- 『面接や社内面談でキャリアプランをどう答えればいいの?』
- 『キャリアプランはどうやって考えればいいの?』
と思っていませんか?
この記事では、キャリアコンサルタントの筆者が、社内面談でのキャリアプランの考え方や階層別のキャリアプランのポイントを例文付きで解説します。
社内面談でキャリアプランについて聞かれた時の答え方がわかるので、ぜひ読んでみてください。
綿引亜衣
総合人材サービス企業にて法人企業の採用支援、キャリアアドバイザー職に10年間携わる。名古屋での勤務経験があり、地域特性を踏まえた面接対策や、Uターン転職支援にも強みを持つ。これまで採用支援経験のある業界は広告・不動産・建設・消費財・通販業界など。その後求人サイトのマーケティング職を経て、現在は 総合人材サービス企業の広報業務に従事。■保有資格:国家資格キャリアコンサルタント
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社内面談でキャリアプランを聞く理由
社内面談でキャリアプランを聞く理由1:自分に向き合っているのか、考えがまとまっているのかを確認するため
社内面談では社員本人がどのようなキャリアプランを描いているのかを確認することがよくあります。
人事が社員にキャリアプランを聞く理由はいくつかありますが、そのうちの一つが社員が自分自身と向き合い、自らの在りたい姿について考えているかどうかを確認するためです。
採用面接ではないため、特にまとまったプランが無い場合は、「まだ検討中です」などと回答しても大丈夫です。
社内面談でキャリアプランを聞く理由2:目標とのギャップを捉えられているかなど、社員の課題を明確にするため
ありたい姿や、実現したい目標がある場合、目標と現在の差分(ギャップ)を社員自身が認識できているか、今の社員自身に足りない能力について、本人がどのように考えているかを確認する目的でキャリアプランを質問することもあります。
社員にどのような課題があるのかを明確にすることで、その後の会話をスムーズに進められることからキャリアプランを聞くことがあります。
社内面談でキャリアプランを聞く理由3:社員自身の気づきを促すため
人事との対話を通じて、社員自身がこれまで気づくことが出来ていなかった観点が見えてくることがあります。
頭の中で考えていることを言葉にして人に伝えることで、矛盾に気づいたり、本当に思っていることは別のことだったと気づいたりすることがあります。
面談では、このような気づきを促す意図でキャリアプランが聞かれることもあります。
社内面談でのキャリアプランの考え方
キャリアプランの考え方について、3つのステップに分けて解説します。
キャリアプランの考え方1:ありたい姿を考える
キャリア=仕事と考えがちですが、生活や人生全体といった生き方そのものを設計するのがキャリアプランです。
仕事に囚われず、自分自身のありたい姿を想像するところから始めましょう。
また、どの職種につきたいか、より「仕事を通じてどのような能力を得たいか」から考えると、選ぶべき職種がおのずと分かることもあります。
キャリアプランの考え方2:今の自分との差分(ギャップ)を客観的に書く
ありたい姿を言語化できたら、次は今の自分との差分を箇条書きでまとめていきましょう。
今はまだ手に入れられていないもの(能力・環境)は何か、を客観的に考えて書き出すことが大切です。
キャリアプランの考え方3:3年後・5年後・10年後の具体的な目標(ロードマップ)を考える
ギャップが明確になったら、次はキャリアプランの実現のために達成が必要な目標を作ります。
1年単位や、3年・5年・10年後など、細かいステップに分けて目標達成できるように考えると計画を作りやすいでしょう。
あわせて読む:【例文付き】キャリアプランの作り方の3つの手順|キャリアプランがない人必見!
