転職業界20年のプロ、オブリージュ代表の大川章さんに、はじめて転職する人に向けて「転職活動のやり方」を解説していただくコラム。第10回は「自己PRの作り方」についてです。採用したい!と思わせる自己PRの作り方、職種や状況別の自己PRのポイントについてお話しいただきました。
大川章 オブリージュ株式会社/代表取締役 ベンチャー企業、外資系企業を中心としたサーチエージェントであるオブリージュ株式会社の代表。テクノブレーン株式会社、ジェイエイシージャパン(現ジェイエイシーリクルートメント)、オムロン系の人材会社等を経て現職。 千葉県在住。(オブリージュ株式会社HP: http://www.oblige-jpn.com/ )
(※本インタビューはZoomで実施し、写真撮影時のみマスクを外しています)
採用したい!と思わせる自己PRの作り方3ステップ
ー今回は、採用したい!と思わせる自己PRの作り方について教えていただきたいと思います。
はい。自己PRは、自分をアピールする最大のチャンスなので、かなり重要ですね。
自己PRをする機会は職務経歴書の最後に書くパターンと、面接で最後に自己PRで聞かれるパターンがあると思いますけど、
職務経歴書では自分の強みを改めて伝えるチャンスになる箇所で、面接では途中まで上手く自分の強みを伝えられなかったとしても自己PRで逆転できる可能性もあるので、大事なところだと思います。
ー採用担当者がこの人を採用したい!と思うような自己PRを作るには、どういう手順で考えればいいですか?
自己PRを作るには、まず自分にどんな長所・強みがあるか考えていきます。
例えば、趣味とか部活、好きだったこと、共感した本は何だったか、ずっと自分が継続してきたこととかを思い出してみて、
そしてなぜ好きだったのかを考えていくと何となく自分はこういう人間なんだなとか、こういうことが得意なんだなとか、必ず1個や2個は見つかると思います。
自分で考えてもいいし、話す中で見つかることも当然あると思うのでエージェントの方に気楽に相談したら良いと思います。
ー誰かに話すうちに気づいたり、客観的に指摘してもらうのも良さそうですね。好きなこととか、得意なことの中で仕事にも活かされていることもありそうですね。
そうです。
そして、その長所・強みが応募している求人にマッチしているかを考えていかないといけないんです。
例えば、英語のコミュニケーションが得意ですって言っても、応募先が国内営業だったら英語を話す能力は求められていないですよね。
ですので、企業の求人を読み込んだ上で企業が求めるスキルに近い長所・強みを考えていかないといけないんです。
国内営業の求人に応募するなら、英語が話せることをアピールするのではなく、英語を継続して勉強できる「継続スキル」があるっていう風に、言い方を工夫して自己PRを作り込んでいって欲しいなと思います。
ー少しでも応募しているポジションで求められているスキルに近い強みをアピールすることがポイントなんですね。
そうしないと、企業も評価できないですからね。
それができたら、①結論 ②具体的なエピソードっていう流れでストーリーを作ってみてください。
具体例を挙げて自分の強みをアピールしたほうが採用担当者も理解度が高まると思うし、この人はプレゼン力があるなっていうのは評価につながると思います。
ーたしかに、具体的なエピソードを話した方が説得力がありますね。
職種・状況別の自己PRのポイント
職種別の自己PRのポイント
その職種で身についたスキルや強みをアピールする
第二新卒・若手の自己PRのポイント
ポテンシャルを感じさせる、具体的なエピソードを話す
異業種への転職・キャリアチェンジの自己PRのポイント
親和性がある業界・職種を選ぶ
活かせる経験・スキルを話す
ー職種によっても自己PRでアピールするポイントはそれぞれ変わってくると思うのですが、例えば、営業だったらどういうところをアピールできますか?
営業も法人営業・個人営業といろいろあるので、そこに合わせるという形になるとは思うんですけど。
いわゆる法人営業だったら新規開拓が得意であることをアピールした方がいいと思います。
ルート営業だったら顧客との信頼関係を築いて人間関係の構築ができますとか、個人営業だったら人が好きですっていうのをアピールしたほうがいいかもしれないですし。
営業のなかでも多少ニュアンスが変わってくるのでアピールする部分は変わってくると思います。
ーその職種で身についたスキルとか応募先の職種に活かせることをアピールすればいいんですね。
そうですね。
ー第二新卒とか若手で実績があまりない場合はどうですか?
未経験者の採用の場合は、会社はある程度6ヶ月ぐらいから1年ぐらいは投資と考えていて、その間にしっかり育てるよっていう方針で採用するので、「この人はすぐに成長して長期的には活躍できる」って人事の方に思わせないといけないですね。
ポテンシャルをアピールするには、自分なりにこういうことを考えて努力してきたとか、こういうことができるようになったとか、その根拠となるエピソードを書けるといいですね。
たとえば、英語が苦手だったんだけど、英語ができるようになった方がいいと思ったから先生に教わりながら勉強して資格取得しましたとか。
そういった根拠をしっかりアピールできると、この人はこれぐらい努力して、諦めずにここまでやれたんだとか、ポテンシャルを感じてくれる人事の方もいると思います。
ーこれまで努力してきたこととか、入社後に克服したことを伝えるのも一つの手なんですね。
短い職歴のなかでもこういうことが苦手だったけど、こうことを工夫して一人でできるようになったとか、こんな仕事を任せてもらえるようになったとかでもいいと思います。
ー未経験の業界・職種への転職の場合はどうですか?
未経験の業界・職種への転職だったら、親和性があるところを選ぶっていうのが前提として重要で、そこで活かせる経験・スキルをアピールするのがポイントですね。
例えばですけど、僕みたいなキャリアコンサルタントから異業種への転職だったら、企業の人事への転職がよくあるんですけど、
人事がどういう仕事しているのかが分かるし、業務内容は全然違うとは思いますけど、なんとなく人事側の悩みも分かりますし、紹介側から採用側に転職するというのはなんとなく親和性がある感じがしますよね。
ー求職者と関わるというところでは共通していますよね。業務の中で意識していた点をアピール出来るかもしれませんね。
それはありますね。その経験を活かしてこういうことに挑戦したいとかだったらいいと思います。
その業界・職種に活かせることはどんなことでも良いので考えてアピールするといいと思います。
求められているスキルを具体的なエピソードで伝えることが重要!
ー自己PRでは、企業が求めるスキルに近い強みをアピールすることを具体的なエピソードで伝えることが重要なんですね。
はい。じっくり自分にどんな強みがあるか考えて、求人票を見て、アピールできるところを探していくといいと思います。
そして、その根拠を具体的にイメージできるように話すと、採用したい!と思ってもらえると思います。
ー教えていただいた手順で考えると、自己PRを作れそうな気がします。ありがとうございました。
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