- 未経験から製造業に転職したい
- 製造業の転職先やキャリアパスについて知りたい
と思っていませんか？
この記事では、製造や機械エンジニアの人材派遣に携わった経験を持つキャリアコンサルタントの筆者が、未経験から製造業に転職できるのか、製造業に転職するメリット、転職先やキャリアパスについて解説します。
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未経験から製造業に転職は難しい？
未経験から製造業への転職は可能です。
教育体制や先輩からの指導がありますので、未経験でも挑戦できると思います。また、製造業の生産工程はマニュアル化されているため、自分の工夫次第で作業効率も上げられます。そのため、経験や資格がなくても転職することができます。
シンプルな作業工程であればスキルがなくても問題ありません。危険を伴う機械操作や判断が必要な作業の場合は、習得できる年齢層を考えると40代までのところが多く、50代まで応募できる企業もあります。
求人票には要件を満たさないと年齢は記載できないため、「40代活躍中」などのコメントがあれば、その年代までは応募可能だと捉えてください。
軽作業も多く、シフトで時間調整しながら働けるので、体力に自信がある方や働き方を優先したい方に向いています。
資格においては、入社後に取得制度を設けている企業もあり、事前に取得しなくても良いと思います。業務上必要な資格を取得していき、資格手当て等で収入アップも期待できます。
未経験から転職が難しい製造業の職種
未経験から転職が難しい製造業の職種1：研究開発
研究開発職は未経験からは転職することは難しい職種です。
製造業の研究開発はメーカーで行われるため、理工系大学卒で工学の知識があることが前提です。
採用枠は少なく、倍率も高いことが特徴的です。大学院卒を積極的に採用する傾向があり、実績があれば企業により大卒も採用する場合があります。
未経験から転職が難しい製造業の職種2：制御設計
制御設計は、様々な製品が効率的かつ安全に制御するための設計を行うため、様々な分野で活躍が期待できます。
大学や専門学校で制御工学や機械・電気工学の学科を選択していることが前提であり、プログラミングを鍛えるという部分で基本情報処理試験を受ける方もいます。
また、製図をする場面もあるためCAD操作も必要なため、CADの操作経験がある事が望ましいとされています。
未経験から転職が難しい製造業の職種3：機械設計
機械設計は、大きく「構造設計」と「機構設計」の2つに分けられ、構造・基本・詳細・生産と段階を踏んで設計を粉います。
機械設計には製品製造に関わる力学に対する知識が必要なため、一般的には理工系大学や専門学校卒の方が挑戦します。
また、図面作成もあるためCADスキルが必要となり、操作経験が求められます。
未経験から転職が難しい製造業の職種4：生産技術
生産技術は、製品づくりにおいて、量産する部署での業務です。生産ラインの管理や設計を行うため、理系の大学卒の方を採用する傾向があります。
大手は大卒を条件とするところが多いですが、企業によっては高卒で製造業務を経験し、キャリアアップとして採用する場合もあります。
転職先はメーカーであり、未経験では挑戦は難しいとされています。そのため、経験を積むために製造職から取り組むか、図面を読むことができ、機械整備や電気に関わる資格があると挑戦できるかもしれません。
未経験から転職しやすい製造業の職種
未経験から転職しやすい製造業の職種1：製造
製品の組み立て・研磨・溶接・塗装・梱包（こんぽう）など、製造の仕事は未経験から挑戦しやすい職種です。
正確に業務をこなす集中力がある方や繰り返し作業が苦にならない方におすすめです。
未経験から転職しやすい製造業の職種2：品質保証・品質管理
品質保証・品質管理は、製品が完成するまでの間に品質の確認・改善を行い、製造工程に関する幅広い知識が必要となります。そのため業界によって学歴の指定があります。
例えば、モノづくりとして機械や電気分野は学歴不問や未経験でも募集を行っています。ISO9001に関する品質文書の管理経験や仕様書通りに出来上がっているかを確認する経験を積むと良いと思います。
一方で、化学や食品等の応用科学の知識が必要な場合は、大学卒以上となることがあります。
未経験から転職しやすい製造業の職種3：生産管理
生産管理は、経営計画や販売企画に基づいて生産活動を計画する役割です。企業によっては品質管理を担っている場合もあります。
生産管理の仕事に就くために必要な資格はなく、未経験でも挑戦可能と伝えている求人もありますが、高校でも工業・商業高校出身や大学卒の方が多いとされています。
工程や原価・在庫の管理から出荷まで行い、企業により業務範囲が異なります。品質・コスト・納期を責務として経験を重ね各業界メーカーで転職を叶えていきます。
