営業担当のサポートをする営業事務は、必要とされることが多い職種です。
しかしながら、営業事務がキャリアにならないと書かれている記事がネット上で散見されます。これはなぜでしょうか。
この記事では、キャリアコンサルタントの筆者が、営業事務はキャリアにならないと言われる理由、営業事務のキャリアパス、営業事務としてキャリアアップする方法について解説します。
綿引亜衣
総合人材サービス企業にて法人企業の採用支援、キャリアアドバイザー職に10年間携わる。名古屋での勤務経験があり、地域特性を踏まえた面接対策や、Uターン転職支援にも強みを持つ。これまで採用支援経験のある業界は広告・不動産・建設・消費財・通販業界など。その後求人サイトのマーケティング職を経て、現在は 総合人材サービス企業の広報業務に従事。■保有資格：国家資格キャリアコンサルタント
営業事務はキャリアにならないと言われる理由
営業事務はキャリアにならないと言われる理由1：AIによって代替されやすい
一番の理由は、生成AIの登場です。chatGPTをはじめとする生成AIの存在によって、これまで営業事務の方に依頼されていた作業がAIで代行することが可能となりました。
明確な指示文を作成すれば、生成AIがエクセル関数や顧客への提案資料を作成してくれるのです。
このような変化によって、営業事務の業務をすべて人が対応しなければならない時代が変わりつつあります。そのため、営業事務職が無くなる、といった検索ワードを見かけるようになっているのです。
営業事務はキャリアにならないと言われる理由2：外部委託に切り替えやすい
もう一つの理由は、営業事務の仕事を「外部委託に切り替えることができる」からです。
派遣社員や、業務委託といった方法で営業事務の担当を置くことができるため、必ずしも直接雇用の社員が対応せずとも成立する職種でもあります。
業績が悪化した会社では、人件費を削減するためにこのような手法を取ることがよくあります。
このため、営業事務として働くことで安定就業の実現が突然できなくなることもあるため、キャリアにならないと言われることがあります。
営業事務はキャリアにならないと言われる理由3：評価されにくい
最後の理由は、会社に評価されにくく、昇給や昇格が見込みにくいためです。
人のサポートをする仕事である営業事務は、「自分がこの行動を取ったので、会社の売上を〇％伸ばすことができた」という明確なアピールがしにくいことから、会社から評価されにくい職種でもあります。
では、営業事務としてキャリア形成するには、どのような方法があるのでしょうか。
次は、営業事務のキャリアパス、営業事務としてスキルアップする方法について解説します。
以上のような理由で、営業事務はキャリアにならないと言われていますが、営業事務で身につくスキルもあります。
次は、営業じむで身につくスキルについて解説します。
営業事務で身につくスキル
営業事務で身につくスキル1：コミュニケーション能力
時には営業に代わって顧客とコミュニケーションを取ることもあるため、営業事務の仕事にコミュニケーションスキルは必要不可欠です。
そのため、営業事務として働くことで、コミュニケーション能力を培うことができます。
人の話をよく聞き、受け止めたり確認・質問することでコミュニケーション能力の習得につながります。
言葉だけでなく、ジェスチャーや姿勢・表情も含めた表現手段をフル活用し、コミュニケーション能力を鍛えると良いでしょう。
営業事務で身につくスキル2：明るさ、気配り力
ともに働く営業職の社員は、目標達成や顧客から受けるプレッシャーと闘いながら働いているため、明るく気配りをしてくれる営業事務の方がいるだけで職場の雰囲気がなごみます。
営業事務として働いている人は対人印象が良い方が多く、「一緒に働きたい」と思われる人になることができます。
スキルを身に着けるためには、顧客やサポート対象となる営業職の社員が何を求めているのかを常に考え、行動するよう心掛けると良いでしょう。
営業事務で身につくスキル3：柔軟性
刻々と変わる顧客の要望に応えるため、当初指示された内容が後から変わることも。その時々の要望を理解し、柔軟に対応できる能力が求められます。
営業事務の経験を積むことで、当初の指示に固執せず、場を読んで動きを変える柔軟性を身に着けることができます。
柔軟性を習得するには、様々なことに積極的にチャレンジして、経験の幅を広げると良いでしょう。担当業務の範囲にとらわれず、経験値を高めることで柔軟な発想をする癖がつきます。
営業事務のキャリアパス
資格取得、専門分野の事務職などへのキャリア形成が可能です。
PCスキルがあることを示すMOS（マイクロソフト オフィス スペシャリスト）や日商簿記、秘書検定などの資格取得は将来的なキャリア形成にも有利に働きます。
また、事務職として働く社員が多い企業では、事務職のリーダーや管理職ポストもあるため、昇進・昇格を目指したキャリアプランを検討しても良いでしょう。
スペシャリスト志向の方の場合、経理事務や法務事務といった、専門性の高い事務職へのチャレンジもできます。
あわせて読む：営業事務のキャリアプランの例文｜面接での答え方を解説！
営業事務としてキャリアアップする方法
