- 事務職の転職面接ではどんなことを聞かれるの?
- 面接に受かるコツを知りたい!
と思っていませんか?
この記事では、キャリアアドバイザーとして事務職の転職支援を行う筆者が、事務職の転職面接で聞かれること8選と回答例、面接に受かるコツについて解説します。
吉川純子
看護学校卒業後、看護師として総合病院に就職。整形外科病棟で5年勤務後に退職。オーストラリアで1年間ワーキングホリデーを経験する。その後、航空会社に就職。客室乗務員として主に国内線に10年間乗務。様々なPRイベントへの参加やチャーターフライトに乗務。インストラクターとしてOJT生など後輩指導を担当。営業部へ異動となり、法人営業も経験する。現在は20代事務職に転職に特化した転職エージェント「ミラキャリ」のキャリアアドバイザーとして活動。【保有資格】看護師免許、実用英語技能検定2級
未経験から事務職の転職面接で聞かれること8選
1:自己紹介
自己紹介では、今までの経験や持っているスキル、得意なこと、長所となることを簡潔に話すことがポイントです。
面接では1番最初の質問になり、印象を左右しますので、事前に何度も練習しておくと良いでしょう。
2:経歴や前職での経験
面接では、これまでの経験を応募先企業でどのように活かせるのか確認するために、前職/現職での経験を聞かれます。
事務職未経験の場合でも、売上管理や顧客管理、シフト作成などにパソコンやOfficeソフトを使っていればアピールしましょう。
3:転職理由
転職理由は面接で必ずと言ってもいいほど聞かれる質問です。
転職理由を聞くことによって、同じような理由で転職してしまわないか、自社で長く働けるかを確認しています。
転職理由を聞かれた際に、ネガティブな理由や現職の悪口ばかり言ってしまうと印象が良くないので、本音は「上司と合わない」「残業が多い」だったとしても、事務職に興味を持った理由や事務職としてどうキャリアアップしていきたいかといった前向きな理由を伝えることがポイントです。
4:志望動機
なぜ事務職を希望しているのか。なぜこの会社を選んだのか、志望動機を聞くことで、将来の目標や仕事に対する考え方、会社や職業理解ができているかを確認しています。
事務職の志望動機でありがちなのは、「残業が少ないから」「土日休みだから」といった条件の理由を正直に伝えてしまうことです。それだと仕事に対する意欲が伝わりません。
志望動機では、「事務職への適性を感じたから」「事務の仕事に興味を持ったから」といった、やる気が伝わる理由を伝えましょう。
加えて、どの企業に当てはまる志望動機だと、面接官は「うちの会社じゃなくてもいいのではないか」「会社のことを調べてきていないのではないか」「うちの会社に興味がないのではないか」と感じます。
そのため、面接では応募する会社に感じた魅力を伝えることも重要です。
前職で事務局員の細やかな配慮により、仕事がしやすかったことを伝えた。自分も全体をみて、与えられた仕事だけにこだわらず、みんなが仕事をしやすい環境を作れるように務めたいことを伝えた。
たまたま転職先の業種に興味を持てたのもありますが、人のためになる仕事が好きなので、頑張っている営業さんのサポートがしたいと伝えました。
パソコンスキルがあること、タイピングが早いことなど自分の特技を伝え、これを生かせると思いましたと伝えました。
5:自己PR
「自己PRをお願いします」「あなたの長所を教えてください」といった自己PRを聞く質問がされます。
自己PRを聞くことによって、事務職としての適性があるか、自社で活躍できるかを確認しています。
コミュニケーション能力(傾聴力、関係構築スキルなど)や調整力、柔軟性など、自分の強みを前職・現職での具体的なエピソードをもとに伝えます。
自己PRでは、その強みを事務職にどう活かせるかをアピールすることがポイントになります。
例えば、営業スキルをアピールしても事務職には活かすことができないので面接官に刺さりません。
一方、営業成績を伸ばすためにチームメンバーとの連携を密に行なっていた、顧客のニーズのヒアリングに努めたといった、事務職の仕事でも活かせるコミュニケーション能力をアピールすると効果的です。
医療事務や診察補助をしていたため、分野は違えど書類の扱いや補助業務には慣れている、そのため事務職もサポート力を生かせる点をアピールした
前職は内装施工で職人として現場へ行って仕事をしていました。その時から効率よく、丁寧に、素早く仕事をすることを意識しながら仕事を行っていた事。事務職を希望しているのでパソコンの基本操作は可能なことは伝えました。
真面目にコツコツと頑張れることと、報連相を大切にしていること。前職でも見通しをもって、様々なパターンで動けるように頭でシミュレーションして、指示がなくても自分で考えて動いた。また、日頃から些細なことも雑談を交えながらも、報連相してた為、不測の辞退に陥ることがあっても職員みんなで協力して乗り越えることができた。
コツコツ作業が好きなこと、、間違いやミスが少ないこと効率よく作業をこなせること、マルチタスクが得意なことはPRしました。