未経験から転職しやすい製造業の職種4：セールスエンジニア
セールスエンジニアは、技術的な側面から営業としてサポートを行います。システムの提案や販売を担当するため、専門知識があると良いとされており、工学系の学びを行っていれば応募は可能です。
高卒でも工業高校や専門学校でも良いとされていますが、大手企業であれば、大学卒以上を条件としている場合があります。
転職では、モノづくり業界の営業経験であれば挑戦することは可能ですが、異なる業界の営業経験の方は通過が難しい可能性があります。
未経験から転職しやすい製造業の職種5：サービスエンジニア
サービスエンジニアは、機械や電気の設備・機器の保守管理メンテナンスを行うため、機械や電気関係の知識があれば学歴不問でも挑戦できます。
学歴では工業高校や専門学校であれば問題なく、電気工事士資格の取得を目指してもよいと思います。
未経験から転職しやすい製造業の職種6：回路設計
回路設計は、電子回路や電磁気学の知識が必要でありますが、専門学校や大学で学んでいる基礎知識があれば未経験でも応募することができます。もしくは、CAD利用技術者や基本情報技術者試験などの資格があれば応募可能です。
電気系の回路であれば電気工事士等を取得しておくだけでも実務に関わることができます。
回路設計の転職先は主にメーカーであり、電子であればデジタル回路やアナログ回路双方の経験ができると良いとされています。
未経験から製造業に転職するコツ
未経験から製造業に転職するコツ1：業務の適性をアピールする
製造業は、モノづくりに対する興味や想いがある方が継続できる傾向です。
今手がけている製品や部品がどの顧客先に納品され、その先にいるエンドユーザーがどう活用するのかを想像することでやりがいや達成感が生まれます。ただお金を稼ぐだけという意識では、長く勤めることはできない業界です。
単純作業でも集中して取り組むことができることを伝え、将来的に生産管理など管理業務を目指したい方は、分析力や広い視野で物事を考えられる強みをアピールします。
未経験から製造業に転職するコツ2：教育体制を確認する
求人に未経験可と記載がある場合、教育体制や研修があるかを確認します。
例えば、「入社後は２ヶ月研修センターで研修後、現場で先輩から指導あり」というコメントがあれば、どこでどのくらい研修して現場に出られるのかがわかります。
「先輩がいるから安心」「丁寧に教えてくれます」のような安心感だけのコメントは、具体性がありません。
転職エージェントや派遣会社は担当者にどのような教育体制かを確認すれば良いですが、直接応募の場合は面接などに進んだ段階で自分から確認していきましょう。
未経験から製造業に転職するコツ3：自分の経歴との共通点を伝える
様々な業界から未経験で製造業に挑戦しています。製造業はモノづくりであるため、自分のモノづくりに対する経験があれば、そこから得られたことや強みを伝えていきます。
人やサービスに関わってこられた方は、集中力を活かせた経験やチームで連携してきた経験など製造業に共通しそうなエピソードを伝えると良いと思います。
本来自分が得意としている事が製造業に活かせる場合は面接でしっかりアピールしてください。
未経験から製造業に転職する3つのメリット
未経験から製造業に転職するメリット1：学歴・経験重視ではない
製造業は経験がなくても挑戦できます。応募条件も学歴・経験を不問にしている企業も多く、マニュアル化されているため、挑戦しやすい業務です。
特別なスキルや資格は必要ないため、安定して働くことができ、スキルや知識は入社してからも十分みにつけられます。
流れ作業においては、正確にミスがなく地道に業務に取り組むことができる人材かどうかを重視しています。入社試験では手先の器用さをチェックして採用基準にする企業もあります。
未経験から製造業に転職するメリット2：人手不足を補うIT導入で働き方が変わる
ものづくりに関わる製造業は、自分が関わった商品が消費者の手に渡ることがやりがいになります。
しかし、人手不足・継承者不足の問題が今後の製造業に多く影響していることは事実です。
その為、IT技術を導入することで業務過多が緩和され、働き方にも変化がでてきています。
残業や深夜勤務は単価も上がるので緩和される分、収入に影響がある一面もありますが、安心して業務に取り組める点ではIT技術の導入はメリットがあります。
未経験から製造業に転職するメリット3：資格を取得して収入UPできる
製造業の場合、事前に資格を取得しなくても会社の資格取得制度を活用できる場合があります。資格手当が出て収入UPになるため、積極的に取得していきましょう。
業務によっては資格がないと機器の操作ができなかったり、知識が必要となりますので、仕事をする上での安心感にもつながります。
また、資格を持っていることで、周囲から頼られたり業務を任せてもらえますので、今後のキャリアパスにも関係してくるかもしれません。
