大川章
オブリージュ株式会社/代表取締役
ベンチャー企業、外資系企業を中心としたサーチエージェントであるオブリージュ株式会社の代表。テクノブレーン株式会社、ジェイエイシージャパン(現ジェイエイシーリクルートメント)、オムロン系の人材会社等を経て現職。 千葉県在住。(オブリージュ株式会社HP: http://www.oblige-jpn.com/ )
(※本インタビューはZoomで実施し、写真撮影時のみマスクを外しています)
履歴書の書式
ー今回は履歴書の書き方について、各項目について順を追って書き方のポイントについて聞いていければと思います。
はい、よろしくお願いします。
ーまずはそれぞれの項目に入る前に、そもそもの書式についてなんですが、大川さんのところに相談に来られる方の履歴書ってパソコン・手書き、どっちで持ってくるんですか?
パソコンが多いですね。
ひと昔前だったら字に性格が出るからまずは手書きで書いてって感じだったけど、今はむしろ手書きの方が驚かれちゃいますよね。
仮に字がうまかったとしても、PCスキルがないんじゃないかって思われるかもしれないので、パソコンで書いた方が無難なんじゃないかって思いますね。
今だったら、もうアプリを使えばスマホひとつで簡単に作れるようになってるんですよね。学歴・職歴とか入れて、写真もアプリで撮っちゃうと勝手に作成してくれるんです。
ーそれって選考の時にマイナスにはならないんですか?
ちゃんとした形式で作成してくれるので、マイナスにはならないですね。
ー 知らなかったですが便利な世の中になってるんですね。
IT系への転職だとそれ知らないとリテラシーがないって判断される可能性はあるかもしれないですね。
ー なるほど、ありがとうございます。では、履歴書の具体的な書き方についてお話できればと思います。
履歴書の書き方
1.基本情報
ー履歴書の写真の服装とかってどうすべきなんですかね?IT系だとスーツだとちょっと引いちゃいますかね?
そうですね。IT・エンタメ系はカジュアルの方がいい気はしますね。
IT系だとほとんどの会社は普段着での勤務になっていますからね。
そういう普段の服装が見たいっていうのは人事の方にはあって、特には拘らない。むしろリクルートスーツの方が浮いてしまうっていうのはあるかもしれないですね。
一方で、銀行・証券、あと新卒はやはりスーツの方がいいのかもしれないですが。
なので、オフィスで働いている会社だったらスーツとかビジネスカジュアルとか、その会社の普段の服装に合わせた方がいいかもしれませんね。
2.学歴・職歴
ー 次は学歴ですが、ここってどこから書けばいいんですかね?
一般的に言えば高校以降の学歴を書くのが無難ですね。
ただ、周りの人事と話していると中学から書いてくれるのもいいなっていう意見もありました。
なんでかっていうと、どうやって育ってきたかが見えるんですよね。
最終学歴が大学の場合でも、人事の方々は、どういった意思決定をしてきたか、どんな環境で育ったのかを見ると言う意味で高校名はしっかり見ていたりするんですよね。
この子はずっと公立で勉強頑張ってきたんだなとか、高校、大学ってどうやってここまでたどり着いたの?っていうのがやっぱりわかる方が、その子の性格もなんとなく見えてくるっていうか。
ー なるほど。そういった部分がアピール出来る人もいるし、出来ない人もいるでしょうからケースバイケースで大学から書いておくというのもテクニック的にあるかもしれませんね。
転職希望者の立場で言うと、そういう考え方もあるかもしれないですね。
ー 職歴はどうやって書いたらいいんですかね?初めて転職する方だと書き方に困ると思うんですが。
何を書いていいのか分からないって方は履歴書のテンプレートを活用してみるっていうのも一つの手ですね。
今だと大手のエージェントとかって職種ごとの書き方とかめちゃくちゃ詳しく書いてありますからね。
もうその例文をちょっとカスタマイズするだけでいいレジュメできちゃうんですよね。だから、最近あんまり間違った書き方をしたレジュメって見たことないですね。
ー なるほど。職歴の部分はしっかりとテンプレート通りに記載するのが良いんですね。加点を目指すというよりは減点されない書き方をするというイメージでしょうか。
正直、そういうイメージですね。
今はほんとにレジュメを作りやすい時代になってきてますね。
3.賞罰
ー 賞罰はどうでしょうか?
賞罰は全国レベルでの表彰を受けたときに記載するなど、よほど優秀な賞をとった時にだけ記載するのが一般的ですね。
全社MVPだとかそういった表彰は職務経歴書で上手くアピールするイメージです。
4.志望動機
ー 志望動機はどういう対応したらいんでしょうか?
