- 設計事務所の転職先はどうやって選べばいいの?
- 転職先選びで後悔したくない
以上のような方に向けて、この記事では建設業界で働く筆者が、設計事務所の転職先選びで後悔しないための5つのポイントについて紹介します。設計事務所への転職に興味のある方は是非参考にしてみてください。
一本槍 満滋
総合建築を行う会社で電気設備・空調設備に関する設計、施工を10年以上担当。その後、公共事業などを多く担当する会社に転職。監理技術者として電気設備における施工管理業務を行う。現在は個人事業主として独立し、電気・空調設備の設計をメイン業務に、工事受注、店舗等の省電力化を図るコンサルタントなども行なっている。また、専門的な見解を踏まえた建築・電気設備に関するライター活動なども行なっている。保有資格:電気工事士2種、電験3種、電気工事施工管理技士1級、建築設備士、建築士2級
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設計事務所の転職先選びで見るべき5つのポイント
設計事務所の転職先選びで見るべきポイント1:海外への売上額
日本の建築物市場は今後減少の途を歩んでいくとみられています。そのため全体の売上高の何%が海外業務における売上高に当たるのかが将来性に繋がってきます。
特に大手ゼネコンや組織系設計事務所などを希望の方は、自分が退職する頃も変わらないだけの売上高を維持できる会社でないと心配が尽きないでしょう。
また、果敢に海外事業に挑戦する会社であれば最新の工法を使用した建造物の仕事に従事できるため、様々な知識を得る事ができます。
設計事務所の転職先選びで見るべきポイント2:取引先
取引先を知る事で、設計事務所に転職した際どのような建物の設計に携われるのかを知る事ができます。
安定的で仕事量もある公共案件をメインで設計していきたい方では、市や県が主な取引先になります。
店舗や工場などがメインの取引先になると景気に左右されやすい反面、随時改修変更などを考慮するため工事量も多い傾向にあります。
個人宅など住宅をメインで設計する設計事務所であれば、今後は古民家再生などの改修事業に力を入れている社会貢献力の高い会社に転職する事も一つの案です。
未来を見据えた上で、転職先を考える事が、その後の設計士としての一生を決める要因になります。
設計事務所の転職先選びで見るべきポイント3:監理体制
監理体制は設計事務所を選ぶ上で、ワークライフバランスの基準に繋がるポイントになります。
設計士として従事していく中で、あまりにも仕事が詰まっていてキャパオーバーを起こすと、自分の長所を活かせる仕事ができなくなります。それどころか私生活もままならない為多くのストレスを抱える事で、退職を考える様になります。
どの様なチーム体制で、一人でいくつの現場を掛け持ちすることになるのか?それらを事前に知っておくことによって楽しい生活の根幹となる仕事のバランスを築くことができます。
設計事務所の転職先選びで見るべきポイント4:独立に繋がるか
建築士は一人一人がクリエイターです。その為最終的には自分自身の設計事務所を持ちたいと考える方が多いです。
転職先の設計事務所が好きなコンセプトに近いのか、そこでの業務を通して将来につなげていけるのかを見据えた上で選ぶと独立への近道にもなります。
転職は数度繰り返すことで複合した経験や知見を得られるという考え方もできるので、転職回数は長所にもなります。
設計事務所の転職先選びで見るべきポイント5:給与
アトリエ系に就職する方の多くが給与よりも芸術性を重視する傾向にありますが、同じ大学を卒業した友人が組織系設計事務所に入社して、自分の1.5倍以上の給与をもらっている事を目の当たりにすると流石にやりがいを失うものです。
その為、やりたい事半分、給与半分で転職をした方が不平不満の元を作りにくいかもしれません。
経験の量で給与が増える会社ばかりではないので注意して確認しましょう。
設計事務所の種類
アトリエ系事務所
アトリエ系事務所とは、建築家の個性(「意匠・デザイン」)を反映した建築物を設計する事務所のことです。
住宅・店舗併用住宅・小規模の商業施設・公共施設などの設計を請け負うことが多く、社員が5〜20名の少人数であることが特徴です。
代表的なアトリエ系事務所には、「安藤忠雄建築研究所」「伊東豊雄建築設計事務所」「隈研吾建築都市設計事務所」などがあります。
アトリエ系事務所は設計においても芸術家としてのスタンスに近い分野です。設計事務所としては非常に狭き門で、一般的に建築を志す者が憧れる職場になります。