業無上必要だと思える資格は積極的に取得し、収入UPに繋げていきましょう。
製造業に向いている人の3つの特徴
製造業に向いている人の特徴1：計画性と自己管理力がある
製造業は「考える」研究開発・「作る」設計・量産する「生産」・販売する「営業」の流れでお客様に製品が届きます。
それぞれの職種がスケジュールに基づいて業務を行います。そのため、計画を立てて物事に取り組み、状況に左右されずに自分をマネジメントできる自己管理力がある方が向いています。
製造業は常に安全操業を意識しながら、ユーザーのニーズに答えられるよう計画的に業務にとりくみます。
製造業に向いている人の特徴2：正確さ
日々の安定的な製品製造において、生産フェーズはユーザーの最終的な満足度につながります。
気温や温度など、わずかな条件変化で完成品に影響が生じますので、もっとも製品に近い場所で最終調整を行います。
その際に力を発揮できるのが、正確さを強みにしている方です。品質に対する高い意識を持ち、細部まで目を配り完遂することができます。
正確さを活かして業務を行い、徹底した確認を怠らずミスがおきないよう注意していける方が活躍できると言えます。
製造業に向いている人の特徴3：協働性を大切にしている
情報や知識を率先して周囲と共有でき、組織の一員として成果を共に追求できる事を協働性といいます。
製造業では各職種の情報共有は勿論、製品製作のために連携していきます。そのため、協働性を大切にしている方は特に向いていると思います。
人と関わる事が好きだったり、単純作業が苦手な人はどちらかというと、製造業で働く事は向いていません。製品製作のためにひたむきに業務にとりくみ、周囲と協力できる力を活かしてものづくりに携わってください。
製造業の転職先の種類
製造業の転職先の種類1：自動車・自動車部品メーカー
世界でEV化が加速し、日本各社もEV車開発を急いでいます。
二輪・四輪・大型車両にそれぞれ強みがある企業に別れ、海外を含めた自動車メーカーの中で一部の技術を提供し、OEM※で他社製品を製造する取り組みをしています。※他社ブランドの製品を製造すること
部品はEV専用部品の開発に向けて各社が製作を急いでいます。製造の転職市場においては、製作に携わった経験を同業界か鉄道・航空機等の乗り物業界で活かす方も多いです。
製造業の転職先の種類2：機械・工作機械メーカー
機械メーカーは建設機械を中心に好調です。AIや５Gを活用させた開発にも力をいれています。
工作機械メーカーは工場全体の効率を見据えた自動化技術を加速しています。製造業の転職先として、機械は重工・建設・汎用機・工具等、工作機械は総合・旋盤・マシニング・板金等があります。
自動化に必要なロボット工学の知識がある方や、海外での勤務を目指している方におすすめです。
製造業の転職先の種類3：電子部品・半導体メーカー
世界的な半導体不足に直面し、日米が次世代半導体を共同研究しています。
一方、半導体製造装置や電子部品においては高い世界シェアを誇っています。
製造業の転職先としては半導体は外資系や総合電機のデバイス部門、製造装置以外はウエハやテスト等に強みのある企業があります。
電子部品は、専門メーカー・電機メーカーの電子部門、基盤・コネクタ・コンデンサ等があります。BtoB企業、今後世界的に出荷が期待される環境で働きたい方におすすめです。
製造業の転職先の種類4：化学メーカー
私たちは化学製品に囲まれて暮らしています。エチレンプラントが中核設備であり、エチレン生産が好調です。
プラントは熱分解工程と分離精製工程で構成され、多彩な有機化合物の工場が存在します。
転職先は大手総合化学メーカー・石油会社・ガス・香料・インキ・農薬・医療等と幅広いです。
継続的に長く研究開発していくため、粘り強く取り組める方におすすめです。応募条件に理系出身を求める企業もあります。
製造業の転職先の種類5：食品メーカー
世界的な小麦の高騰で安定的な確保が課題となっています。消費者の健康志向とコロナ禍の影響により代替食品の選択や、新たな市長も形成されています。
転職先としては、製粉・小麦・製パン・製菓・製糖・乳製品・調味料・製油・冷凍食品・食肉・水産と幅広いです。
食に興味があり、生活に必要不可欠な製品に携わりたい方におすすめです。
製造業の転職先の種類6：医薬品・化粧品メーカー
医薬品は新型コロナ治療薬・ワクチン承認もすすみ、新技術開発の競争が進んでいます。いまだに有効な治療法がない疾患のニーズに対し課題も多いです。
化粧品もコロナの影響によりメイク需要が減った為、DXを積極的に取り入れた商品開発を行っています。
転職先は専門メーカー・トイレタリー・サニタリー・通信販売等になります。
材料系の知識を活かしたい、課題解決力を発揮したい方におすすめです。
製造業の職種8選と仕事内容
製造業の職種1：研究・開発
