大川章
オブリージュ株式会社/代表取締役
ベンチャー企業、外資系企業を中心としたサーチエージェントであるオブリージュ株式会社の代表。テクノブレーン株式会社、ジェイエイシージャパン(現ジェイエイシーリクルートメント)、オムロン系の人材会社等を経て現職。 千葉県在住。(オブリージュ株式会社HP: http://www.oblige-jpn.com/ )
(※本インタビューはZoomで実施し、写真撮影時のみマスクを外しています)
まずは現在の仕事における悩み・転職の目的を明確にしよう!
ー転職の第一歩って難しいと思うんですけど、まず何をすればいいんですかね?はじめて転職活動をする人にとっては未知の世界だと思うんですが。
転職をしたいって思ったら、まず悩み事を紙に書き出していってみてください。
要するに、思いの丈をまず書いてもらって、そこでまずなぜ嫌なのかとかを深掘りしていくといいと思うんですよね。
『なんで転職したいのか?』
『それは上司が嫌だから。』
『なんで上司が嫌なんだろう?』
こういう風にいろいろ考えて行くと転職の目的が分かってくるようになるので、まずは書いていって貰えればなって思いますね。
これは、転職するかどうか悩んでいる段階でやった方がいいと思います。
自分の悩みやその原因・理由を整理していった結果、転職をした方がいいってなることもあれば、転職をせずに今の職場で頑張った方がいいこともあると思います。
その中で、現時点での自分の方向性を定めることに意味があると思うんです。
ー忙しすぎて、仕事が大変過ぎて、自分が転職をしたいのかどうかすら考えることが出来ない状況というのもあると思うので、頑張って時間を取ってそのあたりをクリアにすると行動に移せるかもしれませんね。
はい、転職の目的が明確化している人は、すぐに転職活動を始められると思うんですけど、ほとんどの人は仕事の悩みが漠然としたままで止まっているんだと思います。
不安な気持ちがあるけど、どうしたいのか、どうしたらいいのか分からないという状態でストップしてしまう。
こういった人は、転職エージェントに相談する前に、まず、仕事の悩みについて整理してみることをおすすめします。
そこで悩みを書き殴っていって、「こんなに私悩んでいるんだったら転職した方がいいな」って気が付くこともあると思うので、そこから始めたらいいと思います。
ー長期的な話は難しいけれど、今こうしたいっていうのは、それぞれあるかもしれないですね。その次はどうしたらいいんでしょうか?
次は、転職の目的を考えてみるといいですね。
ー目的がクリアだと求人紹介しやすいとか見合ったものを事前に準備しやすいとかあるんですか?
それももちろんあります。
キャリアコンサルタント側もこの人はこういう形で転職したいのかなってなんとなくストーリーが見える可能性があるので。
どういう目的で転職をするかも決まった状態まで考えを整理しておいた方が、きっとキャリアコンサルタントもその人に合った求人を紹介しやすいだろうし、話もすぐ進むと思いますね。
小さい人材会社だったら、転職した方がいいのか悩んでますという段階でも、時間をかけて相談にのってくれるかもしれないですけど、大手転職エージェントの場合だと、50人・100人って登録者がいると回してなんぼってところがあるので、この人は転職するまでちょっと長いなって感じると思うんですよね。
転職の意思が固まっている人の方がすぐに求人を紹介できますからね。
ー大手転職エージェントで言うと、まだ転職するかどうかで悩んでる状態で相談してくるとコミュニケーションを減らすとか、そのまま放置になるとかあるんですか?
うーん、それは会社によってスタンスは違うだろうから何とも言えないですが、
「もうちょっと自分の考えがまとまってから来ていただいた方がいいんじゃないですか」って言われることはあるかもしれないですね。可能性としてはですが。
ー何が叶えたいかとかこういうことできたら嬉しいとかこうしたいっていう気持ちがないとちょっと進め難いですよね?
進めづらいことは事実で、まだ自分がどうしたいかが何もわかっていないという状況だったら、「あと半年くらい今の仕事と向き合ってみてもいいんじゃないか」と言うかもしれないですね。
転職した方がいいのか悩んでいる人って潜在的にはたくさんいると思うんですけど、その中でもやっぱりここが嫌だっていう強い思いをもっている人が転職の決断をするのかなと思います。
仕事の悩みが潜在的になっているというよりは顕在化して、やっぱり外に飛び出さなきゃって思わないと転職の目的が明確になったり、意思が固まったりする状況にはなっていかないですね。
結局、自分で深掘りしていくと転職したいんだという結論に至る人が多い気もします。結果としてですけど。
だから、求職者の方は転職エージェント側のことなんか気にしないで、自分の悩みや考えを整理するためにエージェントと話してみた方がいいっていうのはありますね。求職者からすると転職エージェントが忙しいとか、そんなこと関係ないですからね。
まずは転職エージェントに相談するだけでもOK
ーなるほど。転職エージェントにとりあえず相談してみるっていう使い方もありなんですね。
はい、悩みがあるというのが自分で分かっているなら、何らかのアクションは取った方がいいと思うので。
ー「今の職場で悩みがあるので転職しようか迷っています」とかだと、まだ紹介はできないから、こんな悩みがあって、自分にいい会社ってありますって聞いてみたら、こういう求人だったらあるけどって紹介はしてくれますよね。
話していると大体どういうキャリアかわかると思うんですよね。だったらこういう求人を紹介しますって必ず出てくるとは思います。
もちろんエージェントだって限られた時間の中でもなんとかしてあげたいっていうのはありますから、こういう求人があるので考えておいてくださいよって言ってもらえますね。
ーそれを見て自分には今こういう求人がくるんだ、こういうところにいいって思ってもらえるんだっていうのを把握するだけでも意味ありますよね?
