- 介護福祉士の仕事内容を具体的に知りたい
- 介護福祉士の1日の流れを知りたい
以上のような疑問を持つ方に向けて、地域密着型の高齢者施設で介護福祉士として働いた経験を持つ筆者が、介護福祉士の仕事内容、1日の流れ、どんな人に向いているのかについて解説します。
尾﨑 佳奈
大学卒業後、約2年半障害者施設で生活支援員として勤務。その後、転職により現在に至るまで地域密着型の高齢者施設で介護福祉士として勤務。子育てをしながらの勤務をしていたが、現在は第2子妊娠を機に休職中。 保有資格:社会福祉士、介護福祉士
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介護福祉士とは?介護福祉士の仕事内容
介護福祉士とは、身体介護や生活援助を行ったり、介護に関する様々な相談への対応を行う国家資格者のことです。主に高齢者施設で働いている方が多いですが、障害者施設や社会福祉協議会など様々な福祉業界に携わっています。
介護福祉士の主な仕事内容は以下の4つです。
一般的に介護と聞くとイメージする食事や排泄などの身体介護のほかに、生活援助も行います。生活援助とは日常生活の中で利用者さんが1人で行うことが難しい掃除や料理などのサポートを行うことを指します。
利用者さんやご家族の中には不安や悩み事がある方も多くいらっしゃいます。その相談を聞いたり介護に関するサポートを行うことも仕事内容に含まれています。
ほかには利用者さんが地域の人との交流を持てるよう、関係の構築を行ったりもします。
一般的に介護福祉士といえば身体介護のイメージが強いと思いますが、国家資格ということを活かし介護全般に関わる仕事をしていることが特徴となります。
施設によって仕事内容や介護する利用者が異なります。
介護福祉士が働く場所について知りたい方は、以下の記事も読んでみてください。
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介護福祉士の仕事の1日の流れ
私が地域密着型特別養護老人ホームで勤務していた際の1日の流れをご説明していきます。
※日勤帯の場合
8:30 | 出勤。施設全体の連絡事項や前日の利用者さんの記録を確認。 ユニットに入り朝食後の食器の片付けや口腔ケアを行う。 |
9:00 | オムツ交換。 |
9:50~ | 朝礼。1日の流れや連絡事項、利用者さんのことなど様々な情報を共有する。 |
10:00〜 | 朝の補水。おやつやコーヒーなどを提供し食事介助する。終わり次第昼食のお茶を準備する。 |
11:15~ | 介助に時間が掛かる方などは早めに食事が来るので介助を行う。 |
11:30~ | 昼食。全員分の食事が来るので配膳や介助を行う。終わり次第口腔ケアを行いベッドに横になっていただく。 |
12:50~ | 休憩。 |
13:50~ | 入浴。職員4人でストレッチャー浴を行う。 |
15:00~ | おやつ。おやつを準備し提供。介助が必要な利用者さんへの食事介助を行う。 |
15:20~ | 夜勤者が出勤するまでコミュケーションを取ったり、洗濯畳みや日勤帯の記録を行う。 |
16:30~ | 夜勤者が出勤したら日勤帯の様子を報告する。夕食のお茶の準備を行い介助する。 |
17:00~ | 退勤。 |
時間に追われることもしばしばあるので職員間で報連相をきちんと取り、業務に優先順位をつけて仕事を行うことがとても大切でした。
介護福祉士の仕事の大変な点
介護福祉士として勤務していた際の経験を元に、この仕事の大変な点についてお話させていただきます。
介護福祉士の仕事の大変な点は、体力面・精神面の強さがないとできないことです。
介護福祉士の仕事の大変な点1:体力面
車椅子への移乗やオムツ交換、入浴などの身体介護は想像以上に体力を奪われます。また利用者さんの体格などによっては2人がかりでないと介護できない場合もあります。
1日に何度もたくさんの方を介護することは重労働ですので、1日の終わりには疲労困憊になってしまうこともあります。
私が地域密着型特別養護老人ホームで働いていた時は、1人で10名のオムツ交換に入ることもありましたが、身体の大きな方や拘縮の強い方を1人で介助することはとても大変です。
やっと終わったと思えば次の業務に取り掛からなければならず、休憩を取ることができない日もありました。とにかく座る暇もなく動いていることが多かったので、体力がなければ続けられない仕事であるといえます。
介護福祉士の仕事の大変な点2:精神面
また介護福祉士の仕事は認知症の利用者さんを対象とすることが多いです。そのため会話が通じなかったり、してもらいたいことができなかったりなどあります。時として認知症の症状により暴言や暴力を振るってしまう方もいらっしゃいます。
毎日そのようなことがあるので、どうしてもイライラしてしまうこともあります。しかしそこで冷静に対応しなければならないのが介護福祉士です。そのためかなりの精神力が必要となり、結果として心も疲れてしまいます。
ほかには命を預かる仕事ですので、怪我や事故が起きないか気を張って仕事をしなければなりません。それも精神的にキツイと感じる理由の一つであるといえます。
介護福祉士に向いている人
介護福祉士に向いている人の特徴についてお話させていただきます。
介護福祉士に向いている人1.コミュニケーションを取ることが好きな人
介護福祉士は利用者さんとも様々な職種ともコミュケーションを取る必要があります。仕事をする上で必要なスキルですので、人とコミュニケーションを取るのが好きな人の方が向いているといえるでしょう。
介護福祉士に向いている人2.優先順位を考え行動できる人
介護福祉士は、仕事中いくつかの業務を同時進行しなければならないことがあります。その際どの業務を優先して行うかによって業務の進行に差が出てきます。ですので優先順位を考え行動できる人の方が仕事がしやすいでしょう。
介護福祉士に向いている人3.責任感の強い人
利用者さんの命をお預かりしている立場ですので、責任感がないと利用者さんの身に危険が及ぶこともあります。自覚と責任を持って仕事ができる人の方がよいでしょう。