社内面談でのキャリアプランの考え方のポイント
社内面談でのキャリアプランの考え方のポイント1:5年以内など、近い時間軸のキャリアプランについて具体的に考える
基本的なキャリアプランの考え方は、一般的なキャリアプランと同じですが、社内面談の場合は転職面接と違って「社内でどう活躍するか」が話の中心となるため、この先5年以内など、比較的近い時間軸のキャリアプランを細かく考えたほうが良いでしょう。
また自身の課題については、上司や先輩からよく言われることがあればそれを書き出しましょう。
社内面談でのキャリアプランの考え方のポイント2:社内のロールモデルを探す
勤務先の会社内や、同業他社などで憧れの存在がいる場合は、その人をロールモデルとして考え、キャリアプランを作っていきましょう。
ロールモデルのどのような能力、仕事ぶりに憧れているのか、ロールモデルのどのようなところを見習いたいと考えているのかについて書き出し、キャリアプランを構築していくこともできます。
社内面談でのキャリアプランの考え方のポイント3:人間関係や、給与面など社内ならではの項目についても準備しておく
勤務している会社で活躍していくためには、今の就業環境や条件に対してどのように感じているかも伝えると良いでしょう。
人間関係や給与といった、現在置かれている環境や待遇についてディスカッションすることで、希望に向けてどのようにアクションをすると良いか具体化できるでしょう。
社内面談でのキャリアプランの書き方・答え方の注意点
ポイント1:今所属している会社内でのキャリアプランにフォーカスして書く
先に述べた通り、社内面談の場合は転職面接と違って「社内でどう活躍するか」が話の中心となるため、この先5年以内など、比較的近い時間軸のキャリアプランを細かく考えたほうが良いでしょう。
例えば、起業や転職を考えていることを含めてキャリアプランを伝えた場合、「退職させないようにしなければ」と引き止めるようなコミュニケーションにつながるなど、本来面談で話したかった論点からそれた会話になってしまう恐れがあります。
ポイント2:仕事に関するキャリアプランを中心に書く
プライベートや趣味に関することより、仕事に関して考えていることを中心に書くと良いでしょう。
しかしながら、介護や子育てなど、仕事に大きな影響を及ぼすプライベートの変化がある場合は、この点も含めてキャリアプランを伝えたほうが良いでしょう。
社内面談の目的に応じて、キャリアプランのフォーカスポイントを変えていくと良いと言えます。
年代別社内面談でのキャリアプランの書き方
若手(20代前半)のキャリアプランの書き方
社会人になって間もない若手(20代前半)のキャリアプランは、5年以内など比較的短い時間軸のプランを書くと良いでしょう。
今の仕事や会社から求められているキャリアプランだけでなく、学生時代に思い描いていた夢や目標を実現するためのキャリアプランを思い出し、自分が本当に実現したいと思えるキャリアプランはどのような内容か、を考えましょう。
私のキャリアプランですが、まずは今の担当業務で成果を出し、その上で後輩の育成に携わることができるよう努力を重ねたいと思っています。将来的な希望は、マーケティング部門に異動することです。自社の〇〇という広告に強い魅力を感じたのが入社理由のため、自分自身で〇〇のような感動を人に与えたい、と思っています。今はまだ、担当業務を日々こなすことに精一杯のため、まだまだ先ですがいつか挑戦したいと思っています。
中堅社員のキャリアプランの書き方
中堅社員は管理職候補として期待されることが多いため、管理職への昇進意向があるかどうかをキャリアプランで問われる場合があります。
マネジメント志向ではなく、特定の分野を突き詰めるスペシャリスト志向の方が強い場合はその旨をきちんと伝えることが大切です。
入社以来、一貫して今の担当業務に携わってきました。これまでの経験を通じて、担当業務の奥深さを実感し、今後も突き詰めたいと考えています。具体的には〇〇資格を取得し、これまで自社では取り組むことが難しかった範囲にチャレンジできるよう貢献したいです。管理職への興味は率直に申し上げてあまり持てておらず、スペシャリストとして今の業務スキルをさらに高めていくことに、より強い関心を持っています。
管理職のキャリアプランの書き方
管理職の場合、今よりさらに上位の管理職への昇進・昇格を会社から求められるでしょう。
管掌範囲が広がることで、自身が考える打ち手や戦略の選択肢が増えるため、自身の影響力をより実感しやすくなると言えます。
昇進・昇格のキャリアパスに対して魅力を感じている場合は、その目標実現に向けたキャリアプランを検討しましょう。
一方、管理職を経験してみた上で、スペシャリストへの転向を希望している場合は、面談で率直に気持ちを伝えるのも良いかもしれません。
管理職を拝命し、マネジメント業務に従事することで戦略・戦術立案のスキルを習得できていると感じております。今後は、より広範囲を管掌し今よりも難易度の高い環境に挑戦するため、より上位の職位を目指して努力したいと考えております。
次は、職種別のキャリアプランの例文を紹介します。
社内面談での営業職のキャリアプランの書き方の例文
営業職のキャリアプランでは、現状でどんなことを得意とするか、どんな実績があるかアピールし、それを活かして3年後・5年後にどんな目標を持っているのか具体的に答えましょう!