営業事務としてキャリア形成していくためにはどうすれば良いのか、詳しくご紹介していきます。
営業事務の仕事は、様々なスキルを身に着けることができます。日々の業務を通じてOAスキルを向上させ、資格取得を目指すこともキャリア形成につながります。
具体的には、先に述べたMOS（マイクロソフト オフィス スペシャリスト）や日商簿記、秘書検定などの資格取得を検討すると良いでしょう。
日商簿記に合格することで売上管理などの業務を任されたり、経理業務に挑戦する機会を得られるかもしれません。
また、秘書検定取得をきっかけに役員や上級管理職の担当秘書を任される可能性も考えられます。
資格取得によって、営業事務だけでなく、さらなる職種経験を習得でき、キャリアが広がる可能性も高まります。
営業事務経験を活かせる転職先
営業事務経験を活かせる転職先1：専門領域の事務職
先に述べたスキルアップの一つ、資格取得で日商簿記などの数字を取り扱う資格を取得している場合、経理事務をはじめとする専門領域の事務職にチャレンジすることも可能です。
顧客とのコミュニケーションを取るよりも、黙々と作業に没頭したいタイプの方や、決められた納期に向かってコツコツと正確に作業したい方に向いている転職先とも言えます。
営業事務経験を活かせる転職先2：営業
営業事務の方の中には、営業の代理として顧客と積極的にコミュニケーションを取るうちに、営業担当と同じくらい信頼され、様々な相談を受ける方もいます。
このような関係構築をやりがいと感じられる場合は、営業への転職を検討しても良いかもしれません。
営業事務として事務作業を処理した経験は、営業に転職した後も役に立つ経験です。サポート役の立場を経験しているからこそ、営業の立場から営業事務の方と円滑な連携ができるでしょう。
オペレーションに強い営業は成果を出しやすく、顧客からも信頼される存在と言えます。
営業事務経験を活かせる転職先3：カスタマーサクセス
営業事務の経験を通じて、顧客や外部の方とやり取りすることが楽しいと感じる方や、自分の仕事をより評価されたいと考える方には「カスタマーサクセス」をおススメします。
カスタマーサクセスとは、既に商品を購入している顧客に能動的に関わり「顧客のサクセス（成功体験）の実現」を支援する仕事です。契約獲得のための営業活動は行わず、解約率・NPS（顧客ロイヤルティー）をKPIとして業務に取り組む仕事です。
営業事務よりさらに責任ある立場で仕事をしたいが、ノルマや目標に追われるのは嫌だという方にぴったりの仕事と言えます。
営業事務経験を活かせる転職先4：法人営業
営業のサポートを通じて、営業職に興味を持ち、転職先として考える方もいます。
顧客に必要な提案を自分で考え、直接顧客に提案をすることができるため、責任の重い仕事ですが同時に大きなやりがいを得ることもできます。
また、顧客の役に立てた時に最も感謝される役割でもあるため、貢献実感も得やすい点が魅力です。
営業事務経験を活かせる転職先5：接客販売職
営業事務で培ったコミュニケーション能力を生かして、様々な商品の接客販売職に従事する方もいます。
アパレルや化粧品、携帯電話や雑貨など、販売する商材によって接客スタイルが大きく異なるため、自分に合った接客販売スタイルを探した上で、商材を選ぶと良いかもしれません。
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次は、営業事務への転職、営業事務からの転職におすすめの転職エージェントを紹介します。
営業事務への転職におすすめの転職エージェント
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あわせて読む：営業事務に強い転職エージェントおすすめ9選
営業事務からの転職におすすめの転職エージェント
営業事務からの転職におすすめの転職エージェント1：アデコ
アデコは、37年の人財ビジネスの実績があり、転職支援実績が豊富な転職エージェントです。
特に女性に人気の事務職に強く、営業職、サービス、IT系など幅広い職種の求人を保有しています。
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営業事務からの転職におすすめの転職エージェント2：えーかおキャリア
えーかおキャリアは、既卒や20代フリーターのキャリア相談に強い転職エージェントです。
学歴・経歴不問の求人を中心に扱っているため、職歴がない方や経歴時に自信がない方でも安心して利用できます。
自己分析やキャリアプランの相談、求人紹介、応募書類の作成、面接対策まで丁寧にサポートしてくれるため、就職後のキャリアや就職活動の進め方について相談したい方におすすめです。
面談だけでなくLINEでも気軽に相談ができ、専任のアドバイザーが親身になって相談にのってくれるので気軽に相談してみてください。
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| こんな人におすすめ | ・既卒やフリーターからのキャリアについて相談したい ・就職先や就職活動の進め方について相談したい |
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