介護福祉士に向いている人4.気遣いのできる人
利用者さんの中には発語がない方も多くいらっしゃいます。生活する上で不快に感じていることを表出することが難しい場合も多々あります。
その気持ちに気付くことは難しくとも、想像して不快感を取り除くことはできます。そのような気遣いは利用者さんの心地よい生活を送る上でとても大切ですので、気遣いのできる人は向いているといえるでしょう。
介護福祉士に向いている人5.仕事が丁寧な人
例えば身体介護する際、雑に行うと利用者さんに痛みが生じる場合があります。丁寧に行える人の方が利用者さんのためにもなります。
介護福祉士に向いていない人
介護福祉士に向いていない人の特徴についていくつか挙げていきます。
介護福祉士向いていない人1.コミュニケーションを取ることが苦手な人
介護福祉士は様々な人とコミュニケーションを取ることで情報を得る必要があります。
そのため、利用者や職場の人と話すことが苦手であったり報連相ができないと業務に支障をきたす場合もありますので、向いていないといえるでしょう。
介護福祉士向いていない人2.綺麗好きな人
施設で働く場合、排泄介助などを行うことは必須となります。
綺麗好きな人は仕事が辛いと感じることもあるでしょう。
介護福祉士向いていない人3.体力に自信のない人
介護業務は体力勝負の仕事です。大柄な方や拘縮の強い方を介助する際、かなり体力を使うこともあります。また業務が忙しいので休む間もなく動き回ることも多々あります。ですので体力に自信のない人は向いていないといえます。
介護福祉士向いていない人4.周囲を見て行動することが苦手な人
現場で働いていると、見守りの必要な方が立ち上がって歩いていたりなど予期せぬことが多々起こります。
何か業務に集中していても、異変がないか周囲を確認しながら行う必要があります。気付けず事故が起こることが介護の現場ではよくあります。ですので周囲を見ながら行動することが苦手な人は向いていないでしょう。
介護福祉士向いていない人5.気が短い人
認知症の方の中には怒りっぽい方や話が噛み合わない方も多くいます。いつでも冷静に対応する必要があるので、気が短い人は常にキツイと感じてしまうかもしれません。
介護福祉士の資格を取得する方法
介護福祉士の資格を取得する方法は大きく分けて3つあります。
まずは福祉系の高校に進学し受験する方法です。指定された科目を全て履修することで受験資格を得ることができます。
次に国が定める養成施設に進学し取得する方法です。この養成施設とは専門学校や大学などが挙げられます。(参考:公益社団法人 日本介護福祉士養成施設協会)
学校には行かずに働きながら取得することも可能です。その場合介護事業所で3年間働くことで受験資格を得ることができます。
介護福祉士と社会福祉士の違い
介護福祉士と社会福祉士の共通点は、国家資格であることと対象者が同じであることです。この共通点を元に2つの職種の違いについてご説明していきます。
介護福祉士と社会福祉士の違い1:受験資格・難易度
まず両職種とも国家資格なのですが、介護福祉士は実務経験があれば受験することができ、その一方で社会福祉士は養成校の卒業が必須要件になります。
また難易度にも違いがあり、介護福祉士の合格率は令和3年度の試験で72.3%、社会福祉士は令和3年度の試験で31.1%となっており、合格率の差が約半分もあることが分かります。
社会福祉士は介護福祉士よりも関わる範囲が広いため難易度も高いのです。
対象者
次に支援する対象者ですが、介護福祉士は主に高齢者や障害者を支援することが多く、社会福祉士の場合は貧困者や児童など全ての福祉に関わる人が対象となります。
仕事内容
仕事内容にも違いがあります。介護福祉士は主に身体介護や生活援助が主で、利用者さんに直接触れる業務が多いのですが、社会福祉士の場合は直接介護することはなく、相談業務などが主になります。
このように両職種は同じ福祉でも役割が違うことが分かります。
介護福祉士の平均年収
求人ボックス給料ナビによると、介護福祉士の全国平均年収は2023年6月12日現在、正社員の場合321万円となっています。
国税庁が公表している「民間給与実態統計調査」によると、令和3年分の日本の平均年収は443万円となっています。(参考:国税庁|令和3年分 民間給与実態統計調査)
このことから介護福祉士の平均年収はほかの職業よりも低いことが分かります。
介護職は離職率も高いです。そこで政府が対策として介護職員等特定処遇改善加算という制度を2019年から導入しています。(参考:厚生労働省|介護職員の処遇改善)
この制度は介護職に長く携わってもらえるよう、一定の要件を満たすと政府から処遇改善金が加算されます。このお金は職員の手当として分けられるので、導入以前よりも介護職の給料は上がっています。
厚生労働省によると令和2年と令和3年の介護職の平均月給を比べると、7,780円上がっていることが分かっています。(参考:厚生労働省|令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要(案))
ほかにも資格手当や夜勤手当などにより給与に幅が出てきますので、平均年収より貰える可能性も高いです。
介護福祉士へ転職するときのアドバイス
介護福祉士として福祉職への転職を考える際、事業所の数が多くどこに応募すればよいのか分からないことがあると思います。
まずは自分がどの分野の介護福祉士になりたいのか、どんな利用者さんと関わりたいのかをハッキリさせることが大切です。その上でこの記事でご紹介したポイントを参考に、その事業所がどんな事業所なのかをじっくり見てみてください。
また求人やホームページを見ても、その事業所がどんな雰囲気なのか、どんな利用者さんがいるのかは分からないことが多いです。応募前にまず施設見学することをオススメします。見学することで職員間の雰囲気や業務の忙しさも感じることができますよ。
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