志望動機や趣味・特技は書いていない人もたまにいるんですが、書かないとマイナスポイントになる項目ですね。
何故かと言うと、志望動機が空欄だった場合は人事の人も『あ、この履歴書はどこかの会社に応募した時に提出した履歴書の使い回しなんだろうな』って視点で見るので。
ー 履歴書の日付が半年前の日付だったみたいなケースとちょっと似ているかもしれませんね。
そういうのもたしかにありますね。
周りの人事の方々と情報交換をしてると、
仮に志望動機が書いてなかったとしても、この人は会いたいっていうキャリアの人だったら会うとは言ってましたが、このあたりはイレギュラーな話だとは思うので、やはりしっかりと記載しておくべきだと思います。
そして、内容もどこにでも使える内容ではなく、御社のこういうところに共感したとか、しっかりとした内容を書かないといけないと思いますね。
例えばですが、『御社の経営理念に共感したからです。』とだけ書かれていたら、これはどこの会社でもこの内容で提出している使い回しだなと一瞬でわかりますからね。
ー やはり一社毎に考えないといけないんですね。
はい、ちゃんとカスタマイズしないとダメですね。
転職活動していると、それをするのも大変ではあると思うんですが、人事の方など採用に携わっている方が必ず目を通す部分ですから大事なことです。
自分がどういった理由でこの会社に行きたいのかを書かないと、書類選考の時点で落ちてしまう可能性が高くなります。
転職は自分の人生が大きく変わるイベントなので、そういった一個一個のことを全力で取り組んだ方がいいと思います。
ー 具体的にはどういう内容にしたらいいでしょうか?
受ける会社や職種によってかなり違うので、なんとも言い難いですね。
例えば、営業という職種であれば、営業をやりたいという意思表示や、「こういった数字取れます」みたいな、やる気をアピールするのが良いかもしれないでしょうし。
ー 私も以前、営業という職種は数字を取ってくる仕事だから、書面でもアピールをしてくるくらいの積極性がないといけないと言う話を聞きました。
はい、志望動機をしっかり書いていると、この人は営業がやりたいんだなという熱意は伝わります。
どの職種にせよ、志望動機にこの職種をやりたいと記載するのは、無難ではありますが、やる気は伝わるので有効だと思います。
あとは、
『企業理念の中のこの部分に共感しました』
だとか、
『提供しているサービスが好き』
という内容もいいと思います。
ー 確かに面接官もそう言ってもらって悪い気もしないでしょうね。
企業理念になぜ共感したのか、サービスを使ってみてどう思ったか、というところまで言及できると良いと思います。
ー その辺を知らない状態だったら、なんで受けたの?って思われますよね。
企業向けのサービスだと、実際に使うことが出来ないこともあると思うんですが、サービス・プロダクトに対するコンセプトへの共感もあるでしょうし、そのあたりを記載すると良いと思います。
入社した後もプロダクト愛って重要ですからね。
そういった意味では転職のテクニックというだけではなく、自分が心からそう思えるサービス・プロダクトを提供している会社を受けるのが良いのかなと思います。
5.本人希望欄
ー 本人希望欄はどういうことを書く欄なんでしょうか?何を記載したらいいのか分からない人も結構多いと思いますが。
ここの項目は「貴社の規定に従います」というよく使われる定型文があるので、それを使うのが良いと思います。
あと、あくまでも私の考え方で言うと、基本的に家庭の事情を書くべき項目と思います。
子どもがいるので、介護があるので、この時間帯までに帰らなきゃいけないといった内容です。
ー 希望年収を書いている転職希望者もいるようですが、どう思いますか。
年収はあえてここで書く必要はないと僕は思いますね。
書類選考の時点で可能性を狭める必要はないと思いますし。
ただ、絶対に譲れないことがあるなら書くべきかな。
面接が進んで、最後の最後でそこについて話をしてダメだったとなると、お互い時間かけたのに、、、ってなっちゃうので。
そこに使うパワーを他の会社の応募だとか、面接に注いだ方がいいです。
ー 転職活動していると、仕事終わりに面接を一つ受けるだけでもすごくパワーが必要ですもんね…。
ー 今日は初歩的な部分も含めて、色々と話を聞けて参考になりました。ありがとうございます!
いえいえ、みなさんが履歴書を書くときの参考になれば嬉しいです!
オブリージュの取組みについては下記URLをご確認ください
ホームページ URL:http://www.oblige-jpn.com/