この記事は
- 未経験から設計事務所に転職したい
- 建築士に必要な資格を知りたい
以上のような方に向けて、この記事では2級建築士の筆者が、未経験から設計事務所に転職する方法,設計士に必要な資格について紹介します。設計事務所への転職に興味のある方は是非参考にしてみてください。
一本槍 満滋
総合建築を行う会社で電気設備・空調設備に関する設計、施工を10年以上担当。その後、公共事業などを多く担当する会社に転職。監理技術者として電気設備における施工管理業務を行う。現在は個人事業主として独立し、電気・空調設備の設計をメイン業務に、工事受注、店舗等の省電力化を図るコンサルタントなども行なっている。また、専門的な見解を踏まえた建築・電気設備に関するライター活動なども行なっている。保有資格:電気工事士2種、電験3種、電気工事施工管理技士1級、建築設備士、建築士2級
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未経験から設計事務所に転職できる?
性別関係なく、建築士資格を保有しない未経験者が設計事務所に転職する事は可能です。
原則として建築設計事務所において、一名の建築士がいれば事務所として成り立つからです。
従って、未経験者でも設計事務所に転職する事は可能になります。
同じ建築業界での経験が無くても、インテリアが好きで自分で部屋の模様替えをしている事や、DIYで棚や、造作物を作る事が好きなど趣味程度でも建築の基礎として捉えられるスキルがあれば転職活動に有利に働くでしょう。
未経験から設計事務所への転職に資格は必要?
設計事務所の転職を考える際、資格を所持していれば有利に働く事は間違いありませんが、必須ではありません。
しかし、他の業種の資格でも限定的ではありますが、業務に活かすことができるため、転職で多少有利になることもあります。
例えばインテリアコーディネーターの資格を保有していれば、内装や家具などの知識を得ながら、建築関連の知識を得られます。カラーコーディネーターや色彩検定は、人間の心理に作用するカラーのセンスを学んでおけば、業務上で役に立つこともあります。
設計事務所は未経験者でも転職は可能ですが、このような資格を取得しておけば、有利になる事は間違いありません。
設計事務所の職種ごとの未経験から転職するコツ
設計事務所の職種1:設計職
設計事務所の設計士は無資格での転職はハードルが高いです。無資格者が設計職を目指す場合はアシスタントなどを経て資格を取得しながら建築の実績を重ねる事が大切になります。
繁忙期は激務に近い労働条件になるため、ある程度情熱が無いと厳しい職種になります。
一級建築士は取得者の高齢化に伴って、若年層での取得者はどのような転職先でも好まれる傾向にあります。一級建築士取得後も新工法、各種設備への勉強を重ねていく事が必要になります。
設計事務所の職種2:CADオペレーター
設計に使用するCADは主にAuto、Jw、VectorworksやREVITなどになります。使用方法の異なるCADに関する一定以上のスキルを所持している事がCADオペレーターの条件となります。
そのため設計士と同様、未経験では就業することは困難になります。
転職をお考えの場合はパソコンスクールなどへ通ってCAD技術の習得に務める必要があります。転職後は設計士の設計図を基に各種図面を作成していくので、想定年収は経験者は550万円程がベースとなりますので、他の事務作業より高い傾向にあります。
デスクワークが得意で集中力が高い方には向いていると言えるでしょう。
設計事務所の職種3:アシスタント
アシスタントは設計士の補助を行う業務になります。無資格で設計士を志す方が最初に考える転職内容になる事が多いです。
営業や事務職に比べると設計に直結した知識や経験が得られるため、資格取得後に設計士として自立しやすい職業になります。
年齢層としては35歳までの人が就く傾向が高く、就労時間としては残業時間は多めの傾向にあります。
40歳を超えてからアシスタント業務へて建築士になる方もいるので、何歳になっても挑戦できる仕事になります。
設計事務所の職種4:営業
営業職はクライアントの要望を叶えるために尽力する仕事です。
また、改修工事においては問題点の提起、工事に関する是正方法の提案、金額の調整などを行います。その上で、設計士に設計を依頼したり、施工業者との調整、仕様の説明をしたりします。
一番重要な作業は工事における予算案を作成し、実行予算を基に粗利益率を算出して会社に利益を出す仕事になります。
営業職は未経験でも転職しやすく、頑張りによって給与も差が出てきます。資格を所持していなければ、情熱と挑戦精神を基に果敢に営業職にチャレンジして、建築士を取得するなどの方法もありです。
設計事務所の職種5:事務
設計事務所での事務職への転職はしやすい傾向にあります。転職をしやすい業務にあるため、給与は低めの傾向にありますが専門知識には乏しくても業務をこなせる利点があります。
また、勉強次第ではCADオペレーターや建築士なども目指せるのでキャリアアップのきっかけにも良いです。
作業時間は設計事務所にもよりますがやや多い部類に入ります。最近ではFAX離れもあり、在宅ワークができるのでフレキシブルな仕事が可能な職種でもあります。
設計事務所の転職先選びのポイント
設計事務所への転職選びは、自分がどのような建築士になりたいのかしっかりとしたビジョンを持つ事になります。