研究はゼロから生み出す地道な仕事です。案件により数年から１０年単位になることもあります。
一般的に「基礎研究」「応用研究」に分けられ、基礎は新しい知的資産を発見する仕事であり、応用は問題を解決する仕事です。
開発は技術を実用化するために、検証・テスト・既存製品の改良・マーケティングを行います。
製造業の職種2：設計
設計や製図を行います。実際に手を動かして、機構内部のレイアウトや部品選定を行うこともあります。
構想設計では具体的に製品の構造や仕様を決めていきます。基本設計では、具体的な設計図を描き、詳細設計では設計図を製造できるレベルまで描いていきます。
設計図の作成にはCADを操作できるスキルが必要です。
製造業の職種3：生産技術
量産を支える職種であり、業務範囲は広く企業によって差があります。
金型から製造装置の導入・工場全体のレイアウトなどの環境設備やスタッフ管理まで行います。より効果的な生産体制・生産方法を追求し、生産現場全体をみて課題と解決策を円筒していきます。
製造業務のキャリアパスとして目指す方も多くいらっしゃいます。
製造業の職種4：生産管理
生産管理とは、企業の経営計画や販売計画に基づいて生産活動を計画する業務です。生産は必要なぶんだけ生産するために作業を見通して管理します。
そのため、材料の調達や生産工程管理・原価管理・在庫管理を行います。
企業によっては生産部門として製造業務や調達業務に集約されている場合もあります。
製造業の職種5：製造
製造は、製品を造る役割を担います。同じ製品を同じ手順で製造し、気温などわずかな条件で変化する事にも最終調整します。
企業によってはライン業務や生産技術業務のような様々な働き方があります。鍛造・旋盤・研磨・組立・塗装・クレーン・検査・梱包等、業務内容はメーカーや業務配置によって異なります。
製品の定期分析や顧客からの指摘・検査等で品質管理職とやりとりも生じます。
製造業の職種6：購買調達
材料や部品・資材などは製造を行うには必要不可欠です。購買調達職は必要なモノの選定と入手・支払いを担います。生産に用いる標準品や市販品を選定して購入します。
また、新たなサプライヤーを検討したり、諸条件を交渉する役割も担っています。
会社によっては「購買」「資材」と呼ぶ場合もあります。
製造業の職種7：品質管理・品質保証
製品の品質を規定レベル以上に保つための責務を担っています。
品質管理では、メーカー視点で製造時に生じる不良を分析・解析し、不具合があれば製造工程の見直しや改善を行います。
品質保証はユーザー視点で、品質が保たれている根拠となるデータを集めて不具合があった場合はその原因となる部門にフィードバックします。そのため、販売部門につなぐ重要な役目です。
製造業の職種8：技術営業・フィールドエンジニア
技術を軸に自社と顧客先をつなぐ役割が技術営業です。技術者出身で製品について理解がある方が担当している企業も多いです。
フィールドエンジニアは、自社製品が正常に稼働するためのメンテナンスや技術的なサポート・コンサルティングを行う場合もあります。
販売部門において、技術営業は技術的な見地からの顧客先開拓・訪問、フィールドエンジニアは製品の納品・稼働・メンテナンスを行うと認識しておきましょう。
製造業の3つのキャリアパス
製造業のキャリアパス1：ライン業務から生産技術職
製造業でも一般企業と同じキャリアパスがあります。一般従業員で経験を積み、班のリーダー・主任・係長・課長とステップを踏み、チャンスがあれば工場長のポジションも目指せます。
物を量産する製造業務のなかで、ライン業務から生産技術職へのキャリアアップはしやすく、生産性を高めるための対応や、管理を行っていきます。ラインでの経験を活かすことができ、課題解決で力を発揮できます。
製造業務の中には、派遣やアルバイト・契約社員等の非正規雇用で働いている方も多く、生産技術職は正規雇用の場合が多いです。
新卒や経験者採用で雇用され、収入アップも望めますので、生産のために人や業務に対するマネジメント力がつき今後のキャリアパスも期待できます。
製造業のキャリアパス2：専門性を高める
一方、スペシャリスト軸として専門性を突き詰め、匠として活躍していく道もあります。極めた技術力を評価され、任せていただける業務も増え、雇用される価値を自ら高めていきます。
その為、必要な知識を積極的に学ぶ事や、任せていただける信頼関係を周囲と構築していく事がとても大切です。
製造業のキャリアパス3：他職種にチャレンジする
キャリアパスとして他職種にチェンジして活躍する選択肢もあります。
製造業界経験者として業務の流れを理解している事をアピールし、品質企画や検査など関連性のある職種に挑戦できるかもしれません。
ポジション・雇用形態・収入UPも望める可能性があるので是非挑戦してみてください。
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