はい、意味はありますね。結果それで転職しなくてもいいんですから。
エージェントが転職した方が良いよって言っても、「やっぱり今はもう少し頑張ることにしました」でもいいと思います。
結果として転職することになるかもしれないですし、まだ早いと思うかもしれないですし、何らかの行動に移すことは大事だろうなっていうのはありますね。
ただ、仕事の悩みが漠然とした段階で、ただ嫌なんですよっていうだけだと話が弾まないって可能性はあるから、1番いいのは現在の仕事の悩みが整理されていて、転職の目的も何となくクリアになってきている段階で相談した方がいいのかなって気はするけどなあ。
大抵の人間関係のストレスは一定起因すると思うから、それがあってどうしようかなって思っていて、話の中で、何となく今の市場を知りたいなとか、僕みたいな事例ってあるのかな?とか一定能動的なところは欲しいですよね。
ー最低限、希望の条件だけでも決めておくといいんですかね?
はい、
『アットホームな雰囲気のところありますかね?』とか、
『在宅勤務ができる会社ってあるんですかね?』とか、
『給与がいい会社、将来性がある会社ありますか?』
『残業が少ない会社ってあるんですかね?』
って投げかけてもらったら何らかのリアクションはできますからね。
『僕の会社、今こうなんですけど、環境悪いですかね?』
でもいいかもしれないですし、
『もっといい環境ありますか?』
とかもありかな。客観的に話せるから。
ー簡単な問いでも作っておくと相手も動きやすくなりますよね。
そうですね。
要は、仕事での悩みを書き殴ってみて、なぜ嫌なのか、なぜこうしたいのかとかが明確になっているといいし、嫌な理由までわかっているとさらにいいですね。転職の目的に落とし込みやすいなと思うので。
面談時間を有効活用するためにやった方がいいこと
ー実際最初の面談の時にメールのやりとりをすることってあると思うんですけど、メールで事前に履歴書とかレジュメを送っておいたら、そこから話を広げやすいとかもあるんですか?
ありますね。
こちら側からするとその方がありがたいと言うのが本音ですね。
いろんな事前準備もできるし、その人に合ったキャリアの選択肢を考えられるのは間違いないですね。
もちろん、まだレジュメの作成はしていませんって人もたくさんいるので、僕の会社では対応はしますけど、ヒアリングをしないといけないので時間がかかるというのも当然ありますね。
ただ、最初はなくてもいいとは思うんですよね。
ー確かに求職者からすると、履歴書を作るのもやったことがないことだから、一歩踏み出さないよりは最悪、履歴書を作成していなくても一回話してみるのはありなんですね。でも大手だとそのような状態だとあまり対応が良くないこともあるんですかね?
可能性もありますね。
大手転職エージェントで働いていた時は、レジュメを事前に作るのは当たり前って言う雰囲気はありましたね。
新卒では無いですからね。事前に用意しておいて、そこからこういう求人がありますよっていう。
転職の意識があるっていうのが前提でお互いお会いするわけなので、レジュメ用意するのは当たり前じゃないかって、この業界でこれは常識となっているのかなと。
ー相談する日まではレジュメがあって、これを元に大手とかだったら、学歴とか簡単なものを入力するけど、さらに詳しいドキュメント(職務経歴書)があった方がそれを元に具体的な話がしやすいんですかね?
もちろんそうですね。
転職者のキャリアがより具体的に分かると、この経験・スキルを活かしてこういう選択肢もありますよってより詳しいアドバイスができたり、いろんな求人を紹介できますからね。
全くないよりは多少なりともざっくりしたものを作っていただいた方が話を進めやすいとは思いますね。
ー 求人を事前に見ておいたりしておいた方がいいんですかね?こういう会社に入りたいとかまで考えておいた方が良いんですかね?
求人まで見ている人ってことは転職に対して能動的になっているってことですよね。
何となく転職したいなっていうのではなく、ここに行きたいっていう気持ちが明確になってる人は、こっちからすると非常にやりやすいですね。
そういう方向で考えているんだねっていうのがわかるし。もうちょっとキャリアを積まないとこの求人は難しいよねっていうのも言えるし。
ー具体的な話が出来るし、それに対して的確なアドバイスも出来るってことですかね?
そうですね。この会社に行きたいって言ってもらえると、なぜここに行きたいのかって深掘りして、どういう考えで転職を考えているっていうのが理解できるので。
ーなるほど、勉強になります。転職活動をするときに先ず何をすれば良いかわかったような気がします。
それは良かったです。
まずは仕事の悩みを整理することから
ーまとめると、まずは仕事の悩みを整理することから始めてみて、それで転職したいなと思うようであれば、転職エージェントに相談してみるといいんですね。
はい。もしくは、仕事での悩みや転職の目的を整理したり、どんなキャリアの選択肢があるのか、今よりいい会社に転職できるのかを知るために相談するっていうだけでもいいですし。
ー 転職したいと思ったらどうしたらいいのか、具体的なアドバイスが聞けてよかったです。ありがとうございます!
いえいえ、転職するかどうか悩んでいる方のためになれば嬉しいです!
オブリージュの取組みについては下記URLをご確認ください
ホームページ URL:http://www.oblige-jpn.com/