私は営業部門のリーダーを目指したいと考えています。
現職ではクライアントとの強固な関係構築を得意とし、月間売上300万円を達成しています。このスキルを活かして、協力し合いながら新しいビジネスチャンスを探り、3年後には部署内での売上1位を達成したいと考えています。そして、5年後には得たノウハウをチームに共有し、新人育成にも携わりたいです。まずは商品や顧客についての知識を身につけながら個人成績を伸ばし、部署全体の業績を上げられるリーダーになりたいと考えています。
今後の3年間では、私は更なる成長とリーダーシップの役割を果たすことを目指しています。現在の経験を生かし、3年後には現場統括マネージャーのポジションを目指しています。これまでの経験から得た知識や提案力を活かし、部門全体のパフォーマンス向上に貢献したいです。また、新入社員や若手社員の育成にも注力し、より強力な営業チームを築くことが重要だと考えています。これにより、組織全体が成長し、持続可能な成功を達成していきたいです。
5年後には、自身のリーダーシップを更に発展させ、営業部門において重要なポジションを獲得したいと考えています。リーダーとしての役割を果たす中で、新しいビジネスモデルや戦略を模索し、部門の成果向上に寄与したいです。また、部門内のコミュニケーションや協力関係を強化し、共通の目標に向けてチームを統率していきます。
あわせて読む:営業職の3年後・5年後・10年後のキャリアプランの例文
社内面談での事務職のキャリアプランの書き方の例文
事務職では、リーダーを目指す場合と、経理事務や金融事務、貿易事務など、より専門性が高い事務職を目指す場合があります。
専門性が高い事務職を目指す場合は、どんな業務を行えるかや、業務に役立つ資格をアピールしましょう。
事務処理をミスなく丁寧にこなせるようになったと感じていますが、さらに業務を効率化に努め、3年後にはリーダーとして業務の管理や業務改善の提案を行えるようになりたいです。そして、さらに新しい業務にチャレンジすることで自分のできる領域を伸ばし、5年後にはバックフィス全般を統括できるようになりたいです。
私は経理事務として専門性を高めたいと考えています。ミスなく入出金管理や帳簿作成、年次決算をできるようになり、3年後には効率的に業務をこなせるようになり、5年後には経理・財務など知識の幅を広げたいです。
あわせて読む:事務職のキャリアプランの例文|3年後・5年後・10年後の自分を聞かれたら?
