完ぺきを求めないことで、乗り越えやすくなります。
また転職理由や置かれている状況は、それぞれのワーママによって異なるものの、子育てや家事の両立など、共通点はあります。そのため、当記事で紹介した4つのポイントを意識することで、スムーズな転職が実現しやすくなるでしょう。