前職の飲食サービス業では個人客からの理不尽なクレーム対応なども行ったので、電話応対も問題なく行えることを伝えました。
営業経験ありなので見積書作成や契約書の管理、経理面ではある程度の知識ありとPRしました。社会保険労務士資格勉強中もPRしました
6:短所
自己PRに続いて事務職への適性を確認するために短所も聞かれます。
短所を聞かれた際には、マイナスな表現は使わないこと、短所を直すために心がけていること、対処法もセットで伝えるようにしましょう。
また、伝える短所は、事務職の仕事において重要な欠点となる内容でないか、自己PRで伝えた長所と矛盾しないかにも注意しましょう。
短所の伝え方、表現にも注意が必要です。
例えば、「思い詰めてしまう」と言うとストレス耐性が懸念されてしまいます。
「何でも1人で対処しようとしてしまう」に言い換え、「周りの人にも頼るようにする」と改善策もセットで伝えるといいでしょう。
7:キャリアプラン
キャリアプランを聞くことで、仕事に対する意欲があるか、自社とマッチするかを確認しています。3年後、5年後の短期のスパンで成し遂げたいこと、どうなっていたいかを伝えます。
キャリアプランは応募先の企業でできることと合致している内容を伝えること、プライベート重視の内容は避けることがポイントです。
例として、
未経験の場合、パソコンスキルやOAスキルを磨いて事務職として一人前になること。
経験者の場合は、業務を効率的に行えるようになること。などが挙げられます。
8:逆質問
面接の最後に面接官から「他に何か質問はありますか?」と聞かれます。その際何もないと答えてしまうと、面接官に余り興味がないのかな?と思われてしまうかもしれません。
質問し過ぎることも良くないですが、最後のアピールの場だと考えて2.3個は準備しておきましょう。準備する際はホームページや求人票に載っていない内容にすることがポイントです。
- 私が入社したとしたら、具体的にどのような仕事をするのでしょうか?
- 部署や事業部によって、組織風土に違いはあるのでしょうか?
- 会社にはどのような方が働いていますか?
- 社員教育に力を入れ、充実した研修制度が準備されているとお聞きしました。具体的にはどのような研修を行っているのでしょうか?
逆質問は、面接官の立場に合わせて質問することも重要です。
現場の社員が面接官をすることもあれば、総務部長や役員が行う場合もあります。
現場のことをあまりよく知らない総務部長や役員に仕事内容や一日の流れなどを聞いても答えられないため、面接官の立場に合わせて複数質問を考えておくと良いでしょう。
応募先別の事務職の面接
無期雇用派遣の場合
派遣会社に正社員雇用され、クライアント企業に派遣される無期雇用派遣の場合、面接は1回〜2回のところが多いです。
最近はオンラインで実施されることが多く、先ほど紹介したような面接の一般的な質問がされます。
直雇用の場合
直雇用の場合、面接は通常一次面接から三次面接まで行われることが多いです。
一次面接、二次面接、三次面接それぞれ面接官が異なります。一般的には、一次面接と二次面接には、現場の社員(課長など)や人事が行い、三次面接(最終面接)は、役員レベルの方が行います。
一次面接では、これまでの経験といった過去について聞く質問が多く、三次面接では、キャリアプランや会社の方向性や社風にマッチするかという未来について聞く質問がされる傾向があります。
そのため、どんな立場の人が面接を行うかによって、対策も異なります。
例えば、逆質問の際に、役員に具体的な仕事内容や1日の流れを聞いても答えられません。
現場で働く人、経営に携わる人など、面接官の立場に合わせて逆質問を考える必要があります。
事務職の転職面接に受かるコツ
想定される質問への答えを考えるなど、事前準備をしっかり行うことが面接に受かるコツです。
転職エージェントを活用すると、面接のアドバイスや模擬面接を行ってくれるため、対策しやすくなります。
模擬面接では、想定される質問に対する回答内容、表情や声のトーン、話し方の癖など自分では気づかない改善点を指摘してもらえます。
例えば、こういったことをアドバイスすることがあります。
・転職理由についてネガティブな内容を答えたり不満を言うのではなく、キャリアアップしたい、チャレンジしたいなど前向きな言い方に変える
・志望理由が曖昧だと志望度が低いと思われるので、応募先企業について調べてアピールする
・自己PRの内容を応募先企業で求められることに変える
・短所を答えるときに改善するために意識していることもセットで伝える
事務職は人気で応募者がたくさん集まるため、少しでも面接で違和感を感じると不採用になってしまいます。面接対策をしっかり行うことが選考通過のコツです。
事務職への転職で見られるポイント
事務職への転職で見られるポイント1:ビジネスマナー
事務職への転職に限らずですが、ビジネスマナーは見られているポイントです。
例えば、以下のような行動はに気をつけましょう。
事務職への転職で見られるポイント2:コミュニケーション能力
