アセットマネジメント業界での経験を持つコンサルタントが在籍するタイグロンパートナーズ。証券会社、アセットマネジメント会社で約30年の経験を持つ本田淳一さんに業界経験者による転職支援の強みや転職を考える上で大切なことについてお伺いしました。
本田 淳一
タイグロンパートナーズ株式会社 シニアコンサルタント
日系証券会社のロンドン、香港拠点にて機関投資家向け日本株営業担当及び営業部長として計10年間の海外勤務後、メリルリンチ日本証券(現:BofA証券)にて機関投資家向け外国株式営業部門のヘッド、バークレイズ・グローバル・インベスターズ(現:ブラックロック・ジャパン)にてETF事業部営業部長、ETFセキュリティーズ・ジャパン(現:ウイズダムツリー)で社長兼日本代表、UBS証券・UBSアセットマネジメントにて、運用ソリューション本部長兼商品部長などを歴任後、大学教授としてベンチャービジネス論などの教鞭をとる。金融経済学修士(ロンドン大学)タイグロンパートナーズでは、アセットマネジメント、グローバルマーケッツの転職支援を担当。
業界経験者によるリアルな情報を提供
ー本田様の経歴を拝見しましたが、日系と外資系の証券会社、アセットマネジメント会社での経験をされているそうですね。
はい。証券会社とアセットマネジメント会社で合わせて約30年程の勤務経験があります。また、日本と海外での業務経験および日系と外資系企業の両方で業務を経験しました。
職種は、営業、マーケティング、プロダクト等の業務に従事していました。
証券会社時代には日本株、アメリカ株、ヨーロッパ株、アジア株、新興市場株等一通りグローバル株式市場をカバーしていました。また、平行して、世界中の機関投資家や富裕層等とビジネスをさせていただきましたので多種多様な投資戦略に触れるとともに、ビジネスパートナーの皆様との人的交流も深めることができたと思います。アセットマネジメント会社では、ETFを中心に株式をはじめ、債券、コモディティなどのアセットクラスもカバーすることができましたのでグローバルベースでの投資マネーの動きも俯瞰できるようになりましたね。
ー海外のご経験もあるとのことですが、国によってはどういった違いがあるのでしょうか。
そうですね。国によって母国語や商習慣そして法規制等も違いますが、投資市場参加者のバックグランドも多種多様ですので、日本ではできないことも体験できたと思います。
例えば、英国で勤務していた時、ビジネスランチでも普通にビールやワイン等を飲みますので、お酒に強い英国人と比べて弱かった私は酔っぱらってしまって午後はまったく仕事にならなかったことが多々ありました。当時はそれでもビジネスランチのお礼的な意味も込めて直後に株式の売買注文をたくさん頂きましたのでいい時代だったと思います。
―海外のビジネス状況についても詳しいのですね。転職支援においては、ご経験がどういう風に活かされていますか?
まず、弊社の特徴として多くの外資系企業様からご愛顧いただいておりますが、人事担当者や採用責任者の皆様も色々な国の出身者が多くいらっしゃいますので、英語でのコミュニケーションはもとより、異文化コミュニケーション能力が採用企業様との連携に活かされ、求職者の皆様に対して多くのグローバル企業案件のご提供や転職支援につながっていると思います。
2つ目は、業界の生の情報が得られることに繋がっています。
私の知人や友人、私がアセットマネジメント業界で働いていた時の同僚や後輩の多くが、今も外資系のアセットマネジメント会社で活躍されており、彼らから最新の業界情報や求められる人物像、事業戦略や経営戦略、ビジネス環境の変化、規制の変更などを直接聞くことができます。また、そのつながりから求人依頼や紹介等を受けることがあります。
ー本田様自身の経験だけでなく、今もアセットマネジメント業界で働いている方から得られる情報からもアドバイスができるのですね。
はい、その通りです。
さらに、弊社では、私に限らず金融業界かつ海外でのビジネス経験者が多いので、アセットマネジメント業界のみならず、銀行、証券、保険会社などの業務内容を理解していることが強みです。
求人情報には、業界の経験がないと正確に理解できない部分もありますし、例えば、証券会社からアセットマネジメント会社に転職をされる場合にも支援体制が整っています。
また、外資系アセットマネジメント会社の求人情報や職務内容について日本の企業ではなじみのない表現で書かれているケースもあります。
私は、業界経験者ですので、私自身が関わったことがある業務内容についてはもちろんのこと、関わっていない業務内容でも、別の部署の業務は間接的に知っていますし、少なくともイメージできる場合が多いですね。
また、実際の業務内容の裏側も知っている場合には、少しでもギャップが小さくなるように、より現実的な業務内容を候補者の皆様に伝えることができるのは強みだと思います。
ーアセットマネジメント業界で働いていたからこそ、よりリアルな情報を伝えることができるのですね。
はい、その通りです。
ーアセットマネジメント業界の企業分析は、どのようにしたらいいでしょうか。
そうですね。どこまで深く分析するかは、ケースバイケースになると思いますが、基本的な分析という意味で申し上げますと、
まずは、日本投資顧問業協会や日本投資信託協会という協会のホームページを見ることをお勧めしたいですね。そこに、各アセットマネジメント会社が会社情報に関する資料を提出しています。
これらを見ると、どんな会社があり、どんな組織になっているかが分かります。特に、複数の会社を比較したい時などは便利です。また、各アセットマネジメント会社のホームページを見ると、組織図やIRレポート、プロダクト情報等も最近は充実していますので、ホームページで情報収集するのも良いでしょう。
ー企業分析の場面では、タイグロンパートナーズに相談することでどういった情報を得られるのでしょうか。
我々は実際に働いている人たちを知っている場合が多いので、例えば、選考を受ける会社の採用責任者の方のご経歴や人物についてなど、差し支えのない範囲にはなりますが候補者の方にお伝えしアドバイスできる場合も多いと思います。
また、アセットマネネジメント業界は狭い社会ですので、業界内で情報がタイムリーに飛び交っています。我々もそれらの情報には普段からアンテナを張っていますので、こちらも差し支えない範囲にはなりますが候補者の方にお伝えし、アドバイスすることができる場合もあると思います。
ーそういった情報はネット上では得られないので、価値がありますね。
はい、その通りです。
転職の前にまず考えるべきこととは?
