- 未経験から土木設計に転職できるの？
- 土木設計の仕事に必要なスキルや経験を知りたい
以上のような疑問を持つ方に向けて、この記事ではキャリアコンサルタントとして建設技術者を中心とした採用、教育、定着の支援を行う筆者が、未経験から土木設計への転職について解説します。
土木設計への転職に興味がある方は、ぜひ読んでみてください。
杉橋 綾太
人材派遣会社にて建設技術者を中心とした採用、定着支援、企業への人材コンサルタント業務を約20年経験。働かれる従業員の方々に意欲を持って活き活きと仕事をしてもらいたい。そのような環境を経営者の方々と一緒に作り上げていきたいとの思いから「働くを楽しく」を理念に大阪府で中小企業を中心に採用、教育、定着の支援をしているキャリアコンサルタントです。ワークスコンサルタント代表（https://worksconsul.com/）
土木設計は未経験から転職できる？
建設業界は慢性的な人手不足であり、土木の分野においても同様の状況ですが、土木設計の仕事に就くには土木工学や構造力学などの基礎的な知識やCADソフトのスキルが必要となりますので、可能であれば学校などで学ぶ時間を設けることをお勧めします。
また、未経験者を受け入れてくれる企業もありますが、最初は下積みが必要で設計職の補佐として働くことをイメージしておくのが大切だと言えます。
土木設計に就いた後は設計や工事監理などの実績を積み上げていき、RCCM（土木の専門技術資格）や技術士を目指すことでキャリアアップしていくことができます。
土木設計として働く職場
土木設計として働く職場1：建設コンサルタント会社
建設コンサルタント会社は、山林の開発や道路整備、河川や湾岸整備、上下水道整備など社会インフラの開発や整備を企画立案する会社です。
対応するプロジェクトは大規模である場合が多く、事前調査を経て設計、設計監理を行いながらプロジェクトの完了まで進めていく仕事です。プロジェクト完了後も維持管理を行う場合が多く、企画から完了後まで一貫して行う仕事であるといえます。
大規模プロジェクトに携わることから求められるスキルも高くなる傾向にありますので未経験者の間口は狭いといえますが、下積みを積んで挑戦するだけの魅力がある会社であるといえるでしょう。
土木設計として働く職場2：ゼネコンの土木設計部
ゼネコンの土木設計部では、トンネルや道路整備、橋梁や造成工事、上下水道や河川、湾岸整備などの工事を公共機関や民間企業から受注して設計を行います。
また、ほとんどの場合設計後は施工までゼネコンが担当するので設計・施工を同じ会社で対応することから自社内で設計と施工を協力して進めることができます。
対応するプロジェクトは大小様々なものがありますが、特徴としては幅広い工種、規模の設計に携わることができるといえるでしょう。
土木設計として働く職場3：土木設計事務所
土木設計事務所では、建設コンサルタント会社やゼネコンの土木設計部と同様に、トンネルや道路整備、橋梁や造成工事、上下水道や河川、湾岸整備など幅広い工種の受注を請けて仕事をします。
特徴としては設計・設計監理を専業として仕事を行うことで、施工やプロジェクト完了後の維持管理までは原則として行いません。
設計業務に専念して大小様々なプロジェクトや幅広い工種、規模の設計に携わることができるといえるでしょう。
土木設計の仕事内容
土木設計の仕事内容1：概略設計
概略設計とは、形状やルート、構造、材料などの大枠を決める工程のことです。プロジェクトを進めていくうえで、事前に様々な内容の比較や検討を行い最適な方法を選択する為に概略設計を行います。
概略設計では、地形図や地質資料などを参考に現地調査や地質調査を行ったうえで、最適な構造物の形状や規模、構造材料の選定などを行います。必要な要件を満たしつつ、安全性、施工性、コスト面で最適な設計を行うためにはどうすれば検討していきます。
様々な角度からプロジェクトを検討するすることができる技術的知識や経験が必要となります。
土木設計の仕事内容2：詳細設計
詳細設計とは、概略設計で決まった大枠をもとに詳細の設計を詰めていき、工事できる図面を作っていく工程のことです。
概略設計で作図された図面だけでは工事の際に必要な詳細な情報が記載されておらず、実際の工事現場で設計図面として使うことはできません。
工事現場でも使えるように詳細な情報を記載したものが詳細設計で、工事用図面や施工計画図、数量計算書など様々な図面や情報がまとめられており施工者が施工しやすいように作成されています。
実際の工事に使える詳細な図面を作成しますので技術的な知識に加えて設計スキルやノウハウが必要となります。
土木設計に企業が求める経験・スキル
土木設計に企業が求める経験・スキル1：技術的基礎知識
土木設計者として企業から求められるものとして技術的な基礎知識が挙げられます。主に学校の専門課程で学ぶことになる「構造力学」、「土質力学」、「水理学」がそれにあたり、設計するうえで必要な基礎知識が求められます。
また、技術的な知識に加えてCADの操作スキルも求められます。Auto-CADなどの土木業界で広く使われているCAD操作については事前に学習して少なくとも基本操作程度をマスターしておく必要があるといえるでしょう。
土木設計に企業が求める経験・スキル2：コミュニケーション能力
土木設計者として企業から求められるものとしてコミュニケーション能力が挙げられます。
設計者は施主や協力会社、社内のメンバーなどと役割を分担したり、調整することで仕事を円滑に進めていく必要があります。
1人で全ての設計を行うということはまずありませんので様々な人とのコミュニケーションを大切にしながら仕事を調整して進めていくことができる人は企業にとっても実務経験以上に魅力的な人材になるといえるでしょう。
土木設計に企業が求める経験・スキル3：想像力
想像力は、筆者自身、学生時代に建築設計の勉強をしていて大切だと実感したスキルの一つです。
土木設計者として施主の要求を満たしながら予算内で、どのような構造物を造るか、どのようにデザインするか、どのような機能性を設けるか想像力を働かせながら設計することが必要になります。
正解の無い答えを考えることに近いものがあり設計者自身のセンスも問われるスキルになりますので、土木設計者を採用する企業が求めるスキルの一つであるといえるでしょう。
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次は、土木設計士に強い転職エージェントを紹介します。
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