激務で家に帰る時間も無い時期もある仕事でしたが、近年ではDX化のおかげでリモートワークで済ませられる仕事内容が多く、家族時間も大切にできるようになりました。
所属する建築家によって設計する建物が自分のセンスに合わない事務所もあるため、自分の感性にあった事務所を探すと、良いでしょう。利益を追従するよりも芸術性を追従する方が多いので、お金を多く稼ぎたい方はアトリエ系で働いて独立する方も多いです。
組織系設計事務所
組織系事務所とは、自社内に意匠設計・構造設計・設備設計の各部門を持ち、100名〜1000名規模で組織的に設計を行う事務所のことです。
主に商業施設や公共施設の設計を行うことが多く、デザイン性よりも機能性・効率性・コスト面を重視した建物を作ります。
主要都市に支店や支社があり、中には海外に支社を持つ企業もあります。
代表的な組織系事務所には、「日建設計」「NTTファシリティーズ」「三菱地所設計」「日本設計」などがあります。
組織系設計事務所は総合的に設計を行うため、在職する設計士が多数いる会社が多いです。所謂大手事務所が多く、その分福利厚生の充実、給与所得が高いなどの利点があり、仕事以外の人生設計をしやすい傾向になります。
会社員の特性上、独創的な建築家の方には不向きで、個人プレーよりかは集団の中で自分を生かすことが出来る人に向きます。大型案件を請け負うことが多く、橋梁や公共案件、ビルの建造などを主として取り組みたい建築家の方には是非お勧めいたします。
設計事務所の3つの部門
設計事務所の中でも「意匠設計」「構造設計」「設備設計」の3つの部門があり、それぞれの設計事務所が強みとする部門が異なります。また、1つの部門に特化し、専門的に行う設計事務所もあります。
設計事務所の部門1:意匠設計
意匠設計では、建物の外観や内装(建築物の構造・外観・室内空間のデザインや間取り構成)のデザイン設計を行います。
外観的な顧客のニーズを引き出して、そのセンスを形へと導いていく事を意匠設計と言います。
意匠設計は設計の花形であるデザインをメインとします。もちろん、設備や構造に関する仕事をしないのかと言うとそういう訳ではありません。意匠はあくまで総合的な役割での設計者になります。
顧客との打ち合わせも多いので、社交的で人の要望をうまく引き出せる人は向いていると言えます。また、自由な発想かつ論理的な物事の考え方ができるなど柔軟な頭の使い方ができる人も向いていると言えるでしょう。
将来的にアトリエ系建築事務所の設立を目指す方や、そう言う事務所への転職を考える方にはお勧めになります。
設計事務所の部門2:構造設計
構造設計とは、建物の構造設計、構造計算、構造解析や耐震診断・補強設計を行い、地震や積雪などに強い建物の設計を行うことです。
数学や物理、構造力学を駆使して、構造柱からデザイン梁の一本までもを意匠設計と協力して設計を行っていきます。
構造設計を専門に行う事務所は、意匠設計事務所や建設会社、宮内庁から依頼を受け、構造計算業務を行います。
構造設計は設計部門でいう「縁の下の力持ち」というイメージです。社風としては一般的なオフィスに近いイメージです。
計算内容にミスがあると大変な事になってしまう為、やや几帳面で物理や数学が得意な方向きの職場になります。耐震偽造なども問題になった上、安全上大変責任感の高い仕事になるため、建築構造士や構造設計一級建築など新しい資格も誕生しています。
アトリエ系設計事務所に転職をお考えでも、安全を軸にしたデザインを考えられる力を得る事ができるので、どのようなタイプの建築設計士を目指す方にも勉強になると思います。
設計事務所の部門3:設備設計
設備設計とは、電気・空調・給排水設備などのインフラを設計することです。
エネルギーの効率性と、建物内の人が快適に過ごせる快適性を重視し、電気容量の計算や換気計算。その機器の選定を行います。
設備設計部門も構造設計部門に似た社風で、従来からよくあるオフィスをイメージしてください。ワイシャツというよりは作業着のようなものを着てデスクワークを行っている感じです。
経験としてはライフライン系の施工を行っていた職人さんからの転職でも良いでしょうし、スキルとしては電気工事士やボイラー管理技師の資格を持っていると業務内容にもすぐに生かす事ができます。
また、どの部門でも言えますがCADスキルは必須になります。基本となるJWやAuto。設備系だとT-fasなども使用します。みんなが快適でいる事を喜べるような方であれば、向いていると言えるでしょう。
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