その上で設計事務所をアトリエ系の設計事務所を選択するか、組織系設計事務所を選択するかを決めるべきです。
デザインを中心として個人宅からビルなどの意匠設計をメインに行うアトリエ系事務所が良いのか、個人住宅の受注こそ少ないですが、意匠、構造、設備を組織的に設計してゆくプロ集団の一員としての活用を望むのか。
自分の携わりたい建築士としての道を一本に決める事がポイントになります。
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未経験から設計事務所への転職活動のコツ
設計事務所への転職の際、未経験者が何をアピールできるのか。それは単純に建築が「好き」だという事です。
面接の際、自分がどんな建物に従事したいのか、今までに見た建造物ですきな物は何なのか、自分自身の見解、言葉で語る事ができるのかという事だと思います。
また、そのような意思を伝えてくれる転職エージェントを活用すると、未経験者から募集している設計事務所を探してくれるだけでは無く、転職活動を有利に進める事ができます。
未経験から設計事務所への転職後のキャリア
未経験で設計事務所に転職した際に初めに任される業務は、基本的には設計士の補助など事務的な作業や現場写真の撮影や資料の作成になります。
それら基本的な業務をこなし、建築に関する基礎的な知識を得ていきながら、図面作成のための測量や製図(CADソフトの使用方法)、建築物の模型造作などを学んでいきます。
実務経験を積むとともに建築士の取得をしていく事ができれば、数年後には簡単なプロジェクトを任せられるようになります。
設計事務所の業務内容
設計事務所の業務内容1:クライアントとの打ち合わせ
クライアントとの打ち合わせは最も肝心な工程になります。工期の最中に幾度も打ち合わせを重ねる事により、クライアントの理想を実現させることができます。
その中でも初めの打ち合わせは肝心で、大きな会社では営業職と設計士が同伴で打ち合わせを行います。また工事上難しい点、特注の資材などがある場合は担当予定の業者やメーカーも出席します。
打ち合わせではクライアントの要望をとらえ間違えすることなく引き出し、それを記録します。複数の業者が働く建築現場では些細なミスで工程に大きなズレを生じさせる原因となります。
決められた予算内、工期内で竣工できるよう談話ではなく確実な打ち合わせになるように努めなくてはなりません。
設計事務所の業務内容2:現地調査
新築設計であれば測量や近隣施設の確認、病院や消防署の確認、工事に際する騒音被害、日照権などに関する調査を行います。
現地では設計士、営業職、測量士などが立ち合い建設土の搬出、物品の搬入経路からトラックの停車位置までを打ち合わせしていきます。
現地調査を怠ると住民、クライアント、工事関係者からのクレームの原因を作る事になりますので注意が必要です。
現地調査後は確認事項、打ち合わせ事項をPDFにして、各担当者と内容を精査することが大切になります。
設計事務所の業務内容3:コンセプトやラフの作成
打ち合わせ、現地調査を踏まえた上で設計士が「ただの建物」を「自分が設計した建物」としての主張をまとめていきます。
コンセプトとは設計以前のその建物に対する捉え方を表す者で、このコンセプトが建物を設計する上での主軸の考え方になります。
主に設計士が担当する分野で営業職などと相談しながら作業を進めていきます。
設計事務所の業務内容4:設計
コンセプトを作成して建物の方向性が決定すると、設計士はいよいよ建物の設計業務を行います。
工事概算を行い、基本設計と実施設計(設計図書の作成)を順に行っていきます。実施設計には標準仕様書や特記仕様書も含まれており、この内容を元に後々に施工業者が工事内容に関する工法上の注意や注意事項、提出書類を確認します。
建物が大きくなる程詳細事項に関する設計事項が多くなるため、複数の設計担当者で行います。クライアントと何度も内容を確認し合う事で設計を完成させます。
設計事務所の業務内容5:施工会社の選定
施工会社の選定は実績を基に複数の業者に見積もりを提出させて選定していきます。建物の大きさによって会社の規模も変わってきますので、その業者がどの程度の建物、どのような躯体、工事に携わってきたかを確認する必要があります。
この業務は大きな設計事務所では工事管理をする方が行ったり、営業職が選定したり、設計士が独自に行ったりします。
普段から多くの業者の方と関わり、しっかりとした信頼関係を築いている事が施工会社の選定には必要になります。
設計事務所の業務内容6:施工監理
施工が始まれば現場代理人に施工管理を行ってもらい、設計士は施工監理をしなくてはなりません。
この監理と管理の違いは、工事上の管理を行うのか、設計図、法令通りに施工が進んでいるかの監理をするのかの違いになります。
施工監理者は現場に常駐する訳ではなく週次定例会議や構造に関する検査の時に立ち合いをします。
安全のため、クライアントの要望を100パーセント叶える為、施工の細かい部分に手抜きや間違いがないか責任のある仕事になります。
設計事務所の業務内容7:引き渡し
全ての業務が完了すると、建物をクライアントに引き渡します。担当営業職、設計士が一箇所ずつクライアントと共に確認をしていき、設計上間違えがないか確認していきます。
設計のディテールだけではなく、設備の詳細も説明していくので、細かい機械の働きや機能に関する知識も必要になります。
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