人とのコミュニケーションが少ない職種と言われている事務職ですが、社内の人と連携する必要があり、来客時や電話対応も仕事に含められるため、コミュニケーション能力が求められます。
受け答えがしっかりしている、明るくハキハキとした話し方ができる方は好印象です。
事務職への転職で見られるポイント3:謙虚さ
特に事務職未経験の場合は、学んでいく姿勢が求められるため、謙虚さ、真面目さ、素直さがあるかを見られています。
事務職への意欲や学んでいく姿勢をアピールするといいでしょう。
事務職への転職で見られるポイント4:長く働けるか
事務職以外の職種にも言えることですが、企業は長く働けるかを選考で見ています。
そのため、ネガティブな発言やストレス耐性がないと懸念される発言は控えた方がいいでしょう。
例えば、面接で転職理由を聞かれた時に、上司と合わない、残業時間が長いといった不満を伝えてしまうと、「同じような理由ですぐに辞めてしまうのではないか」と懸念される可能性があります。
他にも、短所を聞かれた際に「1人で抱え込んでしまう」と言うと、繊細な印象を与えてしまう可能性があります。
転職理由や短所はなるべくポジティブに言い換えたり前向きなことを伝えるよう工夫することがポイントです。
事務職の対面面接の流れ
事務職の面接の流れは以下の6つです。
- 入室
- 自己紹介
- 面接
- 応募者から面接官への質問
- 面接終了
- 退室
事務職の対面面接の流れ1:入室
笑顔を心がけて明るい声であいさつしましょう。
面接室に通されて面接担当者を待つ場合と、別室に通されてから面接担当者が待つ面接室に入室する場合の2つあります。
受付の人に面接室まで案内され、「こちらでお待ちください。」と言われます。
面接官がいつ来るかわからないので姿勢を崩さずに立って待機しましょう。面接官が入室してきたら「よろしくお願いします。」とあいさつしましょう。
また面接官に着座を促されるまでは起立した状態で待ちましょう。
ノックには在室の確認や入室の許可を求めるという意味がありますので、ドアが開いている場合も閉じている場合もノックするようにしましょう。ノックをするスピードや音の大きさにも注意してください。事前にシュミレーションしておくと良いでしょう。
入室したら用意された椅子のほうへ姿勢よく進み椅子の横に立ちます。
「本日はお時間いただきありがとうございます。〇〇と申します。よろしくお願いいたします。」とあいさつをしてからお辞儀します。カバンを置く場所の指定がない場合は、椅子の横に置くようにしましょう。
また、ドアを閉めるときは大きな音を立てないように静かに閉めましょう。
この時、後ろ手で閉めるのはマナー違反なので、ドアの方に向き直して閉めてください。
面接官に「どうぞお座りください。」と促されるまで座ってはいけません。
椅子の横に立ち面接官から着座を促されるまで待ちましょう。
事務職の対面面接の流れ2:自己紹介
自己紹介が長くなってしまうと面接官に伝わらない場合もあるので、簡潔に1分~1分半以内で話しましょう。
また、最初の印象が大切ですので姿勢を正して、相手の目を見てハキハキと元気よく自己紹介できるようにしておきましょう。
事務職の対面面接の流れ3:面接
質問に答える時は面接官の目を見て答えましょう。
会話する際、相手の目を見て話すことは基本的なマナーのひとつです。時々目線が相手の目から外れることは問題ありません。常に外れていると自信がない印象を与えてしまいます。難しい場合は面接官の鼻筋の辺りを見るのもポイントです。
相手の目を見て会話することは、入社してからも日々のコミュニケーションで求められる基本的なスキルです。
事務職の対面面接の流れ4:応募者から面接官への質問
面接が一通り終わると、「何か質問はありますか?」と聞かれます。これを逆質問と呼び、入社意欲をアピールする上で重要です。働いたことが無い企業へ入社する訳ですから、質問がないと興味が無いのでは?と面接官に思われてしまう場合があります。
そのため、必ず2つは質問を用意しておきましょう。ただ、企業のホームページ等で調べればわかる内容や、応募職種と関係ない質問、賃金に関する細かな質問は逆に印象を悪くしてしまいます。
その場で質問を考えるのではなくあらかじめ質問を決めておくとよいでしょう。
事務職の対面面接の流れ5:面接終了
合否結果の連絡方法や、今後の流れが説明されます。合否連絡をしてくれる企業と、しない企業があるので、勘違いしないように控えておくと良いでしょう。
最後に面接官に対して「本日はお時間をいただきありがとうございました。」とお礼の言葉と、お辞儀を欠かさずに行いましょう。
事務職の対面面接の流れ6:退室
退室を促されたら席を立ち、もう一度「本日はありがとうございました。」とお礼・お辞儀をしましょう。
退室の際には、「失礼します。」と一礼も欠かさず行い、ドアは閉まるまで気を抜かずゆっくり閉めましょう。
事務職の転職には転職エージェントの活用がおすすめ!
この記事では、事務職の転職面接でよく聞かれる質問例と回答例を紹介しました。
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