この記事は
- 建築設備士の仕事内容を知りたい
- 建築設備士に向いている人はどんな人か知りたい
以上のような方に向けて、建築設備士の筆者が、建築設備士の仕事内容や勤務先、向いている人の特徴について解説します。建築設備士の仕事に興味のある方は是非参考にしてみてください。
一本槍 満滋
総合建築を行う会社で電気設備・空調設備に関する設計、施工を10年以上担当。その後、公共事業などを多く担当する会社に転職。監理技術者として電気設備における施工管理業務を行う。現在は個人事業主として独立し、電気・空調設備の設計をメイン業務に、工事受注、店舗等の省電力化を図るコンサルタントなども行なっている。また、専門的な見解を踏まえた建築・電気設備に関するライター活動なども行なっている。保有資格:電気工事士2種、電験3種、電気工事施工管理技士1級、建築設備士、建築士2級
建築設備士とは
建築設備士は電気、空調、給排水等の建築構造物における設備の設計及び工事監理を行う目的で、昭和58年に作られた資格になります。
ビルやマンションなど大型構造物の設備工事は複雑で、配管や配線の経路を設計段階で予め決めておかなくてはなりません。
その際に担当建築士と共にダクトの位置や、風量計算、換気計画、各種容量計算等を行い、構造物の安全性、利便性を確保する目的で仕事を行うのが、建築設備士になります。
建築設備士の仕事内容
建築設備士の主な仕事内容は設備設計・工事監理における部分で、建築士への助言、提案になります。目に見える部分ではありませんが、建物の壁や天井内部には複雑に配線や配管が複雑に各部屋や外部へ配置されています。
それらが互いに邪魔をせず、効率よく働き、私生活に影響を与える事のないように設計するのが建築設備士の仕事になります。
またビル管理会社などに勤務する建築設備士であればメンテナンス等の保全業務を請け負う事も仕事になります。
建築設備士になるには
建築設備士になるためには電気や機械に関する高校や大学の出身者であっても、実務経験を必要とします。試験合格率は15%から20%と、建築系の資格としては難関資格の一つに挙げられます。
そのため、これから建築設備士を目指すのであれば、設備系の仕事に着きながら、その基本内容を現場で学びつつ、実践を踏まえた上での製図や、知識の向上を行なえると合格率向上につながっていきます。
一朝一夕では取得できませんが、それだけにやりがいのある仕事になります。
建築設備士に向いている人の特徴
建築設備士に向いている人1:人を喜ばせる事が好き
建造物が完成し、その建物を使用する人が大勢いたり、笑顔で会話する姿を見ると、大変な思いをしてやりきったことを誇らしく思う事ができます。建築設備士の仕事は人の生活に直結するお仕事になります。
また自分の知識や経験を用いて、一級建築士の悩みを解決できたり、新工法が認められた時は格別なる喜びに繋がります。
建築設備士に向いている人2:DIYや機械の構造を考えるのが好き
ホームセンターの工具を眺めたり、自分の部屋の改造を楽しむ事ができる人は建築設備士に向いているといえます。
建築設備は複合的で細かいパーツとパーツから成り立つ様な機械的な部分を設計する仕事です。
機械や配管等に異常が発生した際は自らも施工業者と共にその原因究明や、対策内容を考えなくてはなりません。
日頃から物の構造に感心したり、自分で好きなものを自分自身で作ることに挑戦したりできる人は建築設備士の適性を持っています。
建築設備士に向いている人3:コミュニケーション能力が高い人
建築設備士はクライアント、建築士、各工事業者の間で設備設計の補助や管理をしなくてはならない仕事です。それぞれの人の緩衝を防いで、現場内における揉め事にならない様に努めて行かなくてはなりません。
また電気工事業者、水道工事業者、空調工事業者など様々な業者の工事の兼ね合いを図り、工事場所に干渉がない様に考慮したり、お互いの要望を聞きながら工事を進めて行かなくてはなりません。
コミュニケーション能力が高い人であれば、それを基礎に様々な問題を解決していける事でしょう。
建築設備士の勤務先
建築設備士の勤務先1:建築事務所
建築設備士の資格を取得すると、建築士の資格を取得するための受験資格を得る事ができます。
そのため、建築設備士として働きながら、一級建築士などの資格を取得する事ができれば、さらなるキャリアアップを図る事ができます。
また、これら建築系上級資格を取得するということは転職にも幅ができ、金額の交渉力にもつながっていきそうですね。
設備設計のプロを仕事にしている人が建造物の設計にも携わるのですから、快適で、過ごしやすい建造物になりそうですね。
建築設備士の勤務先2:ゼネコンやサブコン等建設会社
建築設備士の主な転職先はサブコンやゼネコンなどの大きな建設会社になります。小さな建築事務所や建設会社では建築士の応募はあっても、建築設備士の応募は中々お見かけしません。
しかし、ゼネコンや、サブコンなどの大きな建設会社では建築設備士の専門チームがあるなど、専門的な知識を必要とする現場を多く担当しています。
2015年の法改正に伴い、延べ床面積2000㎡を超える建造物の設計には建築設備士の意見を聞く事が努力義務になっています。
また、建築業界の担い手の減少も含めて、建築設備士の転職需要は高くなる傾向にあると言えます。
経験を積んだ建築設備士であれば初めから管理職候補として、年収800万円から1000万円の提示を受ける方もいます。
建築設備士の勤務先3:設備設計会社
建設工事を請け負う会社ではなく、建築設備を主とする会社への転職も考えられます。
その道のプロフェッショナルとして専門的なスキル、技術を専門集団の中で鍛えていける。そんなストイックな方には、専門の設備設計会社に転職して今以上の能力を獲得していけるということは喜びにもつながるでしょう。
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次は、建築設備士に強い転職エージェントを紹介します。
建築設備士に強い転職エージェント
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求人数 | 建築設備士:531件 (※2023年5月12日時点) |
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