ーアセットマネジメント業界への転職を考えている方に、本田様が普段から伝えていることはどんなことがありますか。
転職は、人生の大きな転機であり重要なイベントですので、比較的まだ社会人としての経験が浅いアセットマネジメント業界の経験者で、他のアセットマネジメント会社に転職したいという方や、日系から外資系のアセットマネジメント会社に初めて転職したいという方に、最初に私がお伝えしているのは、転職活動をする前にざっくりでもいいのでご自身のキャリアプランを考えてくださいということです。
例えば5年後、10年後、20年後の理想とする自分の姿をイメージしてくださいと。
どういうお仕事をしているか、どういうポジションにいるか、あるいは年収はどれくらいか、そして家族構成なども含めて、まず将来のご自身の理想像をイメージしてくださいと。
そして、その理想とする将来の自分の姿と今の自分を比べて自己分析してもらうと、そこに大きなギャップが見えてくるはずです。例えば、経験だったり、知識だったり、あるいは資格かもしれません。
そして将来のご自身の理想像と現状とのギャップを見極めた上で、現在の会社で働き続けることでその理想とする自分に近づけるのか、あるいは近づけないか、とざっくりでもいいので分析し、判断することが必要だと考えています。そこで、もし現職では、できないという結論がでたのであれば、そこで初めて外を見るということを考えてくださいという話をしていますね。
そうしないと、ある程度の専門性を培う前に安易に転職を繰り返して転職回数が多くなると、ジョブホッパー的な見方をされてしまい、年齢を重ねていくと、だんだんご自身がやりたい業務や所属したい企業に転職できなくなってしまう可能性が非常に高まります。したがって、そうならないように、まずはご自身でしっかりキャリアプランを考えていただくように伝えています。
若い時はなかなか明確なプランを立てられないという方が多いのですが、ある程度の方向性だけでも決めて、自分の目標とする自分に近づくためには、どういう会社で、どんな仕事をすべきか、どういう経験や資格が必要かをしっかり考えた上で、転職活動をするようにアドバイスしています。
それから、証券会社や銀行、あるいはコンサルティング会社など他の業界からアセットマネジメント会社に転職したい方には、なぜアセットマネジメント会社に行きたいのかを明確にしてくださいと伝えています。
これまで経験してきた業務内容と、アセットマネジメント会社での業務内容は似ている部分もありますが異なる部分も多いと思いますので、その辺を明確にしてもらうように伝えていますね。
―キャリアプランについてあまりイメージできない方も多いと思うのですが、何かヒントになるような情報やアドバイスも行っているのでしょうか。
私自身のキャリアに加え、キャリアのモデルケースになるような方々を身近で見ることができますので、彼らのキャリア形成で培ったノウハウ的なものを多少なりとも共有することができています。
アセットマネジメント会社の場合、業務内容を大きく分けると、フロント、ミドル、バックに分かれますが、その中でどういったキャリアの方向性や可能性があるのかを伝えられると思います。
例えば、ミドル・バックの経験からポートフォリオ・マネージャーになられたり、ファンド・マネージャーから機関投資家営業になられたり、実際に多様なキャリア形成の実例が身近にありますので、候補者の方の疑問や質問にもかなりお答えできると思いますし、現実的なアドバイスもできると思います。
―どんな選択肢があるのか、ロールモデルを教えてもらえることで、何となく方向性が見えてきそうですね。
そうですね。皆さん具体的な実例には高い関心があると思います。
ー最後に、アセトマネジメント業界で転職を考えている方にメッセージをお願いします。
はい。
今、日本では、アセットマネジメント業界の役割がこれまでにも増して重要になってくる時代に突入しました。その背景の1つに、日本政府の方針で注目されている資産運用立国実現プランがあります。
これは、資産運用業・アセットオーナーシップ改革の分野で進展が期待されています。詳細は省かせていただきますが、この新潮流の中で、アセットマネジメント業界の役割がより重要になるとともに運用の高度化等更なる進化が求められています。
これに伴い、アセットマネジメント業界や関連業界に渡る人材の適材適所が非常に重要な課題になってきていると考えています。この適材適所をよりスムーズかつ効率的に実現させていく役割を我々は担っていると考えています。
従いまして、これからも力強く成長が期待できるアセットマネジメント業界でのキャリア形成をお考えの皆様、是非一度弊社にご相談ください。皆様ご自身が日本の資産運用ビジネス業界のさらなる飛躍に貢献できる環境が整いつつあります。
これからのアセットマネジメント業界の未来像と5年後、10年後の理想のご自身の姿を描き、そして重ね合わせ、これからどんなキャリアパスを進むべきなのか意見交換も含めてお話ができると嬉しいです。ご連絡をお待ちしております。
ー業界経験やコネクションを活かして、候補者に現実的な情報を共有していることや、候補者の長期的なキャリアを大切にして支援されていることが伝わりました。ありがとうございました。
こちらこそ、ありがとうございました。
タイグロンパートナーズへのご相談はこちら!