社内面談での経理のキャリアプランの答え方
専門スキルが求められる経理職の場合、どんな業務を行えるかアピールし、3年後・5年後にはリーダーとしてマネジメントを行えるようになりたいのか、さらに専門領域を広げて経理のスペシャリストを目指すのか回答しましょう。
私は経理職として5年間日次経理業務から決算書(財務諸表)作成、連結決算、納税申告などを行ってきました。今後は〜し、3年後には新人育成にも携わり、ミスの防止に努めたいです。さらに予算管理や経営状況を分析できるようになり、5年後にはリーダーとして進捗管理や関係部署との調整を行い、ゆくゆくは経理部門の統括をできるようになりたいと考えています。
今後は決算書(財務諸表)作成、連結決算、納税申告なども担当することによって、3年後には経理のプロフェッショナルを目指したいと考えています。そして、5年後には豊富な実務経験を活かし、イレギュラーな案件にも柔軟に対応できるよう努めたいです。
あわせて読む:【例文付き】経理職のキャリアプランの考え方・答え方の3つのポイント
面接や社内面談での販売職のキャリアプランの答え方
販売職では、販売スタッフ→店長→商品企画やスーパーバイザーなどのキャリアパスがあります。
販売スタッフや店長の業務を行う中で身につけた、商品企画やスーパーバイザーの仕事に役立つ知識やスキルをアピールするようにしましょう。
私は商品企画に携わり、人気商品を作れるようになりたいと考えています。アパレルの販売職として〜をすることで購入単価や購入点数のアップに努めてきました。この接客スキルを活かし、さらに〜することで、3年後には店長として店舗売上で実績を作り、5年後には商品知識や接客経験を活かして商品企画に携わりたいと考えています。
私はスーパーバイザーを目指したいと思っています。現在は〇〇の販売や人員管理や人材育成を行っており、スタッフや取引先との折衝などが強みです。この経験を活かして副店長としてスタッフの採用や研修に携わることで指導力を身につけ、3年後には店長としてスタッフの育成による業績向上に努め、5年後にはスーパーバイザーとしてエリア全体の売上を向上すべく〜したいです。
あわせて読む:【例文付き】販売職のキャリアプランの考え方・答え方の3つのポイント
面接や社内面談での製造業・メーカーのキャリアプランの答え方
製造業・メーカーでは、業務の効率化や品質の向上スキルが求められるので、3年後・5年後の目標として個人またはチームでの品質・生産性の向上が例としてあります。
製造知識を活かして〇〇部門との連携をとりながら〇〇の製造に挑戦することで、専門領域を広め、〜ができるようになりたいと考えています。3年後には〜し、5年後にはプロジェクトの製造工程の統括ができるようになりたいです。
私は技術職としての現場経験を積み、チーム全体での統括ができるリーダーを目指したいと考えています。今後はさらに現場経験を積みながら人材育成にも携わり、3年後にはリーダーとして現場の監督および人員管理ができるようになりたいです。そして、5年後には品質管理・生産管理ができるようになることを目標としています。
あわせて読む:【例文付き】製造業・メーカーのキャリアプランの考え方・答え方の3つのポイント
面接や社内面談でのエンジニアのキャリアプランの答え方
エンジニアのキャリアプランは、人材育成やプロジェクトマネージャーを目指したいのかや、どんな製品の開発の経験があり、今後どんな開発に挑戦したいかを答えましょう。
今後はクライアントと直接関わることでヒアリングスキルを身につけ、3年後には、クライアントと現場の意見を調整し、よりスピーディーに品質のいいサービスを提案できるようになりたいと考えています。さらに〜をすることで5年後には、プロジェクト全体の統括を行えるようになりたいです。
現在は得意とし、〜を活かして3年後には〇〇を習得し、〇〇の開発もできるようになりたいです。さらに〜することで5年後にはエンジニアの育成や統括ができるようになりたいです。
面接や社内面談でのデザイナーのキャリアプランの答え方
デザイナーのキャリアプランでは、これまでどんな製品のデザインを行ってきたのかや、要件定義やディレクションの経験をアピールし、今後マネジメントを行いたいのか、デザインスキルを更に磨きたいのか答えるのがポイントです。
今後はさらにUI・UXの設計にも挑戦し、3年目には、要件定義やディレクションができるようになることを目指します。そして、5年後にはリーダーとしてプロジェクト全体のマネジメントができるようになりたいです。
今後は運用改善経験を活かし、多様な業界・サービスののデザイン経験を積むことでさらにデザインスキルを磨き、5年後にはクライアントの要望に合わせたデザインの作成や提案ができるようになりたいです。
あわせて読む:【例文付き】デザイナーのキャリアプランの考え方・答え方 の3つのポイント
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